新・眠らない医者の人生探求劇場・・・夢果たすまで

血液専門医・総合内科専門医の17年目医師が、日常生活や医療制度、趣味などに関して記載します。現在、コメント承認制です。

産科医2人退職で分娩休止:産科医も集約化しないとダメかな

2012-01-11 19:59:00 | 医療

さて、もう一つだけ。

 

鹿沼市の上都賀総合病院は、新年度からの産婦人科診療体制縮小に伴い、10日までに同科の分娩診療に関する受け付けを一時休止した。退職により常勤医が不在となるためで、婦人科の診療のみ、非常勤医を確保して週3回ほど続ける予定という。

 同院の産婦人科医は一時は3人体制だったこともあったが、現在は2人が常勤。何とか急な分娩などにも対応できる24時間体制を維持してきたという。

 だがこの常勤医2人は本年度で退職予定。新年度からは常勤医不在となることが避けられない状況だ。

 これを受け同院は「4月以降に出産を予定する患者には対応が難しい」と判断。分娩受け付けを一時休止することとなった。手術なども休止する。

 「診療科自体は閉じられないので、非常勤医を確保し、婦人科部分は継続する。救急患者が婦人科系の病気だったという時にも対応しなければならない」と同院。非常勤医による診療は週3日程度を予定しているという。

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他の職業で働いている方も、いろいろ大変なことは多いと思います。僕も年末に帰った時に友人からいろいろ話を聞いて、「大変だなぁ」と思ったりしました。弟も年末年始も結局仕事漬けで実家には帰ってこず

 

公務員(元社会保険庁)だったのが、日本年金機構に変わったからなのか…と言えば、そうでもなく。うちの弟が入ったときは例の年金問題で、弟の同期の大半が精神的に病んで出勤できなくなったと

まぁ、自分が入ってきたらいきなり、過去の年金問題の対応に追われて罵倒されていれば病気にもなるよな。罵倒していた方の気持ちも理解できるが、されている現場の人間の気持ちもよくわかりました。

 

もちろん、人が倒れていけば残った人の仕事は増えるのは当たり前ですが、人が倒れても他の人命には直結しないかもしれません。

 

医師に関してはどうかというと、突然倒れたりすると患者さんの命にもかかわるかもしれません。突然倒れて受入れができなくなり間s多…と言われる方がとんでもないことが起きるかもしれませんので。

2人の医師で24時間対応を保つ・・・というのは事実上「24時間、病院周辺で待機していなさい」と言われているようなものでしょうから、やめていく理由もわかるような気がします。

血液内科は分娩のような形の救急はめったにないですが、感染症などの救急搬送などはよくあるので気持ちはわかります。24時間対応をするためには、どうしても病院の周辺に住んでいる必要がありましたし、現実的に病院から1km以上離れることはなかったですからね、僕も。もっと人手が必要だと思います。

 

僕はお二人とも・・・休日も乏しく(たぶん)、ぎりぎりまで頑張って、「無理」と判断しての決断だと思いますし・・・

2人で24時間体制を維持しようと思ってもそんなに長期間持つとは思えません。2人で頑張っている間に本来であればもう一人か二人確保できればよかったのだと思いますが、それも難しいということだと思います。400床クラスの病院ですから地域の基幹病院だと思います。そこに産婦人科がいなくなうというのはやはり痛いことなのでしょう。

 

少し前に産婦人科の人数が増えたという記事があったと思いますが…婦人科と産科は違うので、産科医が増えてきているかはわからないですよね

産科も集約化していかなくては、やはり保てないのだろうな…と思います。

 

これは産科だけでなく、多くの救急対応を行う診療科にも言えることだと思いますが・・・。

 

いつも読んでいただいてありがとうございます。今後もよろしくお願いいたします。

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