【筆洗】:ジブリ映画『魔女の宅急便』に、魔女の修行をする主人公の少女…
『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【筆洗】:ジブリ映画『魔女の宅急便』に、魔女の修行をする主人公の少女…
ジブリ映画『魔女の宅急便』に、魔女の修行をする主人公の少女が、自身の魔力がなぜか急に衰えたことに気づき、うろたえる場面があった。ほうきにまたがっても飛べない
© 1989 角野栄子・Studio Ghibli・N
▼親しい絵描きの女性に苦悩を明かす。「前は何も考えなくても飛べたの。でも今は、どうやって飛べたのか分からなくなっちゃった」
▼女性から、自分は不調に陥った時はとにかく絵をかきまくり、それでもだめな時はかくのをやめ、散歩したり昼寝したりするうちまたかきたくなると聞かされ、励まされる
▼この人も苦悩の淵にいるのだろうか。卓球女子の伊藤美誠選手(23)。腰の痛みもあって精彩を欠く試合が続き、先の全日本選手権も早々に敗退してパリ五輪切符を逃した。東京五輪で金、銀、銅のメダルを獲得した日本卓球界のエースの挫折。魔女ならぬ大魔王と呼んで警戒してきた中国メディアも驚いているらしい
▼一昨日、取材に応じ「このまま終わるのも寂しい。世界ランキング1位を目指す」と語ったという。長く休んだりせず、国際試合に挑みながら復調を目指すよう。光明は見えてくるだろうか
▼『魔女の宅急便』は、親しくなった少年が飛行船事故に巻き込まれて危機に陥り、救助に向かうべく主人公の少女が腹をくくってデッキブラシにまたがる場面が佳境。魔力を持つ人も普通の人も、悩みながら強くなるのだと分かる映画である。
元稿:東京新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【筆洗】 2024年02月10日 07:10:00 これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。
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