路地裏のバーのカウンターから見える「偽政者」たちに荒廃させられた空疎で虚飾の社会。漂流する日本。大丈夫かこの国は? 

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【論説・10.10】:衆院が最短解散 内閣の何を判断するのか

2024-10-11 07:06:50 | 【選挙・衆院選、参院選、補選・都道府県市町村長・地方議会・公職選挙法・買収事件】

【論説・10.10】:衆院が最短解散 内閣の何を判断するのか

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【論説・10.10】:衆院が最短解散 内閣の何を判断するのか 

 衆院が解散された。石破茂首相就任から8日後、現行憲法下では最短の解散であり、15日には衆院選公示が迫る。首相は「新内閣の信を問う」と言ったが、何をやりたい内閣なのかまだよく分かっていない今、国民は何を判断すればよいのか。

 首相が自民党総裁選で主張した重要項目は、短期間に次々と変化した。そもそも、憲法7条を根拠に事実上首相が解散を判断するやり方に石破氏は否定的だった。しかし総裁選で勝利したとたん、首相就任より前に解散を明言、総選挙日程も明らかにした。総裁選中に述べた「国会予算委員会の論戦で判断材料を提示した後の解散」を翻した。

 経済政策では、岸田前政権の政策を受け継ぐ構え。首相は利上げ容認が基本的考えとみられていたが「デフレ脱却を確実にする」と述べる機会が増えている。総裁選当選後に株価が下落した市場反応を踏まえた軌道修正といえる。また「2020年代に最低賃金1500円」については、具体的道筋はまだ不明だ。

 外交・安全保障関係では総裁選で訴えた「アジア版NATO」「日米地位協定見直し」を首相就任後に封印した。衆院代表質問で封印の理由を問われ「総裁選では一議員としての考えを話した」と答弁。議論の積み重ねあっての主張ではないと認めた。公約を引っ込めた形だが、アジア版NATOは集団的自衛権にかかわるもの。構成する国々はどこか、仮想敵国をどう考えるかなど、既に海外から懸念を招いた可能性がある。首相は国際的に説明を求められるのではないか。

 政治改革では自民党の公認問題に焦点が当たるが、本来は政治資金規正法の再改正が議論の本筋だ。臨時国会で掘り下げるには予算委が不可欠だったが、その機会は設けられなかった。

 26年度までに防災庁を設けるとの主張に関しては、事前防災の充実が期待されるが、ほかに目につく具体策は乏しい。首相肝いりの地方再生も、交付金倍増を表明したものの詳細はよく分からない。

 一方、野党第一党の立憲民主党の公約をみると、自民との違いとして「再生可能エネの発電割合を50年に100%」「日銀物価安定目標を、2%から0%超へ変更」などが目を引き、この辺りが争点になる可能性がある。ただ、仮に物価上昇率が0%近くになれば年金生活者への恩恵が生じるが、デフレに逆戻りする懸念が大きいことには注意がいる。

 いずれにしても石破首相は自らが口にする「判断材料を国民に示す」を早急に実行しなくてはならない。多くの持論を封印してでも首相が何をしたいのか。しっかり明示してもらいたい。

 元稿:福井新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【論説】  2024年10月10日  07:30:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。


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