【天風録・11.17】:コアラ40年と温暖化
『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【天風録・11.17】:コアラ40年と温暖化
カープの鬼門とされる中日の本拠地に出没する球団マスコットがドアラだ。名物のバック転などファンサービスに感心してきたが、元祖の珍獣コアラは見たことがなかった。名古屋市の東山動植物園を先週訪れ、対面した
▲ふかふかの耳に丸い目。親善のためオーストラリアから初代の2頭が来園して40年、今は11頭がいる。日中の大半は寝るらしいがユーカリをもぐもぐ食べたり、木々を歩いたりと意外に活発だ。動くたび歓声が上がる
▲歴代飼育員の苦労のおかげだろう。ここで生まれた38頭が元気に育ち、各地の園にも旅立った。欠かせないユーカリの安定栽培も確立し、東山ファミリーは種の保存では優等生なのだが
▲母国ではコアラ絶滅の危機が深刻さを増す。今は30万頭以下と、40年のスパンならほぼ半減。地球温暖化による干ばつ、山火事ですみかの森が失われたのも大きな要因だ。愛らしい姿を生で見て、何とかせねばと思う
▲気候変動はでっち上げ、と言い張るトランプ氏の米大統領返り咲きはコアラにも心配の種だろう。開催中の温暖化対策の世界会議も気勢が上がらない。もう人間様にはサービスするものかと珍獣たちは思い始めるかもしれない。
元稿:中國新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【天風録】 2024年11月17日 07:00:00 これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。
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