そして江川氏によれば、本書にはキリスト教正教のみならず、土着の大地信仰、ギリシャ・ローマ神話までもが、巧妙に刷り込まれているということです。
また、指摘されてこれはな~るほどとつくづく思いましたが、この小説全体に流れるのは、「水」のイメージ・・・
窓のない船室、息苦しい都市「水の都」ペテルブルクという巨大な船、ロシアというさらに大きな船、動物を配置したノアの箱舟が巧みにイメージされていると・・・。
確かに・・・その通り。
それにしても、ラスコーリニコフの生活地図に十字架を見つけ、蜘蛛一匹、ハエ一匹に執着し、さらには時間的な仕掛けを実証して、歩数から実際の距離から日照時間まで調べ上げ、重ねて暦と聖書とのつき合わせと・・・
3年間、一冊の書物に血道(ちみち)を上げた江川氏は、かなりのドスラーと言え、ただモノではありません。
「謎ときカラマーゾフ」より本書のほうが、極めて優れているように感じました。
前述しましたが、マグダラのマリアによって新生したロシアの若きキリストは、愛にひざまづきはしましたが、殺人という罪を心から反省したとは思えません。
そこいら辺の、のどにひっかかる小骨も「謎とき」には詳述されております。
また、井桁研究室によれば、
http://www.kt.rim.or.jp/~igeta/igeta/index.html
本書には「銀30枚」という語句が何回も登場します。
裏切りと罪のシンボルである銀30枚と言えば、キリスト教文化圏では間違いなく「キリストを売ってしまった」というユダによる罪の行為を連想させるものだそうです。
またソーニャがかぶる「緑色」の布に関して、あるイコン展でのロシア聖母像のいくつかが、緑色のショールを掛けているのを目にしたそうです。
カトリックではマリア様は、聖母の着衣の決めごとにもとづき、赤い衣の上に「青いマント」が目印となり、また白いユリで描かれますので、赤・青・白がシンボル。
赤は「神聖なる愛」、青は「天上の真実」ということです。
ロシア正教のそのプログラムには、「緑は永遠の生命を表す」と書かれていたそうです。
緑はヨーロッパ文化の伝統の中では、清浄を表すシンボルであり、豊饒、新鮮さ、希望、自由、喜びのシンボルとなり得ることも分かった、と書かれております。
サンクトペテルスブルクは、「琥珀」で書いたように、プラハとともに僕にとってまだ訪れた事はない憧れの都市ですが、「罪と罰」探訪という、興味深い観光もありましたよ。
http://www.miras.info/dostoevskytour.htm
無神論的個人主義の現代社会の競争に疲れたみなさま、120年前の巨匠の慈愛に満ちた教えに包まれてみませんか?
また、指摘されてこれはな~るほどとつくづく思いましたが、この小説全体に流れるのは、「水」のイメージ・・・
窓のない船室、息苦しい都市「水の都」ペテルブルクという巨大な船、ロシアというさらに大きな船、動物を配置したノアの箱舟が巧みにイメージされていると・・・。
確かに・・・その通り。
それにしても、ラスコーリニコフの生活地図に十字架を見つけ、蜘蛛一匹、ハエ一匹に執着し、さらには時間的な仕掛けを実証して、歩数から実際の距離から日照時間まで調べ上げ、重ねて暦と聖書とのつき合わせと・・・
3年間、一冊の書物に血道(ちみち)を上げた江川氏は、かなりのドスラーと言え、ただモノではありません。
「謎ときカラマーゾフ」より本書のほうが、極めて優れているように感じました。
前述しましたが、マグダラのマリアによって新生したロシアの若きキリストは、愛にひざまづきはしましたが、殺人という罪を心から反省したとは思えません。
そこいら辺の、のどにひっかかる小骨も「謎とき」には詳述されております。
また、井桁研究室によれば、
http://www.kt.rim.or.jp/~igeta/igeta/index.html
本書には「銀30枚」という語句が何回も登場します。
裏切りと罪のシンボルである銀30枚と言えば、キリスト教文化圏では間違いなく「キリストを売ってしまった」というユダによる罪の行為を連想させるものだそうです。
またソーニャがかぶる「緑色」の布に関して、あるイコン展でのロシア聖母像のいくつかが、緑色のショールを掛けているのを目にしたそうです。
カトリックではマリア様は、聖母の着衣の決めごとにもとづき、赤い衣の上に「青いマント」が目印となり、また白いユリで描かれますので、赤・青・白がシンボル。
赤は「神聖なる愛」、青は「天上の真実」ということです。
ロシア正教のそのプログラムには、「緑は永遠の生命を表す」と書かれていたそうです。
緑はヨーロッパ文化の伝統の中では、清浄を表すシンボルであり、豊饒、新鮮さ、希望、自由、喜びのシンボルとなり得ることも分かった、と書かれております。
サンクトペテルスブルクは、「琥珀」で書いたように、プラハとともに僕にとってまだ訪れた事はない憧れの都市ですが、「罪と罰」探訪という、興味深い観光もありましたよ。
http://www.miras.info/dostoevskytour.htm
無神論的個人主義の現代社会の競争に疲れたみなさま、120年前の巨匠の慈愛に満ちた教えに包まれてみませんか?