医師日記

「美」にまつわる独り言です
水沼雅斉(みずぬま まさなり)

信仰の美風と遺伝子5

2006年08月21日 13時40分56秒 | Weblog
 キリスト教には皆様もご存知のように、主にカトリックと東方教会、そしてプロテスタントがあります。

 カトリックと東方教会は協力しておりますが、同じキリスト教でも実は違う宗教といっても良いくらいにカトリックとプロテスタントでは対立している場合もあります。

 東方教会はコンスタンティノープル(現在のトルコのイスタンブール)にエキュメニカル総主教(世界総主教=カトリックのローマ教皇)がおります。

 東方正教会はギリシャ正教、ロシア正教、単に正教とも呼ばれることがあります。

 東西教会、つまり東方正教会とカトリックは、お互いが正統を主張しております。

 東方教会では、カトリックでの「イエス・キリスト」が、ギリシャ語・ロシア語由来のために「イイスス・ハリストス」となります。

 以前高田屋嘉兵衛のコーナーで書いた御茶ノ水のニコライ聖堂は、ロシア正教由来ですから、正式名称は「日本ハリストス正教会復活大聖堂」となります。

 東方教会ではグレゴリウス暦ではなくユリウス暦を採用しており、断食が厳守されているところなどがローマカトリックとの大きな違いです。

 そもそもローマ帝国が西ローマとギリシャ語圏の東ローマに分裂し、西ローマは早々と滅亡してフランク王国を中心に西ヨーロッパが独自に近代化して行きました。

 そのためローマ教皇の独立性も進み、また東ローマ帝国の東方教会には一時的にイスラムからの偶像破壊の影響があったり、さらには西側の十字軍による東方教会への迫害などもあって、お互いが分離して行きました。

 東方教会はその後、スラブ地域に宣教を広め、コンスタンティノープル以外では、エジプトのアレクサンドリア、トルコのアンティオケイアおよびシリアのダマスカス、グルジア、セルビア、ロシア、ブルガリア、ルーマニア、ギリシャ、キプロス、アルバニア、ポーランド、アメリカ、日本・・・等に広がっております。

 僕は東方教会といえば「イコン」を連想しますが、PC用語のアイコンは恐らくこのイコンに由来しており(たぶん)、絵が小さいものでかつ意味を持つという共通点があります。

 スコットランド人のビル・ネイピアの著書、「聖なる暗号」はこのイコンとグレゴリウス暦、イギリス国教会とギリシャ正教がテーマとなっております。

 それにしてもイギリスの小説はこの「聖なる暗号」もそうですが、「クリスマス・キャロル」で有名なイギリスの文豪ディケンズを始め、大作「五輪の薔薇」(お薦め)にしても、また「パナマの仕立て屋」等スパイものの大御所ジョン・ル・カレでも見られるように、アメリカもののスピーディで華やかな物語、横の広がりに比べ、独特の深みがあって、一人の人物の深い考察によって成立しており、縦の深みといいますか・・・これが文化と歴史の違いでしょうか??

 また、プロテスタントとは抗議者という意味ですが、そもそもドイツ人のマルチン・ルターがカトリックの腐敗に対して宗教改革という革命を起こし、カトリックから分離していったのです。

 そしてプロテスタントは福音主義といって聖書に立ち返ることを理念とし、西欧における近代化はこのプロテスタントが担ったとされており、またカトリックのように団体で何かを行うのではなく、個人で聖書に向かい合うために、個人主義の発達にも貢献したとされております。

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