医師日記

「美」にまつわる独り言です
水沼雅斉(みずぬま まさなり)

伊東忠太と仏教美18

2006年12月29日 18時32分45秒 | Weblog
 仏教における三大行事は、月の順で言いますと、

①2月15日:涅槃会(ねはんえ)

 お亡くなりになられた日。

 沙羅双樹の林で頭を北にし、右脇を下にした形で、80歳で亡くなりました。

 平家物語での有名な、

「祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響きあり、沙羅双樹の花の色、盛者必衰の理をあらわす」

は、本来日本では育たないインドの沙羅双樹と、日本の夏椿を間違えたのだろうという説が有力です。


②4月8日:花まつり

 誕生の日。

 生まれてすぐ、7歩歩いて、右人差し指で天を指し、左人差し指で地を指し、これまた有名な、

「天上天下唯我独尊」

と、おっしゃりました。

 これは、「人は誰でもこの世に一人だけであって予備の人間はいない。命は貴いものである。私は苦しむ人々を救うことを第一としよう」という意味だそうなり。

 僕はこのフレーズは、この世は自分のものだという、少々身勝手なセリフかと思っておりました・・・不心得者ですみません。

 ルンビニー園の「無憂樹」(むゆうじゅ)の下でお生まれになり、花がたくさん咲いていたそうです。

 また釈尊のセリフに感激した龍が、甘露の雨を降らせたそうです。

 そのため、お寺では花御堂に赤ちゃんのお釈迦さまを置いて、甘茶をかけてお祝いするそうです。


③12月8日:成道会(しょうどうえ)

 悟りをひらいた日。若干35歳のときでした。



 みなさまの中でもし仏教徒の方がご覧になっていれば(大多数の方がそうだと思いますが)、せめてキリストの誕生日より、お釈迦さまの誕生日を、また2/14より2/15を大切にしてみてはいかがでしょうか。

 お寺側も4/8を国民的イベントとするように、(自分たちでできないようであれば)電通に依頼したらどうでしょうかね。

 家中にお花を飾って、紅茶を飲むとか、子供を祝福して贈り物をするとか、近所のお寺に子供が行けば、何かもらえるようにするとか・・・。



 釈尊の優れた業績は、なんとなく神秘的で不思議で胡散臭い「宗教」と言うものを、理論立てて、哲学体系としてバラモン教から独立させた点も大きいのではないでしょうか?

 キリスト教ですらアウグスティヌス以来、『神学大全』で知られる盛期スコラ学の代表的神学者、高名な「トマス・アクィナス」によって、13世紀になってようやく哲学・学問体系へとシフトしたというのに、釈迦はこの時代にしてすでに成し遂げていた・・・?

 絶対神の信仰者からは、仏教などお話しにならないと批判を受けますが、逆に仏教は神秘主義を克服した脱神性という点は評価が高いのではないかと思うのですが・・いかがでしょうか。

 

 今年ももうすぐ終わりですね。

 このブログも少しお休みです・・・来年もこのねたから続けようと思っております。

 今年一年ご愛顧をありがとうございました。

 皆さまにとりまして、来年も良い年になることを、心からお祈りしております・・・。

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