アンジャッシュのコントが中国でパクり?みたいなニュースありました。
アンジャッシュの元ネタも知らないですし,中国で放送されたコントの内容も見てないので,パクりなのかどうかとか判断できませんが…
ただ,この話題にちなんで,今日は,
お笑いのコントをパクったら法律上何が問題になるんだろう?
というところを少し考えてみようかなと。
コントを法律上保護することを考えるとすれば,やはり著作権でしょうね。
著作権で保護されるのは,
コントのネタを作ったというネタ創作者としての権利と,
そのネタを演じたことによる実演者としての権利,
の2つが考えられます。
今回の件は,ネタのパクりが疑われているので,ネタの話に限って話を進めます。
コントもネタというか脚本があるので,演劇と似たようなものですね。
その意味では,漫才もそうかな。
コントや演劇のネタ(脚本)は「著作物」となるので,それに著作権が発生します(何の登録もいらない)。
コンビ2人で考えてネタを作り上げたのなら,著作権は2人の共有です。
また,ネタが日本で作られたものでも,条約(ベルヌ条約・TRIPS協定)により,その著作権は中国でも保護されます。
というわけで,アンジャッシュのネタが本当にパクられ,中国で同じコント劇が行われたのなら,著作権侵害ということです。
ちなみに,著作権というのは,複製権,上演権,公衆送信権などといった複数の権利の総称のこと。
日本で,お笑いコンビのコントネタをパクって自分たちで同じコントを演じたとすると,
・そのコントを公に(特定少数を除くすべて。)上演した場合は上演権侵害
・その上演したコントを録画すると複製権侵害
・録画したものをYoutube等にアップして誰でも見れるようにすれば,さらに送信可能化権侵害
といったところで,すべて著作権侵害になっちゃいます。
多少変更したとしても,元ネタがわかる程度だと,NGであることには変わりません。
とはいえ,上演や複製については,所定の要件に該当すれば問題なし(非侵害)。
上演なら非営利・無料・無報酬という要件,複製なら私的使用の範囲内という要件です。
あくまで法律上の話ですけどね。
アンジャッシュは以前にも同じような話があったそうで,その時は,「光栄です。」みたいなコメントをされていました。
権利を主張するかどうかは,権利者しだいということです。
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