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危険なヴィジョン 1

2019年06月28日 | SF
SFとして危険なのか? 小説として危険なのか?
もしかしたら、当時のアメリカにおける出版コードに対する
「危険なヴィジョン」だったのではないかなあ。
エリスンの序文からは、そうともとれる。
だとしたら、現在の日本で読む意義はあるのだろうか。

「火星人が来た日の翌日」
野口幸夫→中村融
「紫年金の遊蕩者たち」→「紫綬褒金の騎手たち、あるいは大いなる強制飼養」
大和田始→山形浩生
「すべての時間が噴きでた夜」
野口幸夫→中村融

いくつかの作品で翻訳家が交替しているのは、
アップトゥーデイトにくわえて旧版の翻訳が伊藤典夫の意に満たなかったのでは。
旧版の訳者には申しわけないが、翻訳家が交替したフィリップ・ホセ・ファーマー「紫年金の遊蕩者たち」は
タイトルから大幅に変わり、読みやすくなったうえに話がちゃんと分かるようになって驚いた。
物語世界は悲惨であるにもかかわらず、キュートで心暖まる話だったんですね。
こっちが歳をとったせいもあるかも。
さらにスプーナリズム(E・クイーンで勉強しといてよかった)のオチ
(「フィネガンズ・ウェイク」を「ウィネガンズ・フェイク」)まで引っ張る力技を楽しませてもらいました。
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