新・眠らない医者の人生探求劇場・・・夢果たすまで

血液専門医・総合内科専門医の17年目医師が、日常生活や医療制度、趣味などに関して記載します。現在、コメント承認制です。

中学教師の7割過労死ライン越え:教育を変えていければと思う

2017-11-10 21:28:25 | 教育

こんばんは

 

帰宅しました。

10日ほど世間の日常から離れて、静かな(?)山の中で生活しておりました。患者さん対応で行きましたが、それほど多くの患者さんは出ず「良かった、良かった」と思っているところです。

 

ただ、ちょっと残念なのが、3人ほど近くの病院に紹介したのですが、紹介した先の皮膚科の先生がこちらの紹介状の意味を理解してもらえずに、いろいろ書いてくださったこと(汗

 

地元の病院(札幌の近く)の医師が「蕁麻疹」と診断して、第2世代の抗アレルギー薬を使用しているが、改善がないと休み前の日の夕方に受診されました。

「蕁麻疹じゃないだろ」

と思いましたが、本人は24時間以内に消えると言っているし・・・。とりあえず「眠れない」という主訴だったので、第1世代のポララミンをわざと眠る前に使用したと書いているのに「鎮静作用の強いポララミンは蕁麻疹には使いません」と書かれ、蕁麻疹ではないと思っているから週明けに紹介しているのに「そもそも蕁麻疹ではない」と書かれるし・・・(汗

 

人の紹介状を読んで、患者の話を聞いたら誰でもわかると思っていたら意外と理解されない人がいた・・・(別に紹介状を書いた外科の先生は「丁寧な紹介状をありがとうございます・・・」と返信をいただきましたし、僕はどちらかというといつも丁寧と言われるのですが)、

 

医師14年目にして・・・記憶の中では初めてかもしれない。人の紹介状にここまで文句(しかも、こちらが納得のいかない文句)書かれたことは・・・。

 

と、あの紹介状の返事を見たときの「ため息+α」のことを書いて、この件は終了です(笑

 

今日はとりあえずこちらの記事を紹介します。

<都教委調査>過労死ライン超え 中学教諭7割

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20171110-00000025-mai-soci

11/10(金) 9:46配信

 東京都教育委員会が9日に公表した都内公立学校の「教員勤務実態調査」で、「過労死ライン」に達する週20時間以上の残業をしていた中学校教諭が7割近くに達したことが分かった。土日の部活動指導に多くの時間を割いているのが主な原因とみられる。都教委は来年度の予算編成で、部活動指導員の活用などを要求した。

(以下略)


日本はいつでも「教育」など「将来」のために必要なところに金をあまりつぎ込んでこなかったと思う。もし、「教育や医療、社会福祉が充実していたらどうなったのだろうか?」といつも思います。

 

子供は学校の教育で十分に指導を受けられ、塾の必要性はほとんどなく、大学で必要な勉強を受けられれば。生活については将来の病気の心配や介護の心配の必要がなくなればどうなるだろうか?

 

多分、貯蓄する必要性が少なくなり、購買意欲も高まる(経済も良くなる。自分たちで高めていけるようになる)と思う。

 

親の立場として、多くの親御さんは

過労死ラインで教えている「教員」に子供を信頼して預けられないから塾に行くのだろうか?

過労死ラインで頑張っている教員ですら、十分な教育をさせられないと親が思っているということだろうか?

 

僕はそんなことを思ってしまいます。

 

僕は娘を塾に行かせたいとはあまり思っていませんし(行きたければ行けばいいとは思いますが)、自分で必要なことを勉強すれば良いと思っています。

 

僕自身、小学校では1日1時間半〜2時間程度の勉強をしていただけですし、中学もほぼ同様。高校はほぼ勉強時間0になって、部活に一生懸命でしたが、高校3年生から巻き返しました。

 

本当は子供の評価方法も変えるべきなのだと思いますが、僕は政治家でも教員でもないしなぁ・・・orz

「アンフェタミン的多重知能理論:個人の考えですけどね」

日本の財産は人:時代の変化に合わせた教育改革を

財務省がいつも目先の利益にとらわれる:教育などは国民全体が受けやすいように改革すべきである

 

日本の教育をなんとか変えていければなぁ。子供達の未来が心配な今日この頃です。

 

いつも読んでいただいてありがとうございます。今後もよろしくお願いいたします。

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それでは、また

 

P.S この話も似たような話かなと思います。学校教師の「部活の時間を労働時間とするのか」≒医師の「研究の時間を労働時間とするのか」。研究は個人の自由というのも違和感を感じますけどね〜

それに医師は資格でしかないので、労働者もいれば管理者もいますよね(笑

僕も365日中364日働いた年があったくらいですので、一応言いますけど・・・「患者さんを優先」すればそうなりますし、自分で決めることができるかと言われれば無責任になってしまうので無理です。責任から逃げたければ「そこから離れる」ことしかできないのではないかと思いますけどね。知り合いの方々で燃え尽きた方は「うつ病」などになったり、勤務が楽なところに移ってましたし。

働き方改革で激論!医師は労働者ではない?

日本医師会・横倉会長に発言の真意を聞く

 

(略)

私の「医師が労働者と言われると違和感」という発言がインターネットなどで取り上げられていますが、真意が伝わっていないと思っています。人の命を助けるために医療を続けてきた者として、医療は労働なのかと言われれば、「一般の労働とは違う」というのが素直な気持ちです。

また、医師の労働のあり方は、地域医療体制と医師の健康維持の視点が重要であり、何時間の勤務が適当なのかなどという時間だけで規制する制度はそぐわないので、「違和感」という表現を使ったのです。

(中略)

研究などを労働時間かどうかで切り分けるのは難しい

患者さんをどうにかして治そうと思い、医師は調査や研究に没頭したりします。医師の労働を、医療の提供だとしても、患者さんと接して診療している時間だけが、勤務している時間とは簡単には割り切れません。その疾患についてのさまざまな調査や研究をすることも医療の一部だとも言えますし、そのような時間も勤務時間に含むこともあるでしょう。

一方で、私はドイツの病院で臨床をした経験がありますが、そこのスタッフは、研究は自分のレベルアップのための時間だとの感覚を強く持っていました。臨床をする上で、それに関連する調査や研究などを労働時間かどうかで切り分けるのはとても難しいと感じています。

また、医師はさまざまな学会に所属していて、病院の名前で学会発表することも少なくありません。そのための準備は、労働時間にカウントすべきかどうかも、その学会が、どのような性質の学会なのかによって変わってくると思います。ケース・バイ・ケースであって、一概に「労働時間だ、いやそうではない」と決めることはできません。

(以下略)


 

 

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2 コメント

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冬山、ご苦労様でした (女王様)
2017-11-11 04:22:19
蕁麻疹で思いだしました。
ちょうど8年前の今頃 アナフィラで入院していたこと。
その年は父の死とかでストレスたまってたのか、やけに蕁麻疹が夜中に出て。 蚊に刺されたかな?という痒さが止まらずボコボコがどんどん広まって 辟易していました。
町医者でセレスタミン(今時w)を出され まあ凌いでたのですが、その時だけはどんどん広がるし喘息の息苦しさが出て 車を飛ばして夜間救急へ。
パルスオキシメーターが80で 処置室をパニックにしてしまいました。
たまたまいた外科医師が エピペンを何故かお腹に注射し、私は点滴と酸素とモニターに絡まれて。
蕁麻疹がこんな事態になるとは、考えもしなかった。
本当に蕁麻疹だと、翌日病院に行くころには消えてなくなってるので、訴えを理解してもらえないこともありますよね。

過労の問題は まるで流行語大賞のようにやたら出てきます。
昨日今日の問題じゃないのに‥。

私の時代もやたら部活に熱い教師はいました。
練習休んだら勝てないぞ!みたいな。 補講を年中やる教師とか、私の担任はめんどくさいタイプで 文化祭準備や合唱大会練習を遅くまでやらされた記憶があります。
でも 過労死どころか妙に元気で(笑)。
今の教師の残業過多は、自宅に持ち帰りが出来なくなったからかな?と。
結構あの時代は 採点は持って帰ってやろう! という感じでしたし 通知票やら内申書も 続きは家でやるか~ と呑気なものでした。
最近は メモリーカードすら持ち出してはいけない・紛失騒動になります。
そこは融通よくしてもいいかな、と思います。
ゲンコツで体罰事件になったり、いじめ自殺があると教師が謝罪しなきゃならなかったり、窮屈な時代だなー という感じがあります。

ちょうど 若い医師の超過労働も調査されましたね。
当直から続けて昼間外来の人数の多さ。 その寝不足のせいで入力ミスをしてしまったりが何%、とか。
‥ずっとあったことなのに、なぜ今さら?
どうして改善してこれなかったのか という本質を見ないと今後も同じでしょう。 データを活用できなければ無意味です。


私は 医師もナースも介護も、ガテンも農業も全て「労働」だと考えています。
まさか医師や福祉は労働じゃなく「奉仕」だとでも?
いや、ボランティア活動も 報酬があるかないかの違いだけで、労働には変わりないですし。

権威あるお医者さまには失礼かもしれませんが、名医も病院の清掃の方も皆労働者です。
見返りとして報われないこともあります。
自分の出来る職があり それを必要とする人がいる。 そうやって労働は成り立っていると思っています。
ただ、どうしても資格職は誰でもが出来るわけではないので、シェアできない以上は偏りが出るのは仕方ないですよね。
考え方を変えて。
私のスペアは私しかいない! と自分の仕事にプライドと自信を持つことも必要です。
代打なら代打のプロフェッショナルに。 代走のプロフェッショナルに。どこでもいつでも守備につける職人になる。
何でも屋としてアテにされて任されるのもまた 素晴らしいことじゃないかな?と…。

労働の捉え方は様々です。過労死は異常事態としても、働けることの喜びをもっと大切にしないと、と病気になって気付いています。

来年の天秤座のキーポイントは、居場所を定める・道を選ぶ年
だそうですよ。
信じた道を行けるよう お互いに扉を開けますように。
返信する
天秤座は居場所を定める年なんですねw (アンフェタミン)
2017-11-12 16:28:21
>女王様さん
こんばんは、コメントありがとうございます。

アナフィラキシーが起きると医療従事者でもバタバタすることがあります。多少は経験がありますので、一定レベルならば落ち着いて対応もできますが、完全に気道が閉じて呼吸音が無音になった患者さんは、少し焦りました。まぁ、今は元気にされているはずですが。

教師も医師も会社員も、個人情報の兼ね合いで家での作業はできなくなりましたよね。確かに僕らが研修医くらいまでは「家で患者レポートを書く」とかいう話もあった気がしますが、その1、2年後には「そんなものはありえない」という状況になっていました。

多分、医師だけではなくて「日本」の国の働き方、富の配分などに問題があるのかもしれません。もしくは日本のシステムか。
日本は「仕入れた資源」を「製品」にして出荷する国ですから。説明が難しいのですが、産業の時代から知恵の時代に入ったと思いますので、知的な発展・情報の発展をうまくやらなくてはいけないのに、そこに無頓着と言いますか・・・。
あとはメタンハイドレートなど資源がうまく使えるようになって、公共のものが充実して先行きは「心配ない」と思える制度になれば良いのですが。

僕はいつでも「自分は自分」と思って生きておりますが、それもあり「何を残せるか」「何をなして死ぬか」を考えてしまいます。その割にどうしても自分に甘いところもありますが(これは人間だから・・・と言いたくもなります)。

天秤座、来年は居場所を定めることが出来ればと思います。

また、コメントいただければと存じます
返信する

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