セカンドライフ 

歳を重ねるのも悪くはない

裁判員制度に参加した友の話

2014-07-18 | セカンドライフ
平成21年5月21日からが始まった。
裁判員制度とは、国民のみなさんに裁判員として刑事裁判に参加して貰い、被告人が有罪かどうか、有罪の場合どのような刑にするかを裁判官と一緒に決めてもらう制度。

  既に、この制度がスタートして5年も経つが、「経験者です」と言う人に会った事はなかった。勿論口外しないことが前提になっているが・・・。
「実は・・・」と初めて裁判に参加した人の話を聞く事になった。彼女は丁度還暦になった頃A4サイズの茶封筒を受け取り、スタートする事になった。
選挙人名簿の内選ばれた人のリストから、○☓の返事をし50人が選ばれる。
勿論正当な理由が無ければ断れない。友達はお断りする理由もなかったので行き、面談を何回か受けた後、最後の6名に残ったそうだ。補欠は2名確保して。

裁判所の中に缶詰状態なので、お弁当も注文したり(自前)し模擬裁判などを経験。
午後は裁判長と裁判官2人と、初顔会わせ。過去の事例等、裁判に関わる事を聴いたりする。
全て詳細などを伺い、判決の練習をする。

そして、最後に初めてご自分の関わる事件のNOと内容を聞く。現場でどのように犯行が行われたかという説明がとても怖かったそうだ。殺人事件の場合は、現場の捜査で犯人の残した写真等を大きな画面で見せられるのが、見るに堪えない画面アップ等も有り、帰宅しても食事も取れない程の衝撃でとても平静ではいられないそうだ。しかし直視しないと判決を下す際に、正しい判断が出来ないと言う事で、皆さん選ばれた方達は、真摯な態度で職務を全うするそうだ。
たまたま友達は、コンビニ強盗犯の裁判だったそうで、それでも後味が悪かったと。
実際人間が人間を裁く事は非常に重く、ましてや死刑の判断も下さなければ役に立たない訳で。そんな時は必ずプロも混ざっての判決だそうだ。自分の一票で死刑が確定することだってある。しかし被害者の気持ちを考えれば許せない、色々な思いが頭や心を巡り・・・・精神的に弱い人は過呼吸になってしまったり。精神面が強いからって簡単で判断が出来る物ではない。苦しい期間が悶々と続くそうだ。

彼女は、細かい事は言わなかったけれど、少しでも吐き出して楽になったと言っていた。裁判に関わった事で普通の精神でいられ無くなった人達の為、フォローする組織も出来ていて、苦しみを分け合ったりもするらしい。
                        

いずれにしても、全くの素人が急に裁判の判決意見を出すという前代未聞の事を成し遂げる事は至難の事だそうだ。毎日沢山の裁判が行われる中、協力をして下さる方には頭が下がる。

裁判員制度の対象となる事件は、代表的なものをあげると、次のようなものがある。

・人を殺した場合(殺人)
・強盗が,人にけがをさせ,あるいは,死亡させてしまった場合(強盗致死傷)
・人にけがをさせ,死亡させてしまった場合(傷害致死)
・泥酔した状態で,自動車を運転して人をひき,死亡させてしまった場合(危険運転致死)
・人の住む家に放火した場合(現住建造物等放火)
・身の代金を取る目的で,人を誘拐した場合(身の代金目的誘拐)
・子供に食事を与えず,放置したため死亡してしまった場合(保護責任者遺棄致死)
・財産上の利益を得る目的で覚せい剤を密輸入した場合(覚せい剤取締法違反) 

ご自分が経験された時と違うかもしれません。既に5年経過していますので、ご了承ください