明野西JFC監督日記

少年サッカーチーム「明野西JFC」の監督所感、活動予定/結果
(明野西JFCを愛し、応援する人々へ)

書評 「テクニックはあるが「サッカー」が下手な日本人」

2009年06月05日 23時05分15秒 | Weblog
 今週、紀伊国屋で購入した本です。
 「テクニックはあるが「サッカー」が下手な日本人」著者:村松尚登 発行所:ランダムハウス講談社 1,470円(税込み)
 著者は、筑波大OBで、1996年から日本サッカーが強くなるためのヒントを求めてスペインに渡り、2006年からFCバルセロナのジュニアスクールで指導者をしている方で、何故、スペインでは、「テクニックはあるが「サッカー」が下手な日本人」と評価されているのかを評価、解説した本です。
 そこには、ヨーロッパで今評価されている「戦術的ピリオダイゼーション理論」という切り口で見たものです。
 この理論は、簡単に言うと「サッカーは、カオス(「混沌」ちょっとした前提条件の差で結果が異なる、想定外のことが起こる)とフラクタル(「自己相似」サッカーに含まれる全ての要素は、部分部分でも同じ、攻守一体の連続性)である」というもので、この理解が、日本人には欠落しているというものです。
 例えば、ドリブル練習は、一般には、コーンを立てて行いますが、「戦術的ピリオダイゼーション理論」で考えたドリブル練習では、人が動いている間を抜けていく、或いは1対1を多数で行い、抜けていくといったような練習になるわけです。
 ここに練習を行う指導者の創造力が必要な訳です。攻守の要素が入ったり、ディテールに拘らないと結果が異なる要素の入った練習を組む必要があるわけです。或いは、個別の課題は、何かの「良い習慣(ディテールに拘らないと結果が異なる)」を身につけさせる練習を組むことです。
 日本人は、サッカー後進国のため、テクニックはテクニック、体力は体力、戦術は戦術と個別に分けて練習を組みますが(真面目なため)、これが「テクニックはあるが「サッカー」が下手な日本人」と評価されている所以という訳です。
 また、スペインでは、週末に各層の長期(年間の)リーグ戦が行われ、サッカー選手全員が、試合をこなし、大きな経験値を得るということになります。
 また若年層から戦術的な指導、考え方を徹底されますので、テクニックは多少下手でも試合を読むという賢さが身につきます。
 また、各選手が若年層から自分に適したポジションをこなし(どこでもポジションをやらせるという日本的考えとは異なる)、金太郎飴的な選手ではない、“賢い(試合を読める)”、“ポジションに必要な上手さ”を持つ特徴ある選手が生まれてくるというものです。
 結論は、「サッカーは、サッカーしないと(断片的要素に分割せず、複合的/総合的に考える)上手くならない」ということですね!



 私も「戦術的ピリオダイゼーション理論」という切り口で日々の練習を見直そうと考えています。