路地裏のバーのカウンターから見える「偽政者」たちに荒廃させられた空疎で虚飾の社会。漂流する日本。大丈夫かこの国は? 

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《余録・12.13》:能の演目にもなった源頼政のヌエ退治…

2024-12-14 02:01:30 | 【国会(衆議院・参議院・議運 ・両院予算委員会他・議員定数・「1票の格差」...

《余録・12.13》:能の演目にもなった源頼政のヌエ退治…

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:《余録・12.13》:能の演目にもなった源頼政のヌエ退治…

 能の演目にもなった源頼政のヌエ退治。頭はサル、胴はタヌキ、尾はヘビ、脚はトラというキメラのような妖怪を射止めた。出典の平家物語にはその後、やはりヌエの名の怪鳥を退治した話も出てくる

迫力ある立ち居振る舞いで「鵺(ヌエ)」を演じる十世片山九郎右衛門=岐阜市の市民会館で

 ▲「目ざすとも知らぬやみ」に包まれた夜、見事に仕留めた。目を刺されてもわからない闇夜とも、目当ても見つからない暗闇とも解釈される。古くは「目ざす」単独よりも「目ざすとも知らぬ」の形で使われることが多かったという

 ▲こちらは無論「知らぬ」とのセットではあるまい。自民、公明、国民民主の3党幹事長が所得税の「年収103万円の壁」について「178万円を目指して来年から引き上げる」と明記した文書に署名した

衆院予算委員会で2024年度補正予算案が可決し、立憲民主党の山井和則野党筆頭理事(左端)に声をかける石破茂首相(右手前から2人目)。右手前は加藤勝信財務相=国会内で2024年12月12日午後0時48分、平田明浩撮影

 ▲今では目標の意味が定着した「目指す」だが、ニュアンスは微妙。新明解国語辞典には(1)最初からそのものだけを目あてとする(2)「志向する」意の和語的表現――とある。国民民主が(1)と考えても自民は(2)が本音かもしれない

 ▲少数与党下の国会で自民が立憲民主党の修正要求も受け入れて補正予算案が衆院を通過した。自民1強時代には見られなかった政治状況だ。水面下の取引もあるのだろう。だが数合わせや政治的打算だけが先行するのでは熟議と程遠い

 ▲主張が一定せず、とらえどころがない政党や政治家は正体不明のヌエに例えられてきた。そんなヌエ的存在ばかりが増えても困る。国民に顔を向けた政策論議を重ね、互いに相手の主張に耳を傾けて妥協点を探る、伯仲してこその国会を見たい。

 元稿:毎日新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【余録】  2024年12月13日  02:06:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。


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