山頭火つれづれ-四方館日記

放浪の俳人山頭火をひとり語りで演じる林田鉄の日々徒然記

風吹けばただよふ雲の空にのみ‥‥

2006-10-29 18:40:12 | 文化・芸術
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-世間虚仮- 今朝の見出し

◇年5億円、実態不明-国会議員のJR無料パス-公費負担の規定なし
成程、民営化前の国鉄時代は、負担を国鉄に押し付けていられたが、分割民営化されたJR各社にはそうもいかない。そこで利用実態に拘わらず、すこぶるアバウトな額が毎年固定的に公費支出されている訳だが、国鉄時代の慣習を踏襲しているだけで、公費負担の規定もないというのがお笑いぐさだ。


◇石綿被害-泉南で初の補償へ
アスベスト産業が全国でも最も盛んだったと言われる大阪府泉南地域。アスベスト製造をしていた三菱系子会社が、操業停止からほぼ30年を経たこの時点で、周辺住民や元従業員らのアスベスト被害者と初めて補償交渉に。


◇乗り換え殺到 パンク-携帯電話の番号継続性導入で、ソフトバンク受付停止
通話料0円、メール代0円-ほんとうに安いのかどうかよくわからないのだが、ド派手な宣伝に踊らされて他社からの乗り換えが殺到、こんな仕儀となるのも無理はない。


◇高校履修不足問題-北関東以北に偏り ―― 救済へ、世論意識の与党が圧力
文科省の28日現在の調査速報では32都道府県に286校、毎日新聞調査では41都道府県407校というが、実数はまだまだひろがる。少なくともここ十数年間にわたって浸食をひろげてきた根の深い病巣だから、文科省もこれ以上の実態究明は避けて、早く騒ぎの蓋をしたいところだろうが、受験生たちへの応急措置はそれとして、実態の解明は過去に遡って徹底してするべき。
降って湧いたような思いがけない問題のクローズアップで、安倍首相もキレイ事の教育改革どころではあるまい。


<歌詠みの世界-「清唱千首」塚本邦雄選より>

<秋-82>
 誰が世より思ひ置きてか白露の袖濡らしける秋の夕暮  藤原為家

大納言為家集、上、秋、秋夕、建長八年四月。
邦雄曰く、露の置くのも、かねて、見ぬ世から思い置いた定めかと観じた趣き、なんとなく釈教歌的な深みのある詠風、これは建長8(1256)年、作者為家も既に58歳の秋の歌。従姉にあたる俊成女が、80歳前後の天寿を享けて世を去ったのもその頃のことである。父定家の余情妖艶に倣った歌も少なくはないが、直線的でおおらかな作に彼の特色が見られる、と。


 風吹けばただよふ雲の空にのみ消えてもの思ふ秋の夕暮  葉室光俊

続拾遺集、恋四、中務卿宗像親王の家の百首の歌に
邦雄曰く、第四句「消えてもの思ふ」のたゆたいは、「空にのみ」の鋭い限定を受けて、この恋の歌に独特の調べを与えた。光俊は定家に直接師事した数少ない歌人の一人。当然のことに為家にはあきたりず、実権を握る彼に反旗を翻した一人で、反御子左家と呼ぶ。この歌は鎌倉に下って六代将軍宗尊親王の歌の師範となった頃の作であろう。定家の余響を感じる、と。


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