弁護士早瀬のネットで知財・法律あれこれ 

理系で特許事務所出身という経歴を持つ名古屋の弁護士があれこれ綴る雑記帳です。

料理のレシピと著作権

2014-09-11 23:20:34 | 著作権

おとつい紹介した高校時代の友人のブログ

      「 joli!joli!のおうちごはんとおかしとねこ  

 

「joli」(ジョリ)って一体なんだ?と思って調べてみたら,フランス語で,綺麗とか可愛いって意味みたいですね。

写真が多くて楽しめるブログです。それに比べて,わがブログは…

一応,法律や判例に関するブログなので,つい文字が多くなるのは仕方がないのですと言い訳しておきます。

 

今日は,彼女(joli!joli! さん)が書いたブログ記事に関する話をとり上げようかなと。

どうやら,ブログに載せたレシピが,さも自分が考えました的な感じで,勝手に転載されたことがあったそうです。

困った人もいるものです。

 

 

転載されているかどうかを見つけるのはなかなか難しいとは思いますが(常に監視できるほど暇ないですしね。),もし発見したり,誰かから教えてもらえた場合には,彼女がとったように,まずはサイトの運営会社に削除申請をするのが一番よい方法です。

普通の運営会社なら,対処してくれると思います。

これは,ネット上で個人や会社が誹謗中傷された場合も同じ。

 

ところで,料理レシピと著作権との関係についてはどうなっているのでしょうか。ちょっと確認してみましょう。

彼女(joli!joli! さん)の記事でもまとめられていますが,ちょっと補足します。

 

まず,レシピ(料理法)そのものについて

 これはアイデア(着想)なので著作物ではありません。著作物であるためには,そのアイデアが文字や写真等で具体的に表現されていることが必要なのです。したがって,著作権は発生しません。

 というわけで,レシピそのものを真似されたくないなら,「秘伝」とすべきであって,本来公開しちゃだめです。

 

では,自分で考えたレシピ(料理法)を説明した文章はどうか?

 これは判断が難しいところです。著作物といえる場合も考えられるし,著作物とはいえない場合も考えられます。

 例えば,「フライパンに油を入れて,野菜をいためる。」「塩コショウして,水を入れて煮る。」というように,レシピを説明しようとすれば誰が説明しても同じになるような説明の仕方では,「創作性」がないとして著作物とはみなされない可能性があります。

 一方で,説明方法に何がしかの工夫があれば,「創作性」が認められる余地はあります。どんな表現ならいいのか…,要は独特の表現であって,ありふれた説明でなければいいのですが,簡単には思いつかないので例示できないです。

 

あと,料理の途中や完成品を写した写真について

 これは,一般的には著作物性ありでしょうね。なので,勝手に転載すれば著作権侵害です。

 

著作権云々を考え出すと,特に,レシピの説明文についてはなかなか難しい問題が出てきます。

普通は,わかりやすくするために写真も一緒にコピーされると思うので,一般には著作権の侵害となりますが,説明文だけのコピーとなると,ちょっとハードル上がりますね。

となると,そこは個々のマナーに頼らざるを得ないのが実情なのかもしれません。

 

 

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