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新・眠らない医者の人生探求劇場・・・夢果たすまで

血液専門医・総合内科専門医の17年目医師が、日常生活や医療制度、趣味などに関して記載します。現在、コメント承認制です。

救急救命士の

2010-02-02 23:24:37 | Blogを書く理由

こんばんは

 

今日は予想に反してかなり忙しい一日でした。別に患者さんが急変したわけではありません。急変どころか改善している患者さんが多いです。

 

何故、忙しかったかというと他の診療科からの依頼が2件。その対応と説明。そして外来患者の説明。これが長くて最初に1時間。検査後に2時間。合計3時間

 

流石にこれで時間がかなり奪われ…週末の準備をする予定だったのに時間はなく…。

 

 

本日、挿管患者さんが人工呼吸器から離脱しました。緊急入院時は収縮期血圧が60から上がらず。様々な治療を行いましたが、血圧が上昇し少し尿が出始めた時点で救命確率が上昇したので、迷わず挿管しました。救命できてよかったです。

 

 

問題は高齢の患者さんなので、10日間の人工呼吸器管理によって全身が弱っている(特に足腰)のでリハビリなどが大変だろうな~と思っています。

 

あとは夜7時に患者さんの説明をし、8時過ぎから夜の回診をし、9時過ぎから明日の教授回診の研修医サマリーの確認をし…

 

そして漸く食事…

 

で、いまコンビニおでんを食べながら記事を買いております。

 

さて、今日の記事です。僕は救急救命士の方々がもう少しいろいろできるようになるほうがよいと考えています。ただ、それには責任が伴うと思うのですが…。

 

救急救命士がぜんそく患者への吸入など実施へ―厚労省検討会

2月1日21時5分配信 医療介護CBニュース

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20100201-00000015-cbn-soci  

 

救急救命士の処置範囲の拡大について検討するため、厚生労働省は2月1日、「救急救命士の業務のあり方等に関する検討会」(座長=島崎修次・杏林大救急医学教授)の第2回会合を開いた。会合では、救急救命士の「重症ぜんそく患者に対する吸入β刺激薬の使用」と「血糖測定と低血糖発作症例へのブドウ糖溶液の投与」の実施を了承する方向で議論がまとまった。3月の次回会合で再度検討する。  

 

ただし、「血糖測定と低血糖発作症例へのブドウ糖溶液の投与」については構成員から、有効性を確認するためモデル事業の実施を求める声があり、厚労省側は検討する考えを示した。 

 

このほか、検討対象となっていた「心肺機能停止前の静脈路確保と輸液の実施」は、出血性ショックの患者に対する輸液の安全性や有効性を疑問視し、適応を再度検討するよう求める声が相次ぎ、結論は次回まで保留となった。  

 

重症ぜんそく患者に対する吸入β刺激薬の使用」では、既に吸入β刺激薬が処方されているぜんそく患者が、発作のため自力で吸入できない場合に、患者に吸入を行う。「血糖測定と低血糖発作症例へのブドウ糖溶液の投与」では、低血糖発作による意識消失が疑われる患者の血糖測定を行い、低血糖の場合はブドウ糖溶液の投与を行う。

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この記事を読んでいて思うことは「相変わらず医療従事者だからできなくなることが多いよな~」ということ。

 

おそらく患者本人が発作のために吸入薬を使用できなかった場合、家族がどうにかしようとするのではないだろうか。家族がいなくて誰も使用方法が分からない(なんてことはないかもしれないが)時に…今までは救命士は吸入薬を吸わせることもできなかったのか…と驚いてしまった。

 

僕も知識不足でしたが、本当に驚きました。

 

また、血糖測定を行うことにメリットはあってもデメリットはないと思われます。意識がない患者さんに最初に行うことは血糖測定なども含まれます。その対応を最低限行ってきてくれるのであれば、助かることはあっても患者さんの不利益にはならないのではないだろうか?

 

モデル事業の話が出るような中身ではないだろうに…

 

で、責任が絡んでくるとすれば静脈路確保などだと思います。

 

実際、救急現場で僕が使用するのは3種類。細胞外液と5%ブドウ糖液、ごく稀に1号液。この3種類の使い回しです。

 

ほとんどの時は細胞外液です。もし、患者さんが急変していっているのであれば…ショックになって末梢血管確保が困難になる前に点滴を取っておいてもらえるだけでも、救命確率は上がりそうですが…輸液をどう使用してくるか。

http://blog.with2.net/link.php?602868

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なかのひと 

別に急速Dripしなければどの輸液でもいいのかもしれませんが、目的に合わせて使い分けないといけないでしょうし。

 

輸液によっては患者さんに利益や不利益が出現するので「責任」はあるかもしれませんが、全く事前情報がなかったら間違いなく細胞外液を投与すると思うので、救命士が点滴を細胞外液で取るのは患者さんの不利益はほとんどないのではないかと思ったりしています。

 

出血性ショックの患者に対する輸液の安全性や有効性を疑問視というのはどういうことだろうか。僕には意味がわからないのですが…。

むしろこういう患者さんだったらルートを取らないことのデメリットのほうが大きすぎるように思いますが?

 

救命士さんの行える処置が少しでも増えてくると…また違った医療を展開できるかもしれませんね。

 

そう思います。

 

 

明日も忙しくなりそうですね。それでは、また。

コメント (2)
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