【主張】:男女平等125位 低迷の日本 政治の責任が重大
『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【主張】:男女平等125位 低迷の日本 政治の責任が重大
世界経済フォーラムが21日、各国の男女平等の達成度を示す「ジェンダーギャップ指数2023年版」を公表しました。日本は前年の116位からさらに順位を下げ、146カ国中125位でした。政治分野は138位、経済分野は123位と世界で最低クラスです。男女平等の達成度は64・7%でした。主要7カ国(G7)の水準に遠く及ばないだけでなく、開発途上国や軍政国家を含む東アジア・太平洋地域の中でも最下位という、不名誉な位置にあります。
■17年間ほとんど進歩なく
同指数が初めて発表された2006年、日本は115カ国中80位、達成度は64・5%でした。達成度でほとんど進歩がありません。23年版の日本の順位は過去最低です。他国が男女格差の是正を進める中で、日本が17年間、この課題を克服できず、大きく立ち遅れてきたことは深刻です。
その責任は、あげて政治にあります。日本は、女性差別撤廃条約を1985年に批准しています。しかし、歴代の政権は「男女共同参画」や「多様性の尊重」などを言いながらも、本気で男女格差の是正、ジェンダー平等に取り組んできませんでした。
日本では今、経済の停滞、出生数の減少、外国人や性的少数者に対する人権保障の弱さなど、課題が山積みです。これらの問題の根底には、ジェンダー不平等の社会構造があります。
昨年の国会で、日本共産党の大門実紀史参院議員(当時)は、ジェンダー平等が進んでいる国ほど1人当たりの労働生産性も高く、経済成長していることを指摘しました。国際通貨基金(IMF)のリポートも「男女格差の解消は成長の推進力」と記載しています。日本の男女賃金格差はG7で最悪で、格差解消は待ったなしです。
少子化についても同様です。今年4月に発表された「世界人口白書2023」は韓国や日本で出産をためらう女性の声を紹介し、「職場と家庭でのジェンダー不平等、共働き家庭への構造的な支援の欠如という三位一体が低出生率の国の特徴だ」と述べています。
岸田文雄首相は、育休中の女性のリスキリング(学び直し)を打ち出すなど、女性や子育ての実態を理解していません。世界では男女半々の議会や内閣を目指すのが当たり前なのに、自民党の茂木敏充幹事長は「今後10年で党所属国会議員を30%に増やす」と、あまりにも悠長です。
同性婚の法制化や選択的夫婦別姓制度の導入も「伝統的家族観を壊す」との主張に押され、実現を阻まれています。背景には、明治憲法下での家父長制、男尊女卑の家族制度を美化し、それにしがみつく政治勢力の存在があります。
■市民の行動と国民の議論
日本共産党は、綱領にジェンダー平等を掲げ、その推進に真剣に取り組んできました。21年の総選挙後だけでも、ジェンダーに関する国会質問は100回を超えます。国会で党の議席が増えれば、さらに質問時間を増やせます。
ジェンダーギャップ指数が14年連続1位のアイスランドでは、市民の行動と国民の中での繰り返しの議論が、社会を変える原動力になりました。日本でもジェンダー平等に本気で取り組む政治を実現するためにご一緒に力を合わせましょう。
元稿:しんぶん赤旗 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【主張】 2023年06月25日 04:15:00 これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。
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