こんばんは
今帰りました。
今日の外来は30名ほどで、午後からは時間をもてあまし(血液検査の結果が出るまで患者さんと話ができないから)紹介状の返事書きなどをしていました。
で、4時前には終わって病棟に上がりました。
今日の紹介患者さんの中で
「おぃ」
と思った方がおひとり・・・
どう見ても多発肝転移がある患者さんで、腫瘍マーカーもCA19-9が67000というとんでもない値にもかかわらず
「IL-2Rが1500と高値なので悪性リンパ腫の可能性があります。あとの診療をお願いします」
思わず紹介状もらった瞬間に患者さん呼んで、話をして消化器内科に行ってもらいました。
組織診断で悪性リンパ腫だった…というのならまだしも、可能性が低い病変に対して・・・しかも組織診断なしでどうやって化学療法をするのだろうか?
IL-2Rに関してはリンパ球活性化しかわからないから、1500は高い数値だとはいえ・・・隔壁まで持っているようなMassをリンパ腫として紹介してくるのはいかがなものか・・・・。
と、思いながら今年の外来は終了です。
さて、こうやって臨床現場に復帰して思うことは
「僕のように日本の医療や教育、政治に興味を持って調べている人間すら、この忙しさでは情報から遮断される時がある。普通に働いている多くの医師が声を上げる暇があるとは思えない。この忙しい環境が・・現場からの声を遠ざけ、さらに後手後手に回る原因なのだ」
ということ。
今の日本の医療を現場から変えたいと思っても、相当強い意志や何かを犠牲にしたうえで頑張らないと・・・・難しいだろうな。
今、様々なところで活動されている人たちの努力は素晴らしいと思う。
厚労省の官僚の皆様が「現場」として聞いている一部の人たちの意見・・・それが現場の意見ではなく、いろいろな問題がそれぞれの立場であるということを認識してもらいたいように思う。
上の先生になればなるほど気がつかない何かがあると思う。その気がつかない何かを補うためにも、第一線からも幅広く意見を集めなくてはならないと思う。
その第一線の意見を集めるためには相当な努力が必要だと思います。
僕のような出しゃばりですら…例えばうちの病院長が月一回開いている懇談会(下の意見を吸い上げる目的)にも「忙しくて参加できるか」…と思うわけです。
日本の医療を変えるために・・という良い意見を持っている人は大勢いるでしょう。その意見を吸い上げるために厚労省がどのような努力をするのか・・・それに期待したいと思います
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また、記事を書きます。