山頭火つれづれ-四方館日記

放浪の俳人山頭火をひとり語りで演じる林田鉄の日々徒然記

ふるさとの空の旗がはたはた

2011-08-19 20:00:14 | 文化・芸術
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―四方のたより― 橋下知事のいかがわしさ

どうも夏バテのようだ、この二日、寝ると爆睡といった調子だし、起きても身体が怠いし重い。

ところで、橋下知事がWTCへの府庁舎移転を断念した、のニュースが朝から躍っている。
3.11の東北大地震の際、震度3で思わぬ被害を出したWTCであってみれば、本来この時点で断を下すべきだったにもかかわらず、これまで頑なに拘泥しつづけた挙げ句、今に到っての断念は笑止千万というしかない。
この男の饒舌、上滑りのお調子乗りにすぎないことは、マスコミの寵児となっていた頃から明々白々のことだろうに、堺屋太一なんぞが持ち上げるに及んで、圧倒的支持を得て知事にまでなってしまった。
そして今、知事・市長のダブル選を仕掛けるなか、これを目前にしつつ180度の政策転回=移転断念をするなら、その反省の弁はどれほどの言を費やしても言い尽くせるものではないと思われるが、この男、多くを語らず、イケシャーシャーとしてござる。
この期に及んでの断念は、救いがたい失政であり、政治生命が断たれるべきものである筈、と私などにはどうしても映るのだが、マスコミはじめ府政周辺での反応がどうにも鈍いのはどうしたことか。


―表彰の森― 秋山巌の版画世界

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「山頭火版画句集-版画家秋山巌の世界-」春陽堂刊-1575円

山頭火の句を独自の世界へとさまざまに変奏した秋山巌氏の版画が計100作品掲載されている。氏の版画世界を知るには格好の書であり、かつ廉価版なのがうれしい。
あとがきで氏は、「長い生涯の中で、私は二人の師と出会った」といい、その一人は棟方志功であり、もう一人は山頭火であった、と綴られている。
志功師の口癖にも似た「化けものを観ろ、化けものを出せ」の言が、後年、山頭火の句との出会いによって交錯、火花散らすことになったのであろう。このあたりの創造の契機というものは、よくわかるような気がする。本来関わりのない、結びつく筈のない二つのものが、氏の内部で突然結ばれる。氏にとって<山頭火の句=化けもの>は電撃的な閃きであったのだろう。以来、氏は、氏の<化けもの>を顕わにせんと、山頭火の句を板に彫りつづけ、今日に到る。


―山頭火の一句― 行乞記再び-昭和7年-222

8月19日、何事も因縁時節、いらいらせずに、ぢつとして待つてをれ、さうするより外ない私ではないか。
入浴、剃髪、しんみりとした気持になつて隣室の話を聞く、ああ母性愛、母といふものがどんなに子というものを愛するかを実証する話だ、彼等-一人の母と三人の子と-は動物に近いほどの愛着を体感しつつあるのだ。‥‥
父としての私は、ああ、私は一度でも父らしく振舞つたことがあるか、私はほんとうにすまなく思ふ、私はすまない、すまないと思ひつつ、もう一生を終わらうとしてゐるのだ。‥‥

※表題句は8月4日付の句

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Photo/北の旅-2000㎞から―神秘的な水面の摩周湖-2-’11.07.27


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