医師日記

「美」にまつわる独り言です
水沼雅斉(みずぬま まさなり)

帽子と美意識1

2006年07月23日 18時29分35秒 | Weblog
 写真でよく見るというか、写真でしか見ようがありませんが、明治の大人たちってかっこよくないです?

 おじいちゃんたちなんですけど。

 山高帽かなパナマ帽かな、大正時代だとかんかん帽っていうのかな、いなせに帽子をかぶって、麻の白いスーツに、チーフを入れて、スティッキついて、ひげをたくわえて。

 蝶ネクタイなんかしちゃったり。

 嫌味もないんですよね、不思議と。

 アクセサリーはバブリーなゴールドではなく、シルバー。

 懐中時計などをさりげなく持ってしまい。

 帽子に関しては下記を参考にしてください。(でも学ランのときにかぶらされるあの学生帽はデザイン的にいけてないよなあ。もっとかっこよくならないもんかなあ。

http://www.hat-hat-hat.com/shurui/shurui.htm

 ファッションもそうだけど、明治の大人はやはりひとりひとりが大人の男として、国家大計を考える責務を自覚している潔さがうかがえるんですよね。

 自分個人のことよりも、もっと大きな視点でものをとらえている、背筋の伸びたきりっとした大人としての「美しさ」を感じます。

 公が基礎にあって初めて個や私があるわけじゃないですか。

 単に個の集まりが公じゃないんだ、という自覚にあふれているように感じます。

 単なる個の集まりだったら幼稚園と一緒です。

 そりゃそうですよね、今まで鎖国していたのが、急に開国を要求され、西洋の列強は植民地政策をつきすすめており、このままアメリカかロシアの属国になるのか、日本が彼らと対等に勝負していくのかを問われたわけですから。

 服装やたたずまいにも、大人としてのマナーや礼儀、責任感がにじみでていますよね。

 「俺たち一人ひとりが日本を背負って立つんだ」という覚悟が顔に出ておりますでしょ。

 威風堂々としておりますから、たとえ少しくらい髪が薄くたって、恥じたり隠す風でもなく颯爽(さっそう)としております。

 僕は別にエンスージアスト(熱狂的回顧主義者)や国家主義者なわけではないんですが。