【安倍首相】:緊急事態宣言の全国拡大 17日の記者会見で語った冒頭発言全文
『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【安倍首相】:緊急事態宣言の全国拡大 17日の記者会見で語った冒頭発言全文
安倍晋三首相は17日、首相官邸で記者会見した。首相の冒頭発言全文は以下の通り。
◇闘い支えるすべての皆様に心より御礼
【新型コロナ 感染した?と思ったら…】
緊急事態宣言を発出してから10日がたちました。この間、毎朝、店を開き、食料品など生活必需品を棚に並べてくださっている皆さんがいます。レジの対応をしてくださっている皆さん、そしてモノの流れを絶やすことのないよう、昼夜を分かたず、配送に携わっている皆さんがおられます。緊急事態の中にあっても私たちの生活を守るために事業を、営業を継続してくださっている皆様に心より感謝申し上げたいと思います。
高齢者の介護施設や保育所などでは多くの職員の皆さんが感染予防に細心の注意を払いながら必要とする方々のため、事業を続けてくださっています。
電力やガス、水道の供給、ごみの収集焼却、鉄道の運行、こうした社会インフラがしっかりと維持されなければ、私たちの生活は成り立ちません。そのために日夜、がんばってくださっている皆さん、こうした皆さんの存在なくして、私たちは長期にわたるこのウイルスとの闘いに、打ち勝つことはできません。目に見えない恐ろしい敵、との闘いを支えくださっているこうしたすべての皆様に心より御礼を申し上げます。
◇感染者数減少せず大変厳しい状況
そして人と人との接触を最低7割、極力8割削減するとの目標の実現に向けて、外出自粛の要請に応えてくださっている国民の皆様に改めて感謝を申し上げます。事業者の皆さんにも在宅勤務を原則とするなど、多大なご協力をいただいています。しかし、1日あたりの新規の感染者数は、まだ減少にはいたっていません。東京都では本日、過去最高の200人を超える感染者の報告がありました。たいへん厳しい状況です。都市部の平日の人出は、感染拡大前と比べて東京の渋谷周辺では6割程度、大阪の梅田周辺では7割程度、減少していますが、いまだ目標のレベルには達していません。最低7割、極力8割の接触削減を実現できないかぎり、1日あたりの新規の感染者数を大きく減少に転じさせることは困難です。累積の感染者数は東京都ではすでに3000人に迫っています。大阪府でも1000人を超えました。各地で軽症者の皆さんにホテルなどで療養していただく取り組みも進んでいますが、医療現場からは悲鳴もあがっています。
守る、守れる命も、守れなくなる。感染リスクと背中合わせのなかで、現場の医師や看護師の皆さんの、肉体的な、精神的な負担は限界に達しています。
皆さんに改めてお願いいたします。どうか、外出を控えてください。できる限り人との接触を避けてください。そのことが医療現場を守り、多くの命を守ることになります。ひいては皆さんや皆さんの愛する人たちを守ることにつながります。すべては私たち、ひとりひとりの行動にかかっています。
◇緊急事態宣言は5月6日まで
昨日、緊急事態宣言の区域を7都府県にとどまることなく、日本全国へと拡大することといたしました。尾身(茂)会長をはじめ、諮問委員会の専門家の皆さんから賛同をいただき、政府対策本部において決定したものです。
足元では全国各地でクラスターとよばれる集団感染が確認されるようになっています。これについては3月の3連休における緩み、都市部から地方への人の移動が全国に感染を拡大させた可能性があるというのが、専門家の皆様の分析です。また東京都や大阪府など7都府県ではすでに、知事による休業要請が進む中で、一部に「コロナ疎開」とよばれるような外の地域への人の動きがみられるとの指摘があります。
まもなくゴールデンウイークをむかえますが、感染者が多い都市部から地方へ人の流れが生まれるようなことは絶対に避けなければならない。それはもっとも恐れるべき事態である全国的かつ急速なまん延を確実に引き起こすことになります。先週の記者会見でも申し上げましたが、地方には重症化リスクが高いといわれる高齢者の方々がたくさんいらっしゃいます。その感染リスクが高まれば地域医療に大きな負担になり、ひいては国民生活、および国民経済に甚大な影響を及ぼす恐れがあります。
こうした事態を避けるため、大型連休に先立ち、それぞれの地域で観光施設への休業要請も必要となるでしょう。人の流れを、人の流入を防ぐため、各地域が所要の緊急事態措置を講じることができるよう、今般、緊急事態宣言の対象を全国に拡大することとしました。そのため期間についてはこれまで同様、ゴールデンウイークが終わる5月6日までといたします。
あと20日間、日本全体が一丸となってこのウイルスとの闘いを闘い抜いていく。全国の都道府県と手を携えて、皆さんの健康と命を守るため、あらゆる手段を尽くしていきたいと考えています。
◇一体感のため一律10万円を給付
今回、緊急事態宣言を全国に広げ、すべての国民の皆様にご協力をお願いします。感染症の影響が長引き、すべての国民の皆様が厳しい状況に置かれています。長期戦も予想されるなかで、ウイルスとの闘いを乗り切るためには、なによりも国民の皆さまとの一体感が大切です。国民の皆様とともに乗り越えていく。その思いで、全国すべての国民の皆様を対象に、一律に1人当たり10万円の給付を行うことを決断いたしました。
収入が著しく減少し、厳しい状況にあるご家庭に限って1世帯あたり30万円を給付する措置を予定していましたが、国民の皆様から寄せられたさまざまな声、与野党の皆様の声も踏まえまして、さらに給付対象を拡大することといたしました。これに伴って現金給付の総額もこれまでの6兆から14兆円を上回る規模へと大幅に拡大することとなります。
◇混乱を招き心からおわび
補正予算の編成をやり直すこととなるため、さらに1週間程度の時間を要することとなりますが、速やかな国会成立に向けてご協力をお願いしたいと思います。ここに至ったプロセスにおいて、混乱を招いてしまったことについては、私自身の責任であり、国民の皆様に心からおわびを申し上げたいと思います。日々、事態が大きく推移する中で、国民の皆さんの健康と暮らしを何よりも最優先に、そして国民の皆さんの声にしっかりと耳を傾けながら常にベストな判断をするように最善を尽くしていく。その責任をこれからも果たしていく決意であります。
元稿:毎日新聞社 主要ニュース 政治 【政局・首相会見・新型コロナウイルスの感染拡大に伴う施策】 2020年04月18日 00:31:00 これは参考資料です。転載等は各自で判断下さい。
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