こんにちは
先週末も研究会が多かったのですが、今週もいろいろありました。
月曜日のウェブカンファ、金曜日の東京でやっていたポマリドミド、昨日は筑波で血液内科の関東甲信越地方会なるものが行われていました。
昨日の地方会で後輩の発表手伝い(というよりは温かく見守り?)に行きましたが、非常に全体が遅れて(遅らせた原因の一人は僕かもしれませんが)変える予定の時刻から1時間近く遅くなりました。
19時ころつくばを出て、大学についたのが21時ころ。そこから実験を開始して終わったのが午前1時過ぎ。今日は病棟のバックアップと研究データ解析にいっておりました。まぁ、朝一番に救急コールで目が覚めましたが・・・はい。
けど、データは良い感じに出てきました。はい。
さて、今日は昔から言っていることをもう一回書きたいなぁと思っております。
僕はずっと医局間の横の連携を・・・と書いてきました。ほとんどの医師がどう思っているのかは知りませんが、絶対に各医局間でいろいろな違いがあります。医局以外も病院、診療所間、様々な連携は必要です。
さて、先ほど月曜日にウェブカンファがあったと書きましたが、演者はH医大の有名な先生でした。ハプロ移植(やり方はH医大方式かPost CYかどちらかだと思います)で有名な先生でしたので、いろいろ楽しみにしておりました。感想を一言。
「確かにそのやり方であれば、その考え方を背景にハプロ移植できるだろうなぁ・・・・。けど、論文にその細かいやり方は書いていないじゃないか。実はそのちょっとしたやり方はすごい重要だぞ…(汗」
まぁ、論文には書けないだろうけど・・・
H医大の考え方はATG(抗胸腺細胞グロブリン:強い免疫抑制剤)でGVHD(ドナーさんの細胞が患者さんを攻撃する反応)を起こさないように予防する。そしてそのサポート+GVHDのトリガーを引かせないためのメチルプレドニゾロンで様々な反応を抑える・・・というもので、理屈は良くわかりますが、感染症をよく起こさないなぁと思っていました。
今年の造血幹細胞移植学会で「感染症が増えそうなのに、なんでふえないのか。どこにコツがあるのか」と聞いたときに、この講師の先生が「うちに見に来たらわかるよ」と言われていましたが…何となく、理由の一つがわかったような気がしました。
おそらく、他にもいろいろとあるのだろうと思います。
実はいろいろな医局が「自分たちはスタンダード」と思ってやっていたり、「スタンダードではないが自分たちが正しい」と考えてやっていたり、いろいろあるのだと思います。論文などには載っていない、細やかな違い。それを学びあうことはおそらく患者さんのメリットになるのだろうと思っています。
たぶん、僕の中でも「これはうちに特有だ」と思っていることが少しあります。僕はそれを認識しながら自分のところのレトロのデータと、一般的なデータとを比較するとうちの成績は良いと思っているので、これまた「正しいのだろう」と思っていることがありますが、どうしても前向き試験をしないとわからないことです。
いろいろな違いをお互いに学びあえればより良い医療を提供できると信じています。
いつも読んでいただいてありがとうございます。今後もよろしくお願いいたします。
こんばんは、コメントありがとうございます
病院という組織でも、横の連携は少ないのかもしれません。僕の頭の中では病院間だったり、地域でのと思っているのですが、おっしゃる通りで部署ごとの連携も乏しいのかもしれないと思います。
個々の優先順位や見方が異なるのは当たり前で、本当はそれらをお互いが理解して、役立たせることができるようになればもっと良い組織になるのだと思っています。
まぁ、言うは易く、行うは難しですが。
新しく始まった病院では、いろいろ難しいことも多いかと存じます。最初は軌道に乗せる必要があると思いますので、部署ごとにできることを進めて、最終的によい形に統合するのがよいのかもしれないなぁなどと思いました。いろいろ考えさせていただきありがとうございます。
患者さん、医療スタッフみんなの負担が軽減する、よい病院が作り上げられていくことを祈念しております。
また、コメントいただければと存じます
医療関係者の立場からのメッセージをさせていただきます。
病院たるものは、結局一つの大きな組織ですよね?その中が細分化されて、各部署がありますが、コメディカルの連携や、繋がりはまだまだ充実した所は少ない気がします。私が現在働いている職場では、はなしを聞いてみると、一人一人の優先順位の焦点が違い、尚且つ、私も含め、これから構築して行く段階《まだ、病院が開院したばかりです》です。その中で、少なからずも、焦点が違うもの同士での摩擦はあります。ただ、そのしわ寄せは患者さんの方に現れていて、トラブルも出ています。今の段階だと、摩擦を少なくして、構築メインの方がいいのではないか?とも考えていますが、何せ、私も未熟で、自分の仕事もまだまともに出来ない状態なので、言える立場では無いと思いますが、出来れば、違うもの同士が、ぶつかるのでは無く、お互いの持ち味が上手く融合した形でいけると、患者さんへのしわ寄せが今よりは少しは減る気がします。
こんにちは、コメントありがとうございます
残りの治療が終わり、寛解を得て、そのまま完治されることを祈念しております。
医師も未来がよめるわけではありませんが、ルナさんの経過は良い経過だと思いますので、しっかり治療をして病気を治してください。
また、コメントいただければと存じます
お忙しい合間に ご丁寧なコメント
ありがとうございます。
単純な疑問にも 一つ一つ返信いただき嬉しい限りです。
残りの治療も頑張る勇気をいただきました!またご報告させていただきます。
厳しい暑さが続いていますが、
先生のお身体が心配です、どうか ご無理なさらず、健康を一番に優先されて お過ごし下さいませ☆
こんにちは、コメントありがとうございます
先のコメントがルナさんの役に立てたのであれば幸いです。ルナさんが治療を完遂されることを祈念しております。
PET-CTの被曝に関してですが、僕の中では問題ないと思っておりますが、データとして持ち合わせてはおりません。
PET-CTもこの10年くらいで汎用されるようになった技術だと思いますので、本当の長期の安全性はわからないと思います。ただ、放射線治療などで懸念するような晩期障害はないと思います。
お答えになっていないかもしれませんが、お役にたてれば幸いです。
また、コメントいただければと存じます
治療が後半に入り 副作用も以前より強くなって来ているので精神的にも負けそうでした...でも キチンと6コースの標準治療をしないと再発のリスクが高いと納得出来ました。
申し遅れましたが 15年前に腎臓ガンで左腎を摘出しており. クレアチニンの数値も少しづつ上がって来ているので(現在0.9)
早く治療から解放されたいと気持ちが不安定でしたが 最後まで しっかり治療を頑張りたいと思います。
一点お伺いしたいのですが、PET-CTを治療前と 2コース後 そして6コース後にも計3回撮るとのことですが、半年に3回も撮り被曝量などは大丈夫なのでしょうか?また経済的にも...主治医は光り方をみたいのでPETを指定して来ましたが、またまた不安因子となっています。
大変お忙しいとは思いますが またお時間のある時にコメント頂ければと思います。時節がらお身体ご自愛下さいませ。
こんにちは、コメントありがとうございます
ホジキンリンパ腫、2コース目のABVD療法で病変が消失したというのは非常に治療効果が出ていてよいことだと思います。
ご質問の治療コースに関しては基本的にはやって方がよいと思います。
僕は良くダメ押しで2回以上やらなかったら治りませんと言っています。
頚部・縦隔にあった腫瘍・・・ということですのでStageIIと考えますが、限局期のホジキンリンパ腫に対するいくつかの研究があります。
限局期の予後良好群ホジキンリンパ腫に対して2コース後のPET-CTで陰性であったグループにABVD2コースの追加だけ行うグループを作った研究(2014年のJCOという論文に発表されています。http://jco.ascopubs.org/content/32/12/1188.full.pdf)で、標準治療を行った群に比べて有意にイベント(進行、再発や死亡)が増えています。もちろん、その数が多いわけではなく、全員に必要かどうかと言われれば不明ですが、やらなかったがために再発した場合にだれも責任は摂れません。
少なくともデータがありますので、PET-CTで陰性であってもできる限り標準治療を行うことをお勧めいたします。
また、コメントいただければと存じます
私は 現在 ホジキンリンパ腫 ABVD治療中の50代の女性です、 お陰様で2クール目治療後のPETCTで 頸部 縦隔にあった腫瘍は全て消滅しました。
血球の上りも良く 骨髄の強さに担当医から お褒めの言葉を頂いたのですが、治療は6クールまでやる予定とのこと。
そこで ご相談なのですが 、もう腫瘍がないのに 6クールもやる必要があるのでしょうか? 2割減薬したとは言え 治療の血管痛や副作用が辛く 最近は診察券を見ただけで吐き気が...笑
現在は3クール目が終わった所です、あと半分もあるのかと思うと 抗がん剤による二次ガンの可能性も不安です。重篤な患者さんがいる中で贅沢な悩みかもしれませんが 先生のご意見をご参加までにお聞かせ下さい。
宜しくお願いします。