雨や曇りの日が徐々に増え,一時の暑さが和らいでますね。
9月になっても暑い日が続く年もありますが,今年はこのまま秋になっていく感じかな。
この8月は,お盆休みがあったり(と言っても仕事してましたが…),
弁護士会の委員会にかかわる行事で,担当委員として準備などに追われ,
手持ちの仕事がなかなか進まないのに,やることがたくさんある,
というなんとも言えない1ヶ月でした。
そんな行事も無事終わり,
合間を縫ってやっていた訴訟案件の書面作成もひと段落したしので,
これからは,特許出願の明細書作成モードです。今週末は休みなしだなあ(>_<)
さて,前置きが長くなりましたが,今日の本題。
以前記事にした「妄想オッパイグランプリ」の訴訟ですが,原告と被告の双方が控訴していたようです。
その控訴審判決が,今月頭に出てました(知財高判平成27.8.5判決)。
この前回の記事,今年の2月11日に書いたものですが,
つい少し前まで人気記事のランキング上位にあり,そこそこ読んでいただけたようです。
皆さん,「オッパイ」が興味をそそるんですねー(^^)
「お前もだろ!」というツッコミはさておき…
本件は,パブリシティ権(顧客吸引力を排他的に利用する権利)が問題となった案件でした。
週刊実話という雑誌が,女優さんの顔写真を使ってオッパイのイラストを合成したものを記事として載せたため,
写真を使われた女優さんたちが,雑誌の販売差止め・廃棄のほか,
パブリシティ権侵害による損害賠償,人格権侵害による慰謝料を請求していました。
第1審の東京地裁は,パブリシティ権の侵害を否定して,
雑誌の販売差止め・廃棄や損害賠償は認めず,
その一方で,人格権侵害による慰謝料(80万円ずつ)は認める
という判断でした。
控訴審でも,この第1審の東京地裁の判断が維持されています。
この控訴審において原告の女優さん側は,
オッパイのイラストを合成した今回の記事は,顔写真そのものを鑑賞目的とするものであって,
それが主要部分であり,オッパイのイラストは単なる添え物に過ぎず,
「専ら顔写真が持つ顧客吸引力の利用する場合」に該当するんだとして,
改めて,顔写真が持つパブリシティ権の侵害を主張しました。
でも,控訴審判決では,
記事の目的からすれば,オッパイのイラスト部分も不可欠の要素であって,単なる添え物ではない,
と判断して,結局,パブリシティ権侵害を認められませんでした。
一人80万の慰謝料というのは雑誌社の痛みとしてはどうなんでしょうね。
それくらいなら,今後も同じような記事を載せてもいいや,となるのか,
それとも今後はやめておこうか,となるのか。
慰謝料の金額がちょっと少ないかなあという気もしますが,
判決から事案を見る限り,今回の件でパブリシティ権侵害の主張はなかなか難しいんだな,
とやはり思った次第です。
人気記事のその後,ということで取り上げてみました(^^)
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