最近、国選で刑事弁護の事件を受任し、弁護人として活動してます。
また、先日、弁護士ドットコムニュースで、「ふなっしー」がからむ不正競争防止法違反の事件についてコメントしました。
「274」「FUNA」ふなっしー連想商品の販売で摘発、キャラ自体でなくても違法?(弁護士ドットコムニュース)
そんな刑事事件つながりで、知的財産権に関する刑事事件ってどんな感じなんだろう?
と、平成27年の犯罪白書でいろいろ調べてみました。
この平成27年犯罪白書によると、商法法違反や著作権法違反での検察庁受理件数は、次のとおり。
(「平成27年犯罪白書」(法務省)http://hakusyo1.moj.go.jp/jp/62/nfm/n62_2_1_3_2_3.html)
平成26年の商標法違反が600件で、著作権法違反が453件です。
商標法違反は減少傾向にありましたが、どちらもここ数年、若干上昇傾向ですね。
他方、グラフはありませんが、白書のデータによると、
特許法違反は、平成26年において0件(平成25年は3件)、意匠法違反は3件(平成25年は0件)です。
毎年、0件か数件で推移してます。
上記のふなっしーの案件のような不正競争防止法違反事件は、これらより少し多くて160件。
ちなみに、平成26年における殺人の受理件数は約1500件で、窃盗は約11万5000件です。
これらのよくある刑法犯事件と比べると、知的財産の刑事事件はやはり少ないですね。
次に、検察庁で事件が受理された後、どうなったか。
検察庁で事件を受理すると、検察官が、起訴するか不起訴にするかの判断をします。
起訴されると裁判で審理されることになる。
犯罪白書に、その起訴率のデータが出ています。
ただし、商標法違反と著作権法違反だけ。
特許法違反など、他の知的財産については、数が少な過ぎて、個別の統計対象にすらならないという・・・
平成26年では、商標法違反の起訴率は65.9%、著作権法違反は73.5%。
殺人の起訴率が34.6%、窃盗の起訴率が42.1%なので、それらに比べると起訴率は高いですね。
つまり、知的財産の刑事事件は、検挙されると、起訴される可能性が結構高いということです。
続いて、起訴されて裁判となった場合に、どうなるか。
無罪となった案件があったかどうかのデータは見当たりませんでした。
で、有罪となった場合の実刑率のデータが出ています。
実刑率というのは、有罪と判断されたとして、執行猶予がつかない(即、刑務所行きとなる)件数がどれくらいあったかというもの。
これも、商標法違反と著作権法違反だけです。
平成26年では、商標法違反の実刑率は12.2%、著作権法違反の実刑率は14.5%。
つまり、8割以上、執行猶予がついて、即、別荘(刑務所)行きにはならないということです。
犯罪白書から、こんな情報が得られました。 面白いですね。
上記のように、知的財産権に関する刑事事件は起訴されても執行猶予になる可能性が高いですが、それも犯罪であることに変わりはありません。
というわけで、知的財産権を軽視しちゃダメですよ!
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