さて、続けます
来週僕もバンクドナーの術前検診を予定しておりますが、そんなバンクドナーさんの支援に関する話です。
骨髄ドナー、自治体が支援 広がる助成制度の導入 提供しやすい環境を
http://www.47news.jp/feature/medical/2014/09/post-1167.html
白血病などで苦しむ患者を救おうと、骨髄や末梢血幹細胞の提供を希望して骨髄バンクにドナー登録している人は現在約45万人。今では移植を待つ患者の9割以上に適合ドナーが見つかるようになった。だが、実際に移植に至るのはこのうちの6割程度にとどまる。原因の一つがドナー側の入院や通院の負担だ。「仕事を休むと収入が減ってしまう」と、提供を断念する人が少なくない。せっかく見つかったドナーを確実に移植に結びつけようと、ドナーに対する助成制度を導入する自治体が増えてきた。
▽さきがけ
「3泊4日の入院は厳しいね」「ぎりぎりの給料で生活しているので会社を休めません」「休業補償はありますか?」

ドナー増加を目指して全国各地で開かれる登録会。新潟県加茂市に住む高野由美子さん(50)と夫の豊さん(54)は、会場で説明員のボランティアをするたびに、そんな声をよく耳にした。
夫妻は2005年、当時18歳の息子を白血病で失った。亡き息子にずっと関わっていたいと、08年からNPO法人に参加し、患者家族の立場からバンク事業の普及啓発に取り組んでいた。
「自治体の助成があれば、ドナー登録や実際の提供を増やせるのではないか」。そう考えた2人は、県内市町村への要望活動を始めた。真っ先に応えてくれたのが地元の加茂市だった。約1年半にわたって交渉を続け、11年4月、提供したドナー本人に1日当たり2万円、7日間を限度に給付する全国で初めての助成制度が実現した。
▽事業所にも給付
日本骨髄バンク の大久保英彦広報渉外部長によると、骨髄や末梢血幹細胞を提供する際は、事前と事後の健康診断、骨髄や幹細胞の採取、採取に向けた処置などで7~10日程度の通院や入院が必要になる。
最近はドナー休暇やボランティア休暇の制度を整え、従業員の骨髄や末梢血幹細胞の提供を積極的に後押しする企業や団体も増えてきたが、その数はまだ限られている。「ドナー休暇などの制度がなければ、有給休暇を利用するしかないのが実情」と大久保さん。派遣やパート、アルバイトで働く人には、より高いハードルが立ちはだかる。

そこで注目されるのが自治体の助成だ。加茂市に続き12年4月に島根県の浜田市と益田市が導入、さらに同様の動きは広がり、これまでに全国44市町が制度を創設した。
助成内容は加茂市と類似したものが多いが、中にはドナーが勤務する事業所にも1日1万円を給付したり、市内で使える商品券10万円分を支給したりするケースもある。
▽県が半額負担
加茂市健康課の担当者は「加茂市民の利用はまだないが、こうした制度が全国に広がることは喜ばしい。ただ、将来は市町村ではなく、国レベルの制度になるのが望ましいと思う」と話す。
都道府県別で最多の13市町が既に導入している埼玉県では、県の果たした役割が大きい。県内市町村がドナー本人に助成した場合に県がその半額を負担する制度を本年度からスタートさせ、職員が市町村に足を運んで協力を働きかけてきた。
県疾病対策課の根岸佐智子主幹は「今年1月、移植拡大に向けて自治体の責務にも言及した造血幹細胞移植推進法が施行されたことも追い風になった。県内全63市町村での導入を目標に、今後も協力をお願いしていきたい」と意気込む。
大久保さんは「全国の市町村数を考えればまだ一握り。導入自治体がゼロの空白県も多い。より多くのドナーが恩恵を受けられるよう、導入の動きがもっと広がってほしい」と話している。(共同通信 赤坂達也)
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造血幹細胞移植は急性白血病をはじめとした造血器悪性腫瘍を完治させる可能性を上昇させる治療法です。
治療の内容はこちらの記事を造血幹細胞移植のイメージは?:同種骨髄移植に関する説明
さて、造血幹細胞移植の「幹細胞源」は「骨髄」「末梢血」「臍帯血」と3つあります。
骨髄移植に関して「生着速度がふつう、GVHDリスクがふつう、感染症リスクがふつう、治療のタイミングは調整が一番難しい」という印象でいてもらえればよいと思いますが、これを基本とするなら、末梢血幹細胞移植と臍帯血移植はこんな感じになります
末梢血:生着速度が早い、GVHDリスクが高い(体がドナーさん細胞に攻撃を受けるので低い方が良い)、感染症リスクが低め(といっても高いですよ。普通の抗癌剤治療より)、治療のタイミングは凍結保存できるので骨髄より良い
臍帯血:生着速度が遅い(感染リスク大、拒絶も多め)、GVHDリスクが低め、感染症リスクが高い(生着が遅いだけでなく、ウイルス感染などが高い)、治療のタイミングはすでに保存されているので、緊急出庫もある
という特徴があります。
僕は寛解期の移植であれば骨髄移植を選択することが多いですが、バンクドナーさんとの調整はいろいろ時間がかかってしまいます。「迅速コース」という「いそいでいます」アピールをしても最短で80日と言われますし、ドナーさんの都合でどうしても時期を延ばさなくてはいけないこともあります。
そういう意味で、このような援助ができてドナーさんの骨髄提供が比較的行いやすくなれば、患者さんにもメリットは出ると思います。
ということで、紹介させていただきました。
いつも読んでいただいてありがとうございます。今後もよろしくお願いいたします。
http://blog.with2.net/link.php?602868
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それでは、また。
ご相談です。
2ヶ月前、左肘が痛くなり、整形外科(個人病院・手の専門)を受診したところ、レントゲン撮影、腫瘍はないとのこと。消炎鎮痛剤と湿布をいただきました。
そのあと2回受診、肘痛は軽減したものの、肘窩の腫張は変わらず…
主治医は『もう少し大きくなったらMRI』と言われました。
痛み、熱感なし、動かないし、直径3cmで高さは数㎜、リンパ腫ではないか心配なんです。
その病院にはMRIはないので、きっとよそで撮ってくるようになると思います。
いっそのこと、総合病院にいった方がいいのでしょうか。
それとも、主治医を信じて大きくなるまで待った方ガいいのでしょうか。
血液内科の先生と整形外科の先生、腫張の見解は違いますか?
総合病院は割りと紹介状がないと嫌がられます。
地域医療との関係もあるんでしょうね。
近隣に血液内科がなく、私は更年期障害でプラセンター筋注をしてます。
もし、自分が悪性リンパ腫で輸血が必要な場合、私自身は献血ができなく申しわけないなあと思いました。
ある生命保険に加入してますが、そのプランは骨髄ドナーでも入院給付金が出るタイプです。
保険も進化してるようです。
こんばんは、コメントありがとうございます
人身売買という問題には恐らくならないと思います。バンクドナーさんでも2回は骨髄提供できるのですが、HLAが合うか合わないかという問題がかなりあります
そういう意味ではないだろうと思います。
仮に骨髄ではないにしても(骨髄に関しては生ものなので、当日か翌日には移植を終了します)、末梢血幹細胞を提供して…保存しておくというようなビジネスができるかどうかに関してはわかりません。
あまり考えたこともなかったですが、できないことはないと思います。
また、コメントいただければと存じます
こんばんは、コメントありがとうございます
急性白血病の治療で「移植ありき」ではないです。ただ、どういう人たちが移植をしたほうが良いのかは、追求しなくてはなりません。
移植をしたほうが良い方が移植を受けられるチャンスを増やすシステム作りは僕は重要だと思います。
アキニャンさんのご主人が引き続き元気に仕事を続けられることを祈念しております。
また、コメントいただければと存じます
こんばんは、コメントありがとうございます。
何度も投稿していただきありがとうございます。早くお返事ができればよかったのですが、チェックできずに申し訳ありません。
左肘の疼痛・腫脹で整形外科を受診され、単純写真では異常がないものの、大きさが改善しないので心配ということですね。
まず、大きさが変化していないということは「悪性リンパ腫」であるならば「低悪性度」ということになります。一般的に僕が患者さんたちに説明するときは「中等度の悪性度のリンパ腫は月単位で進行し、半年程度で命にかかわってくる」と言っています。「高悪性度」であれば週単位で進行し、1か月で命にかかわります。
2ヶ月の間大きさが変化していないというのは、少なくともそういったレベルの悪性リンパ腫ではないのだろうなと思います。
診察をしていないので何とも言えませんが「リンパ腫」は一般的には可動性は良好です。皮下腫瘤のような形で存在しているならば、動くと思います。
リンパ節に腫瘍が転移すると癒着することはありますが、肘に転移というのは考えにくいとは思います。そういう意味で話だけを伺うと、整形外科の先生の判断は妥当であるように思います。
ただ、ご心配であれば早いうちにMRIを含めた精査を行うのは間違いではないと思います。そのほうが精神的に安定すると思いますので。
お返事になっているかはわかりませんが、参考にしていただければと存じます。
また、コメントいただければと存じます