あいらのひみつ箱

2006年の年明けとともにジュリーに堕ちました。日の浅いファンが 勝手な思いを書き連ねるゆるいブログです。

チャコール・グレイの肖像①

2010-01-21 17:20:29 | アルバムレビュー

『チャコール・グレイの肖像』(1976年12月1日発売)


1.ジョセフィーヌのために
作詞:小谷夏/作曲:沢田研二/編曲:大野克夫
2.夜の河を渡る前に
作詞:阿木燿子/作曲:沢田研二/編曲:船山基紀
3.何を失くしてもかまわない
作詞:藤公之介/作曲:沢田研二/編曲:井上堯之
4.コバルトの季節の中で
作詞:小谷夏/作曲:沢田研二/編曲:大野克夫
5.桃いろの旅行者
作詞:桃井かおり/作曲:沢田研二/編曲:大野克夫
6.片腕の賭博師
作詞:荒木一郎/作曲:沢田研二/編曲:船山基紀
7.ヘヴィーだね
作詞:沢田研二/作曲:沢田研二/編曲:井上堯之
8.ロ・メロメロ
作詞:沢田研二/作曲:沢田研二/編曲:大野克夫
9.影絵
作詞:松本隆/作曲:沢田研二/編曲:井上堯之
10.あのままだよ
作詞:岸部修三/作曲:沢田研二/編曲:船山基紀

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歌門来福初日を週末に控え、皆様セトリ予想などで盛り上がっていらっしゃることと存じますが、
空気読まない系の当ブログは、2ヶ月ぶりのアルバムレビューです~。ついに来ました、この1枚!
アテクシ、このアルバムには特別な思い入れがあるのよーっ。
それは、初めて買ったじゅりのアルバムだから。(ベスト盤は除いてね。)
もし、最初に聴いたオリジナルアルバムがコレじゃなかったら、もしかしたらその後の怒涛のオトナ買いは
なかったかも・・・
新規組だから、青春時代に聴いた訳じゃないんだけど、32歳で(当時ね)初めてこのアルバムに出会って、
なんと言うか、今後じゅりから離れられないであろう自分を確信した、そんな特別な一枚です。

このアルバムの最大の特徴は、全曲じゅり作曲という点ですわよね。全曲本人作曲アルバムとしては
「今 僕は倖せです」がこの時点で既にあるわけですけど、全体的にフォークっぽい「今僕~」に比べて、
作曲家:沢田研二のキャパの広がり、成長を見せ付けてくれる一枚だと思いますわ。
そして作詞に関しても、新鮮な初顔合わせもありで、意外なお名前もあり大変面白い!
塾長とハチさんが共演してるアルバムなんてあったのね~
あ、塾長は「企画構成:久世光彦」とのクレジットの上、ペンネームで2曲作詞ですね。
こうしてじゅりの作品に深く関わって、久世さんてば、シアワセだったでしょうね~。ふふふふふ・・
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1.ジョセフィーヌのために
小谷夏こと久世さん作詞の曲がトップバッターです。
人形を残して去った彼女。人形の「ジョゼフィーヌ」は彼女の代わりなんでしょうか。
彼女はきっと何らかの意思表示をしたくて・・・・というより、意味深な行動で、「解けないパズル」を
彼の元に残して来たかったのかな。と、そんな風に思いました。
まあともかく、「青い目のお人形」ということで何よりです。「元カノが置いていった日本人形」だと、
夜中に髪が伸びそうでコワイですし~。
っと、冗談は置いといて、サウンド面ですが、伴奏はギターとピアノがメインでちょうど半々ぐらいのバランス。
(このアルバムはそういう曲が多いんですが。)キレイにまとまった雰囲気です。
そして、シンセの音が遠くで聴こえたり、浮かび上がってきたり、曲に変化をつけているようです。
シンセで出してるストリングスの音が、妙に冷めた印象で、どうも気になります。

2.夜の河を渡る前に
ギンギンとグラマラスに響くギターのイントロだけで打ちのめされる感じですが、間奏~後半の「神業弾き」
に至っては、もはやシロートが語るべきじゃないと思われますので、「シビレルシビレル~井上さぁ~ん!」
と日蝕のホステスっぽく山吹色の声で叫ぶに留めたいと思いますわ。
2010.1.22追記:エー、訂正でかっちょ悪いんですが、この曲の伴奏は井上バンドでは無く、
ギターは他の方の演奏だそうです。
教えて下さいましたJ.コレクター様、ありがとうございました。)
しかし、この、じゅり~~の歌い方のカッコいいことと言ったら!
♪時を見すごす夜の流れの♪ 「とっきいを」
♪夢の続きなのか眉を寄せ♪ 「ゆっめえの」
の太字部分がツボですわ~
サビで鳴ってるベースのドッドッドッドッドッドッドッドッって音はまるで脈拍のよう。
ちなみに、この曲で一部、ギターとベース、どっちが弾いてるのかわからなくなっちゃう箇所がありまして・・・
ベースが高い音出してんのか、ギターが低い音出してんのか・・・こういう時、バンド経験なんかがあればなー
と切に思います。
阿木燿子氏の詞もクールで、どこをどう切ってもカッコ良すぎるでしょ、この曲!
リアルタイムで、生で聴いたことのある方、首絞めたいほど羨ましいワ~~

3.何を失くしてもかまわない
例えて言うなら「流転」よりはやや軽く、「立ちどまるなふりむくな」よりは重たいくらいでしょうか。
まあ、そんな系統の曲だと思われます。
伴奏のメインはピアノで、展開部でギターというオーソドックスな流れ。
随所で聴こえる、ギターの重音で奏でられるメロディーが美しいです。間奏も美しい。
歌い上げる系ではないけれど、サラリとしているだけではない、どこか陰りというか、哀愁というか、
そういったものを漂わせているじゅりの声にジンときます。
地味っぽい曲だけど、この系統の曲全般好きなので、お気に入りの曲です。

4.コバルトの季節の中で
過去レビューは→こちらですが、ここで、アルバムの構成についてちょっと。
アテクシ、このアルバムの中で、曲の流れとして「何を失くしてもかまわない」→「コバルトの季節の中で」、
この部分がすごく好きなんです~。
詞やサウンドのスタイルは違っている2曲かもしれないけど、心の痛手みたいなものが共通していて、
心象風景が、季節とともに穏やかに変化していく感じが、この2曲の流れで感じられるように思うんです。
だから、コバルト1曲で聴くより、前の曲から続けて聴くと、一層切ない気持ちになりますわ。

5.桃いろの旅行者
まず、イントロがとってもステキ。
仰々しいオケ等はこの曲には不要。伴奏は上質なギター&ピアノの音でまとめられてます。歌詞の方は
♪こんなバカな僕じゃ~~♪とか、
♪あなたなんか~~~僕とはちがうでしょ♪とか、
ひきこもりがちな、ひがみっぽい、鬱々とした告白のような印象で、桃井かおりのイメージからは
意外なようであり、もったりした雰囲気が、それっぽくもあり、といったところでしょうか。
女性が書いてるけど「僕」ってことで、ナイーブな少年を主人公に据えてるのかもね。
どうせどうせ~と「いじけるじゅり少年」を想像して萌えるのも、また良いかと思われます。
それほどの起伏もなく、2番のサビまで鬱々~っと行くんですが、曲の終焉に向けての高揚が予想外。
この後奏はドラマティックでカッコイイと思いますわ。
硬質なピアノに、うねるようなギター。誰が演奏してるのか知りたいです!

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※②へ続く