【天風録・11.23】:芸術とは何なのだろう
『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【天風録・11.23】:芸術とは何なのだろう
食品の値段が高くなったが、まだ手頃な果物といえばバナナだろうか。栄養があり、かばんに入れておけば、小腹がすいた時にすぐ食べられる。房から1本もいで壁にテープで貼ってみた―。そんな発想のアートに、9億6千万円の値が付いた

イタリアの現代美術作家マウリツィオ・カテランさんのインスタレーション作品「コメディアン」。米ニューヨークのサザビーズで(2024年10月25日撮影)。(c)TIMOTHY A. CLARY/AFP

▲「バナナとテープだけ」というと、叱られるか。作者は風刺的な作風で知られるイタリアの芸術家。黄色い1本が灰色のテープで留めてある。高く評価し、落札した中国人の起業家は、このバナナを近く食べるそうだ
▲芸術とは何か、その価値は―。作品は問いかけてくる。バナナを描き、知られるのは現代アートの巨匠アンディ・ウォーホル。スープ缶など身近なモノを題材にした。たわしの箱を表現した5点を、鳥取県教委は約3億円で購入。賛否の議論を招いた
鳥取県が購入を予定している山下清の絵画「鳥取砂丘」
▲来春開館の県立美術館でお披露目される。芸術とは何かを考えてもらうアートの他にも目玉作品が必要なのだろう。放浪の画家、山下清の「鳥取砂丘」を購入する方針。ペン先による点描で砂などを細かく描いている
▲こちらは726万円。地元を描いた絵なら県民も納得か。「値札」も頭にちらつくが考えさせられる美術体験になりそう。開館が待ち遠しい。
元稿:中國新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【天風録】 2024年11月23日 07:00:00 これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。
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