医師日記

「美」にまつわる独り言です
水沼雅斉(みずぬま まさなり)

美しき穂の国-16

2006年10月19日 07時52分17秒 | Weblog
④ 白鳥伝説

 そして各地を平定したヤマトタケルはその後、草薙の剣を尾張のミヤズヒメに預けて以来健康を害し、伊勢の三重村に着く頃には足が三重に曲がってしまい、その地は三重に。

 現在の鈴鹿山脈地帯で息を引き取りました。

 作られた御陵から白鳥が舞い上がり、白鳥はまるでヤマトタケルの化身のように諸国を巡り、河内の国(大阪府羽曳野市)から天に向かって飛び去りました。

 父に疎まれ故郷に帰る事すら許されぬまま、そして何より望んだであろう父の愛情に決して満たされることもないまま、諸国をただひたすら父の命のまま平定し、愛する人を失い、ロマンスに包まれながら死んでいった英雄・・。



⑤ 国偲びの歌

 死に際して詠んだ国偲び(しのび)の歌がまた美しい。

     倭(やまと)は 国のまほろば
     たたなづく 青垣
     山隠れる(やまごもれる) 倭し 美し(うるはし)


 そして夭逝の天才、青木繁の「日本武尊」は確か上野の国立美術館に・・・。

http://www.gallerysugie.com/mtdocs/artlog/archives/000106.html

 未完成なのか、剣や手の描写、背景に物足りなさを感じます。

 しかし、一般に日本武尊というと勇ましく思いますが、彼の物語を知れば、絵の未完成さが逆にヤマトタケルにふさわしく、彼の心の寂しさとして伝わると書くと、いわゆる行間を読みすぎでしょうか・・・?

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