医師日記

「美」にまつわる独り言です
水沼雅斉(みずぬま まさなり)

森と野草という美材10

2007年05月23日 11時02分00秒 | Weblog
 一般に樹木には日光と光合成を多く要求する陽樹と、さほど多くは要求しない陰樹とがあります。

 シイ、カシ、タブノキ()は陰樹。

 陽樹の代表がアカマツ、クロマツです。

 今でこそ松は日本を代表する木であるかのように、いたるところで目にしますし、実際舞いをみているようで立ち姿は優雅で格好もよいのですが、実は松は陽樹のため、生存競争には弱いんだそうです。

 初めて知りましたよねぇ・・・

 しかしその分、厳しい条件には強いらしく、本来常緑広葉樹が切れる山の尾根などに細々と生息していたようです。

 だから海岸線なんかにも多いのかな?

 陽樹の下に第二世代の陽樹は育ちませんから、本来は陽樹林は陰樹林に遷移するようです。

 人の手によるニセモノの森は200年もすると、「潜在自然植生」の照葉樹林に置き換わるそうですが、問題はその200年ですよね。

 宮脇氏は森が主役の地球では、「人間なんか森の寄生虫に過ぎない」とおっしゃられます。

 もちろんニセモノの森も悪い点ばかりではなく、材料としての木材も必要でしょうし、憩いの里山や雑木林、花一杯運動なども人間が生きていく以上大切であると宮脇先生はおっしゃいます。

 またその際に大事な点は、人間の顔でも触っても良いほっぺたもあれば、触ってはいけない弱い眼球のような部分もあるため、森の眼球に当たる、尾根や急斜面や水際に最大限の注意を払うべきだと言っておられました。

 しかしそういう不可侵領域ですら、人の手が加わってしまっていると、警鐘を鳴らしておりました。

 以下、宮脇先生のHPから抜粋しますが、
http://www.manabi.pref.aichi.jp/general/01120358/0/index.html


 「単に公園に木を植える時代は終わりました。

 皆さんの家の周りや道路沿いに、時には落葉が積もっても、日陰になっても、少し我慢して木を植えてください。」

 これは、単に公園だけに木があればいいっていうのではなく、木は人を守ってくれるので、家の周りや道路沿いこそが大切なのだ、ってことです。

 その理由は・・・・次回に。

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