新・眠らない医者の人生探求劇場・・・夢果たすまで

血液専門医・総合内科専門医の17年目医師が、日常生活や医療制度、趣味などに関して記載します。現在、コメント承認制です。

行政・政治と国民の乖離に関して:現場に即した政策を・・・

2009-05-28 23:26:39 | 医療

こんばんは

 

先程からいろいろ考えております。今日は日常生活でも書くことが特にありません。 頭が鈍っているというのもあるのでしょうけど、今日はあまり書くことがないです。

 

疲れているだけかもしれませんが・・・・。

 

 

先程のコメントに「一人で24時間介護をすること」がいかに大変であるかが書かれていました。

 

また、朝日新聞にこんな記事もありました

 

介護疲れで夫を殺害、妻に最も軽い懲役5年判決

 http://www.asahi.com/health/news/TKY200905270270.html  

介護に疲れ、夫を殺害した妻に、殺人罪の法定刑で最も軽い懲役5年(求刑懲役7年)の判決が27日、さいたま地裁で言い渡された。公判で「娘に心配や迷惑をかけたくなかった」と繰り返した被告に、伝田喜久裁判長は「迷惑をかけたくないという気持ちは責められない」としながらも、「命を奪った結果を考えれば、その思いも行き過ぎ」と述べ、周囲にもっと相談すべきだったと指摘した。  

 

殺人罪に問われたのは、埼玉県鶴ケ島市の山根レイ子被告(71)。  

 

判決などによると、山根被告は08年12月25日未明、自宅アパートで夫(当時78)を抱え、トイレに連れていった。ところが夫は途中で倒れ込み、失禁した。数時間前にも失禁して着替えさせたばかりで、「もう手に負えない」とスカーフで夫の首を絞めて殺害した。山根被告自身も包丁で手首を切るなどしたが、朝になって親族に発見された。  

 

公判で明かされた経過では、07年8月に夫が大動脈瘤(りゅう)で倒れて一時入院し、2人で経営していた焼き鳥店を閉めた。その後、夫の具合は悪化し、事件4日前ごろには、山根被告は介護のために、ほとんど眠れない状態になっていた。行政に相談しなかった理由を尋ねられた被告は「考えてもみなかった。知らなかった」と答えた。  

 

検察は「短絡的で残酷だ」としたが、弁護側は「介護疲れが原因の、とっさの犯行」として減刑を求めていた。

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24時間介護をすることが大変であるという事実。これは介護経験はありませんが、24時間On Callで働いている僕らも大変ですので、全く一緒ではありませんが大変だろうというのはわかります。

 

また、この記事の中の「行政に相談する」ということを「全く考えもしなかった」というのは「行政」と「国民」に乖離があるということですので、非常によくないことを示していると思います

 

 

周囲に相談するのもこの核家族化でなかなかできないでしょうし、今後は本当にサポートシステムが完備されなかったら、厳しい生活になっていくのでしょうね。

 

 

これなんかは「医師」に特化していますが、行政と国民の間に空間がかなりあいているということを示しているように思います。

 

医師個人のニーズ反映を 僻地医療、政府助成は不十分

5月28日15時42分配信 産経新聞

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090528-00000165-san-soci  

厚生労働省は、僻地(へきち)医療の拠点病院への個別的な助成だけでは医師確保にも限界があるとして、平成13年度に僻地医療への包括的支援策を盛りこんだ第9次僻地保健医療計画をスタートさせているが、奈良県山添村と竹本喜典医師との成功例のように、医師個人のニーズをくんだ取り組みは見られないようだ。  

 

政府の助成は、都道府県単位で受け皿となる支援機構を設置。僻地医療を広域的に支援する支援機構の事業に対し、経費の半額を助成する内容だ。  内容は都道府県ごとにさまざまで、高知県では担当医の代診医を確保するための会議を開催する場合、その出席者の交通費などを助成。新潟県では、新潟大学医学部などと連携して医師確保の会議を開催する予算などを助成している。  

 

ほかにも、過疎地の自治体が都市部で医師を対象に医療への参加を呼びかける説明会を開催したり、魅力をPRするポスターやパンフレットなどを作製したりしている。  ただし、いずれの事業も即効性に乏しいのが実情。厚労省医政局も「事業をすること自体が目的となっている自治体も多く、実際に自治体担当者と医師の間で雇用にまでつながる“ウエット”な関係まで踏みこめていない」と指摘している。

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ウェットな関係にはならなくてもよいから、人間らしい関係・・。言葉だけでなく、実際に多くの人が困っています。それを人として考えていくにあたって、こうやったらこの人たちは助かるかもしれないと・・・・なぜ現場を見ることもなく考えるのか?

http://blog.with2.net/link.php?602868

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なかのひと 

関係者との話し合いを持って、お互いを理解しなかったら事業なんてうまくいかないだろうに。

 

基本的には「本当の厳しい現場」に関しては行政、政治家は見ていないような気がする。見ていれば「アホ」でも何をしなくてはならないかはわかると思う

 

今のままではいけないというのがわかると思うのだ。

 

言葉だけで「現場を見ていない」。もしくは「お金」などが関係するため「シビアな現場を見せないようにしている」のか・・・。

 

何でも「現場」にKeyは落ちているような気がします

 

それでは、頭の疲れたままでは良いことはないので、軽く本を読んだら寝ます。

では、また。

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6 コメント

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机上の空論ではダメ ()
2009-05-29 00:21:07
先生、お疲れ様でした。
行政に相談しろといっても、行政はなるたけ介護の費用を出したくないというのが本音かもしれません。私の場合は行政の手続きのミスで1ヶ月で介護認定が下りるところ、更に1ヶ月かかりました。末期癌患者で明日をもしれぬ上、せん妄状態に陥り夜中に起き出して暴れたり、徘徊しようとしたり(喉頭癌で声帯を取っており声が出せません。夜中に徘徊して階段から落ちたりしても助けが呼べない状態なので、起きている間中、目が離せませんでした)昼間は比較的落ち着いていて、正気に戻ることもありました。介護認定の調査の日は安定していたので(正気だったので)たいしたことないと思われたかもしれません。でも、耳鼻科の主治医や精神科の医師の診断書、家族の訴えがあるのですから早急に認定してほしかったです。結局3ヶ月近く1人で看て限界だと思われる頃、主治医の先生の計らいで取りあえず急患用のベッドに入院させて頂きせん妄が落ち着いた頃一旦、自宅にもどりました。その時は認定がおりていたので、ヘルパーさんの御厄介になり大分楽にすごせました。上記のおばあさん、知らなかったというのはよくわかります。行政は介護に関してあまり広報活動していないとおもうからです。あと、さかんに、「実態調査」などといっていますが、先生もおっしゃる通り、いつ「実態」をみているのでしょうか?それなのにお役人様達の無駄使いは本当に腹立たしさを覚えます
一日も早く改善されることを心から祈って
返信する
お疲れ様です (大津)
2009-05-29 00:34:45
いつも共感をもって読ませて頂いております。
世田谷で緩和ケアをしている大津と申します。

僕も行政は「本当の現場」を知らないと思います。
残念ながら、時折行政に現場を見せている管理職は、
様々な事情から真実の姿を伝えきれていないのでは
ないかと思いますし。

患者さんやご家族への説明は、先生がされているように
僕も簡単に1時間以上になります。今の人員では、とても
世間一般が望むレベルの医療を行うのは困難だと日々感じて
います。

行政や政治家も、若い医者と数日一緒に過ごして
みれば、よほど鈍感でもなければ、いろいろと感じる
ところがあるはずですが、残念ながらそのような
問題解決方法を採ろうとする人はいないようです。
先生がおっしゃるように、keyはまさしく現場にある
のにも関わらず。

先生のいつ死んでもよいようにblogを書いておく
という考えには、僕もいろいろ思うところがありました。
激務と、たくさんの患者さんの死に触れれば
そのような考えに到達するのは必定ですが、
一方でお身体をこわさないようにとそう願う次第です。

今後ともどうぞよろしくお願いいたします。
返信する
話題が全然違ってごめん (メタンフェタミン)
2009-05-30 08:05:01
教えてほしいことがあります。
今いる病院の内科の患者で、腰痛と高Caで入院した人がいます。おしっこでλが有意に出てたけど、血のIgG自体は全く増してなくて、疑い精査ってことで腸骨刺されてました。クロットの組織診断レポは、細胞脂肪が1対3で、形質細胞の増加は無いとのコメントでした。その結果ムンテラはMMで、ゾメタと水プレが入ってました。
そこで質問。
骨髄が正常範囲でも臨床的にMMというのはよく有ることなのでしょうか?
御高診お願いします。
返信する
介護に対する国家の在り方 (アンフェタミン)
2009-05-30 19:17:02
>Jさん
こんばんは、コメントありがとうございます

行政が介護に関してできるだけ出費を控えようとしているというのは事実だと思います。

実際に介護認定するために書類を書くときに思うことは、65歳以上(だったかしら?)は病名などは何でもよいのですけど、65歳未満は特定の疾患以外では認定されません。

ですから若い方で「悪性リンパ腫」で神経症状が残存しているような方に対して、「悪性リンパ腫」の病名では介護認定を受けられないという。

まぁ、そこは「蛇の道」でいろいろやるのですけど・・・基本的には行政は「出費抑え」に入っています。

誰でも彼でも「介護認定」されるのは問題ですが、必要な人すら認定されないのはもっと困ります。

本当に問題の多い国ですよね

また、コメントいただければと存じます
返信する
こちらこそ、お疲れ様です (アンフェタミン)
2009-05-30 19:25:47
>大津さん
こんばんは、はじめまして。コメントありがとうございます。

行政が「本当の現場」を見に来るというのは大変なことなのだろうな…とは思うのですが、現場を理解しなくては対策は立てられないだろうと思っております。

先生のような緩和ケアをなされている先生であれば「死に臨む」ということも含め、家族との対話は重要だと思いますし、時間もかかるのだろうと想像しております。

先程も家族が集まったという連絡を受けて病棟に行き、1時間弱の話をしておりました。

本当に平日の時間だけですべての業務をやりくりするのは不可能だと思っております。休日などを潰してでも、今の医療の状況では「国や国民の望む医療」は難しいと僕も思います。

Blogに関してはいつでもそういう気概で書いておりますが、最近は疲労困憊しているためか結構つらくなってきました。

体には気をつけて頑張りたいと思いますので、今後も応援よろしくお願いいたします

また、コメントいただければと存じます
返信する
可能性はあると思います (アンフェタミン)
2009-05-30 19:33:31
>メタンフェタミンさん
こんばんは、コメントありがとうございます

IgGは上昇していなかったということですが、IgA、IgM、IgDなどの数値やBJPなどはいかがでしたでしょうか?
Suppressionなどされておりましたでしょうか?

腰痛、高Ca血症での入院ですのでMyelomaを含め、急性白血病やATL・・などなど、いろいろあるかと思います。

その中でもMonoclonalなγグロブリンの増加があるのであればMMなどの可能性は高いと思います。

骨髄所見に関しては微妙なところですが、一つはMMに関しては「瀰漫性に広がっている」という印象よりは「場所によりけり」という存在の仕方があります。

ですからとった場所によっては「形質細胞が少ない」ことはあります。

しかし、診断基準に全く合わないのであれば・・・いろいろ考えます。

あとはFCM(フローサイトメトリー)でMMの細胞は正常なものとまったく異なる表面抗原を呈しますので、そういうものが主体であればMMと診断したり、MMになる前だけど将来なるのでしょうね・・・という言い方をしたりします。

けど、症状を呈しているのですから場所の問題ではないかと思います。

良い返事かわかりませんが、このようなお返事でよろしいでしょうか?

また、コメントいただければと存じます
返信する

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