さて、まずは記事の紹介です
CBの記事ですが700億円が「重要課題推進枠」から厚労省に配分されるそうです。国家規模の事業として、重要課題対策が「700億円」というのが安いのか高いのか(僕の感覚では安い方なんですけど)わかりませんが、重要課題として位置付けられていることには評価しなくてはならないと思います。
問題はどうやって(そのお金を)有効活用するのか…ですけど、本当は現場の意見を聞きながらやって欲しいのですが、たぶん無理なのでしょうね。
復活内示、厚労省分700億円-救急医療などに重点
12月22日22時25分配信 医療介護CBニュース
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081222-00000006-cbn-soci
厚生労働省は12月22日、財務省から示された2009年度予算案復活内示の厚労省所管分について公表した。新たに創設される「重要課題推進枠」3330億円のうち639億円、「調整財源」200億円のうち63億円の計702億円が厚労省分として示され、医師確保・救急医療対策などに重点的に充てられる予定だ。
医師確保・救急医療対策として、「救急医療を担う医師の支援」には新規に20億円が提示され、休日手当1万3570円、夜間手当1万8690円に充てられるほか、「産科医療を担う医師の支援」にも新規に28億円が示され、開業医、勤務医を問わず、分娩1件当たり1万円の手当を支給する見通しだ。また、産科研修医の手当として3年の間、月5万円を出す予定だという。
また、「女性医師等就労環境改善緊急対策」として、新規に9.4億円を充て、特に産科で夜勤や当直の免除をした場合への助成金を設けることを検討しているという。
新規事業としてはこのほか、「へき地医療を担う医師の支援」に1.4億円、医師派遣を円滑化するため、派遣元・派遣先医療機関と派遣される医師を支援する「医師派遣等推進事業」に42億円、短時間の勤務制度を導入している病院を支援する「短時間正規雇用支援事業」に15億円、「管制塔機能を担う救急医療機関に対する支援」では51億円、「地域周産期母子医療センター運営事業」に1.4億円を充てる見通し。
新型インフルエンザ対策では新規に69億円を充て、プレパンデミックワクチン原液の備蓄などを行う。
福祉・介護人材確保対策では、高齢者地域活動推進者(コミュニティ・ワーク・コーディネーター)や、生活(介護)支援サポーターの養成支援事業に新規で2.6億円を充てる。このほか、訪問看護支援事業に新規で3.2億円を計上している。
がん対策では、新規事業として臨床研修による専門医師の育成体制構築に3.8億円を充てるほか、都道府県がん対策推進計画を着実に実行するため、9.4億円を計上している。
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インフルエンザパンデミック対策に金を振り分けるのは当然のこと。もしやられたらどれだけの経済的損失になるかを考えれば、ここに振り分けなかったらただのバカですけど…
この69億円がどれだけの国民に割り振られるかが重要です。
どれだけの国民が認識しているかは知りませんが、最近東南アジアなどで発生している「鳥インフルエンザ」の死亡率は意外と若年~壮年の死亡率が高く、幼児・高齢者の死亡率が低い。
数が少ないため「たまたま」の可能性が十分ある(統計学の問題)と思っていますが、それでも死亡率が高いことを考えると(現在の60%が過大だとしても、20%の死亡率はあると見込んでいるのであれば)全国民に配分できるようでなくてはならないと思います。
救急医療を担う医師の支援…というのはどこまでを考えているのか?
救急救命部などにいる医師を考えているのか。それとも大学病院などで専門的な対応をする人間も考えているのか。 さらに言えば救急医療を縁の下で支えているのは、回復した患者のリハビリや準急性期医療を行う病院であるわけですけど…そこも「救急医療を担う」のだろうか?
どこが欠けても成り立たないように思うのだけど・・・。
あくまで第一線の医師が辞めていくのをどうにかして辞めさせないように…と思っていると考えますが、それだけではどうしようもないのが今の「日本の医療」だと思っています。
どうすればすべてのパズルが解けるのかはわかりませんが、これだけでは何も解決できないと思います。
どうせやるなら僕らのような医者が働きやすくするためにも、しかも今の雇用状況の改善を含めて大々的に病院勤務者を増やしてくれれば・・・と思います。
例えばうちの大学病院、今だに夜とか救急の医薬品がなかったら走って薬剤部に取りに行ったり、検査部に検体出したりしていますが・・そういうのをやってくれる人材がいるだけでも少し楽になるかな・・・・・。
日中は看護師さんが歩けない患者さんを車椅子でX線撮影などに連れていきますけど、それは別に場所が分かっていれば誰がやってもいいわけで、そういうのをやってくれる人手が欲しい。
夜勤帯に「○○」が欲しいと思ったときに、夜勤看護師+当直医師では人数が少なすぎて人が減ると痛い目を見るかもしれない。そんな時に物を運んでくれるだけでも、どれだけ助かるか・・・。
その他「へき地医療支援」「短時間正規雇用支援」などがありますが・・・
へき地医療支援も気持ちはわかるが医師派遣関係に手当を出すよりも、派遣先となる地域の充実に力を割いた方が、地元の活性化にもつながり良いのではないかと思う僕がいます。
もう一つの方。短時間雇用を推進するのはいいのですけど、そんなことができる医師の数は日本には存在しない!
ふざけるな! アホか!
はっきり言えば、今さらですね。こんな状況学生時代の僕でも分かっているのに、何をいまさらやっているのか・・・と問い詰めたい!
小一時間問い詰めたい!
本当は競合されるとかされないとか、医療費が増えるとかではなくて「国民のためにはどうするのが良いのか。それを達成するにはどのようなことをするべきで、そのための金をどうやってねん出するのか?」ということを前提にしなくてはならなかったのでしょうけど・・・。
国民不在の政治になっているために「前提」が間違ったりするのだろうな・・・
と、いろいろ思うのですが可能であれば「現場の意見」をきちんと確認して(現場にいないおえらいさんの意見でもなく)、予算の拡充を図ってもらいたいところです
それでは、また。