弁護士早瀬のネットで知財・法律あれこれ 

理系で特許事務所出身という経歴を持つ名古屋の弁護士があれこれ綴る雑記帳です。

特許異議申立て制度

2014-04-28 21:12:27 | 特許

最近、ゴルフのお誘いを受けることが多くなり、せっかくなのでやってみようかと、15年くらい前に買って実家の倉庫に眠っていたクラブを引っ張り出し、ちょくちょく練習に行っています。
この週末は、始めて打ち放題のところに出かけて打ちまくったせいか、体がイタイ・・・

ショットがなかなか安定して打てません。っていうか、そんな簡単に打てるはずないですね(笑
ダメダメ → おっいいかも → またダメダメ の繰り返しです。どうなることやら。

 

表題ですが、先週金曜日に成立した特許法等の改正により、以前に廃止された特許異議申立て制度が復活します。

この異議申立て制度、ざっくり言うと、特許庁が特許にしていいよと判断した後に、そんなもの特許にしちゃいかんと公衆が異議を出せる制度です。

特許にいちゃもんつける制度には、現在も、無効審判制度というのがあるのですが、以前は、それに加えて、この異議申立て制度が別にありました。
無効審判よりも利用されていたんですけどね。平成15年の法改正で、廃止されちゃいました。

 

ちなみに、私の名前で、異議申立てしたこともあります。それで、何件か特許をつぶしたりもしました。
なぜ私の名前なのかって?それは、あのー、そのー、ごにょごにょ・・・(自主規制)。

 

それが今回、復活するに至ったわけです。

特許庁が出している法改正の資料には、特許異議申立て制度の「創設」とありますが、以前の制度を知っている人にとっては復活ですね。
審議会の報告書では「付与後レビュー」と呼ばれてましたが、結局、制度の名称も条文も、以前とほとんど同じですし。
(もちろん、従前の制度の問題点を解消するため、新たに追加された規定もあります。)

制度をなくしても思いどおりにならず、かえって弊害が出てきたんでしょうね。

でもまあ、無くしてみてわかることもありますし、無くした制度の有用性を改めて認めて、前以上によい制度とするっていう柔軟性はいいことなんではないでしょうか。

改正法の施行日(実際に効力が発生する日のこと)は、たぶん来年4月だからまだ先ですが、実務的には、結構使われる制度になると思います。

 

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特許出願の統計を見て

2014-04-17 18:31:34 | 特許

4月なのに、このところ、なんだか暑い!!ですね。
特許事務所には、半袖姿で仕事されている方も(例えば、となりの机にいるひろた弁理士とか・・・)

特許事務所の皆さんと同様、私も、最近は、下の写真のようにジーンズなどのラフな格好で仕事することも多いです。
なので、私も半袖メンバーに入ろうかな。

 

 

ところで、特許庁のHPの新着情報に載っていた、平成26年2月分の統計速報を何気に見てみたら、特許出願に面白い傾向がありました。
グラフを見ると一目瞭然ですが、毎年3月の出願件数が飛びぬけて多いんです(参考データはこちら)。
理由は、出願件数の多い大手企業が、年度末に、一斉に出願するからなんですよね。

特許出願の仕事をしていると、この傾向を肌で感じますが、実際の統計をグラフで見ると、ここまで顕著なのかと改めてびっくり。

それと、全体の特許出願件数が徐々に減っている傾向もありますね。

この減少傾向は、今後も続くのだろうか・・・

 

話はまた変わり、最近、弁理士登録しました(4月9日付)!

弁理士としては、あいぎ特許事務所にも所属する形になります。
弁護士として、あいぎ法律事務所に所属していることに変わりありません(なんだかややこしいですけど・・・)

ということで、あいぎ特許事務所の「弁理士紹介」のページに写真を載せていただきました。

併せて、法律事務所の弁護士紹介の写真も、不評だった以前の写真から変更し、多少はマシになったかと。

 

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いい湯だな~からの商標

2014-04-13 13:44:09 | 意匠・商標

夫婦そろってお風呂好きなため、よくお風呂屋さんに行きます。

風呂好きと言っても、僕は長湯なタチではないので、せいぜい1時間~1時間半が限界。
なのに、うちの奥様は、一緒に行くと、「じゃあ、2時間半後に出口でね。」となるのが通常なので、どうやって時間を過ごすかってことになって、少々困る・・・

よく行くのは、「大曽根温泉 湯の城」か「名東温泉 花しょうぶ」のどちらか。
どっちも回数券を購入してるという力の入れようですw

昨日は、訳あって一人で「湯の城」へ行き、のんびりお湯につかり、湯上りにはマンゴーのかき氷を食べてきました。
このかき氷、氷がフワフワで結構美味しいんですよね~。
ただ、湯上りのオジさんひとりが、マンゴーかき氷をほおばっている姿は、なんというか絵的にビミョーですね。

ところで、ちょうど、前日の打ち合わせで商標の話題になったこともあり、お風呂に入りながら、「湯の城」とか「花しょうぶ」って商標登録されているのかなと、ふと気になりました。

特許電子図書館のページで調べてみると、なんと、商標登録されてない・・・

ちなみに、司法修習生の時に、司法研修所(埼玉県和光市)近くにあって行った「極楽湯」は、きちんと商標登録されてましたね(商標登録第5002468号)。

 

商標も、特許など他の知的財産権と同じく、先に出願した人に取得する権利があります。
このため、他の人が、入浴施設の提供というサービスについて、「湯の城」とか「花しょうぶ」という商標登録出願した場合、商標権を取得できる可能性があります。

その結果どうなるか?
現在の「湯の城」や「花しょうぶ」の運営会社さんが、「湯の城」や「花しょうぶ」の商標権者から、その名前を使うな、と言われてしまいかねません。

この場合、ありがちな誤解として、ずっと前からその名前を使っていたから大丈夫、というものがあります。

確かに、法律上、その主張が認められる余地はあるのですが(先使用権)、それには、周知であった(よく知られていた)ことが必要になります。
これを証明するのは結構大変で、おそらく名古屋市内で知られているという程度では足りないと考えられます。

弁護士としては、いろいろな個別の事情を聴き取って、なんとか反論の糸口がないかを考えますが、どうしても負け筋という場合も存在します。
なので、紛争予防という観点からは、商品名、サービス名、屋号を商標登録することは重要なのです。

もちろん、事業内容やリスクの程度等を踏まえて、商標登録しないという判断も一つの経営判断ではありますが、商標登録すべきかどうかの検討だけはきちんとやりましょう!ってことで。

 

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授業と時効と

2014-04-05 17:47:30 | 法律一般

ブログの色目を変えてみました・・・
これまでのは、なんとなく見づらいような感じがして、やっぱりシンプルなのがいいなと。

で、前回更新から1週間以上経過し、そろそろ更新しなくちゃと思っていたら、あいぎ特許事務所の所長ブログ先起こされてしまいました(笑) なので、早速更新。

 

昨日は、あいぎ特許事務所のスポーツ観戦クラブの活動があり、中日vs巨人を観に行かれた所員さんが多かったのですが、いいなぁ~と感じつつ、母校のロースクール(名城大学法務研究科)へ出かけて、19:50~21:20まで1時間半の授業を担当していました。

授業内容は、民事最新判例の検討、その他もろもろ。
一応やるからにはきちんと準備しないといけないわけで… ですが、これがまた結構大変(>_<)
授業担当なんてはじめてなので、準備に相当時間がかかる(要領悪いんだよ、と言われたらおしまい)。

他の若手実務家の先生2人と交互に授業を担当するため、3週間に1回が僕の担当なのですが、果たしてこのまま務まるのかしらん。

まあ、そうは言っても、せっかく授業を受けてくれるわけですし、試験勉強に向けて何かつかんでもらえたらいいなと思います。

***************

今回は、時効の中断ネタを少し。

売掛金請求とか損害賠償請求などの請求権には、「消滅時効」というのがあり、所定期間が経過すると、権利がなくなってしまいます。請求権の内容によって期間が異なるので、そこは弁護士等の法律専門家に相談することが必要です。例えば、取引先に対する物の売掛金請求であれば、2年です。

えー、請求権がなくなっちゃうのー、そんなの困る、ってんであれば、消滅前に請求して早く回収することが必要ってことですね。

そう簡単に言うけど、言っても払ってもらえないんです、という場合は、法的な手続が必要になるので弁護士にご相談を。

そして、「消滅時効」には「時効中断」という制度があります。

①請求権の存在を相手方が承認したり、②「払え」と相手に伝えたりすると、時効期間の経過が「中断」されます。

「中断」というと、期間経過がストップするだけ、と思われがちですが、法律的にはリセットという意味です。
ですから、売掛金請求が発生して1年後に、①又は②の事情が生じれば、その時点からまた2年は権利がなくならない、ということになります。

ただ、②に関しては、相手に支払えと伝えてから、半年以内に裁判で訴える等の公的な手続をしないと、中断は認められません。
②をしただけでは、ダメってことです。その点はご注意を!

 

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