CMLの記事(http://list.jca.apc.org/public/cml/2012-March/015491.html)で知りました。DIAMOND on lineのココ(http://diamond.jp/articles/-/16547)に4頁の記事のリンクあり。
FUKUSIMA原発人災を引き起こした、歴代自民党議員の責任について、なぜ自民党議員は口を閉ざすのか? それについてマスコミは黙り込むのか? 言葉は悪いが、くだらないことにはバカ騒ぎするのに、このことに触れないのはなぜだ。政府は冷温停止〝状態〟だというのだから、そして、〝収束〟したというのだから、ならば、東電幹部や、電力会社幹部は当然として、原子力ムラに従事してきた歴代自民党議員の責任を問うべき時期に来たのではないか? 小泉純一郎氏が自然エネルギーを唱えるなんて、御笑いである。中曾根(中曽根)氏らの責任を問うべき、その時期である。風見鶏ぶりを許してはならない。
『●どんだけ面の皮が厚いんだか!!』
『●Mr.風見鶏: 反原発をお前が言うか!?』
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【http://list.jca.apc.org/public/cml/2012-March/015491.html】
[CML 015654] 河野太郎のインタビューの紹介
・・・・・・
2012年 3月 13日 (火) 09:29:43 JST
・・・・・・。
立川の岩下です
河野太郎のインタビュー「電力行政の基礎をつくった自民党にも責任あり」が載っていますので転送・紹介します。
地域独占、発送電一体、総原価方式を決めた「責任」を、自民党・河野が率直に認めていることは当然です。
新味があるのは、計画停電の批判。趣旨は・・・
①大企業との需給調整契約は、「いざというときは電気を止める」という契約
(だから大企業は自家発電装置を持っている・・・岩下の注)
②代わりに電気代を安くしている・・・河野の調査で最安例は7円/kwhで一般家庭の1/3以下だという
(発電の原価レベルだ。電力会社は利益は一般家庭からむしり取っている ・・・岩下の注)
③だからまず大企業から停電にすべきで、「計画停電」は不要だった。
実際には超大口需要家の停電は行わなかったのは問題・・・という主張。
いま「原発がないと電気が足らず日本の産業がつぶれる」というデマが流されていますが、河野の需給調整契約に関するコメントは、デマの批判になっています。
・・・・・・。
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【http://diamond.jp/articles/-/16547に4頁の記事のリンク】
電力行政の基礎をつくった自民党にも責任あり
ウラで蠢く“電力族”はオモテに出て議論すべし
――河野太郎・衆議院議員インタビュー
自民党議員として長年、原子力などエネルギー政策について取り組む河野太郎・衆議院議員。震災直後の原子力事故対応の稚拙さについては菅政権を批判するが、その電力行政の基礎を作ったのは、半世紀以上にわたって政権を担ってきた自民党に一定の責任があると認めている。現在、党内でかつて自民党が深く関わった原子力行政の仕組みついて検証するプロジェクトチームを立ち上げ、そこでも厳しく自民党の取り組みを検証している。そんな河野議員に、東日本大震災から1年経って電力行政や事故対応について、次世代に申し渡すべき事項、電力システムをどう変革すべきかについて聞いた。
(聞き手/ダイヤモンド・オンライン編集部 片田江康男)
最低限やるべき
データ取得もできなかった
――震災によって引き起こされた原発事故について、どのように見ているか。
やるべきことはデータをきちんと取ることだった。それができなかったことは一番の反省点だろう。どれだけの放射線による汚染を、人間と自然に与えたのかをきちんと把握するべきだった。そもそも起きてはいけない事故で、そのこと自体反省すべきだが、記録を取ることさえもできなかった。極めて不完全だった。
記録が取れれば、放射能の怖さや知見を後世に残すことができた。極めてお粗末な対応で、教訓としてそれも残すことができなかった。教訓さえも得られていないというのが、一番ダメな点だ。
スピーディ(SPEEDI:緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステム)によるデータが活用されないなど、政府による情報の公開も不完全だった。学者や原子力関係者は、「直ちに深刻な事態にはなりません」と言っていた。しかし、後になってみるとメルトダウンは起きているし、深刻な放射の汚染が広がっている。もう、国民は政府と原子力関係者の言うことなんて、まったく信用していない。信頼はゼロだ。
―― 原子力行政の仕組みを作ったのは、過去、政権を半世紀以上にわたって取っていた自民党だ。
地域独占、発送電一体、総括原価方式等、こうした利権が今回の事故の温床だ。学者もメディアもみんなグルだった。原子力行政のトップである経済産業大臣は代々、自民党から出してきた。事故の対応は菅政権がマズかったが、そうした仕組みを作って来たのは自民党だ。これは誰も否定することはできない。
先日、自民党として長年取り組んで来た原子力行政の検証チームが立ち上がった。政治献金をいくらもらってきたか、そういったことを公開していくことが最初にやることだ。また、東京電力の副社長をやった人間を参議院で擁立候補として出して、彼に原子力行政の何をやらせてきたのかも検証する。
自民党としての提言はあるが
電力族の抵抗にあっている
――党内では、そうした検証チームの動きはどうみられているのか。
私は、昔からエネルギーや原子力について取り組んで来た。「原子力では変わっているよね」と言われ続けて来たが、昨年の3月11日で周囲はまったく変わった。今は電力システムの改革派と守旧派でせめぎあっている。去年までは私一人だった。驚天動地変わっている。
しかし、抵抗はある。自民党としては原子力規制庁は完全に独立した形で設置すべきだと言っている。自民党として、電力行政全体の案もまとめたのだが、これの発表は守旧派の抵抗で止まってしまっている。
――その抵抗には、どう対処するつもりか。
電力族がウラで動いている。オモテに出てこないんだよ。これは執行部の力で、なんとしてもオモテで正々堂々議論しようということにしなければならない。
――今後、原子力行政はどう変わるべきか。
まず、電力業界の根本を変えることだ。独立した送電網の確立、総括原価方式の撤廃、地域独占もやめる。電力業界を普通の業界にしなければならない。
民主党は環境省に原子力規制庁を作ると言っているがまったく理解できない。環境省は「地球温暖化対策で原発を」と推進していた。その下に規制庁をつくってしまっては、経済産業省のなかに、推進役のエネルギー庁と規制役の原子力安全・保安院があった構図と一緒だ。どうして、それで原子力行政が変わるのか。完全な独立した組織を作ることは、IAEAのスタンダードなんですよ。
――河野議員は早くから計画停電は必要なかったと言っていた。
去年の計画停電はまったく必要なかった。計画停電で信号が止まって、その影響で交通事故による死亡者が出ている。これはほとんど殺人だ。
計画停電しなければ電力が足らない、だから原発の再稼働が必要だ、となる。こうした動きをたださないといけない。
需給調整契約は、「いざというときに電気を止めますよ。だから安い単価でいいですよ」というものだ。しかし今回、私が調べたところ、需給調整契約は実行されていない。需給調整契約で、私が聞いた中で一番安い料金は、1kW/hあたり7円というのがあった。普通の家庭の三分の一以下だ。
ところが、計画停電で、需給調整契約を結んでいるところと一般家庭を同じように扱った。なかには混乱を避けるために、需給調整契約を結んでいながら超大口需要家は計画停電の範囲から外している。こんなこと、ありえないでしょう。本来なら、安い単価で電気を使っているんだから、需給調整契約を結んでいるところから切っていくのが筋だ。
自由化と言っておきながら
中部電力は都庁に電力供給しない
――守旧派は、電力市場は自由化されていると反論する。
「自由化されていて、相対取引だから需給調整契約の電力単価は公表できない」という言い訳に使われている。
また、自由化と言っておきながら、東京都が中部電力に電力供給を要請しても、中部電力と東京電力のテリトリーを超えた入札はいっさいやらない。
福田内閣のころ、自民党で事業仕分けをやった。そのとき、北海道の刑務所や東北刑務所、東京刑務所のワンパックにして、いくらになるか入札をすべきだということを提案した。複数の電力会社をまぜこぜにして、入札するということだ。そうしたら、電力族がでてきて、それはダメですと。あっさり、提案は却下された。
――電力族は産業界、政界に深く根を張っている。
紛争審査会も、日本エネルギー法研究所から委員が来ている。こうした団体にはかなりのカネが電力業界から流れているはずだ。電事連もそう。しかし、両団体は任意団体だから、財務内容がわからない。今後の電力行政を考える場にそうした人たちが来ていていいのか。彼らは完全に癒着している。
――発送電分離の議論はどのように見ているか。
発送電分離はあたりまえだ。電力利権に事故の原因があることは、国民のだれもがわかっているはずだ。所有権分離にまで踏み込むのは当然だ。そうでなければ、分離にならないでしょう。
社内カンパニー制にすることはまったく意味がない。体質がそもそも問題なのだ。福島第一原発でおきた臨界事故を28年間も隠していた会社ですよ、東京電力は。
――東京電力はどうすべきだったのか。
今のようにゾンビ企業にしないで出直させるべきだった。だいたい、資本主義の世界で、当時官房長官だった枝野氏は特定の会社を取り上げて破綻させないと言った。こんなことがあっていいのか。しかもその会社の株は、市場で自由に売り買いされている。
知り合いの中小企業のオヤジさんたちは「じゃあ、うちの会社も破綻させないっていってくれよ。なんでもやるよ」と笑っている。
立地自治体の財政問題は
原発誘致時からわかっていたこと
――今後の電力供給体制はどのようにあるべきか。
一番簡単なのはコンバインド・サイクルの天然ガスによる発電所を増やすことだ。二酸化炭素を大量に排出する石炭火力は減らすべきだ。原子力発電に関しては、何基再稼働が必要なのかを政府は示す必要がある。いずれにしても、電力会社や電力供給システムの改革を行うことが、なによりも先だ。
――原発の立地自治体は財政の半分程度を原発マネーに頼り、雇用も頼っている。日本では今後、原発は減っていく。立地自治体は困難に直面する。
少なくとも原発の雇用が廃炉の雇用に変わることになる。原発が止まるからといって、すぐに雇用がなくなることはない。
地方財政と経済の中心となっているのは分かる。しかし、原発マネーを何に投資するかを決めて来たのは、地元の首長であり議員であり、その人たちを選んだ住民達だ。電源三法交付金は、使い道が決まっているから柔軟な使い方ができないと言ったって、それははじめから分かっていたことだ。将来につながる投資ができなかった、ということだ。もっとも、これは原発立地自治体すべてに共通する問題だ。
こういう原子力の制度を設計したのは自民党だ。もし、国民の皆さんに自民党が政権を取ったら、これまでのような原子力行政を続けると思われていたら、自民党は政権を取ることはできないだろう。電力、特に原子力行政については社会保障や消費税と並ぶ争点となっている。
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WP『小出裕章(京大助教)非公式まとめ/京大原子炉実験所助教 小出裕章氏による情報』(http://hiroakikoide.wordpress.com/)に出ていた記事(http://hiroakikoide.wordpress.com/2012/01/10/tokyoshinbun-jan1/#more-2779)。
懲りずに原発推進の旗を振る者達がまだ蠢いている。東京電力原発人災以来、地下に潜っていた者たちが、近頃は、堂々と地表に出て来て、やれ原発再稼働だ、原発工事再開だ、原発輸出だ、と〝オラビ散らかして〟いる。指摘するまでもなく、ストレステストなどという茶番でお茶を濁し、お金(マネー)儲けのために原発を再開しましょ~うョ、と『暗闇の思想』派に精神的ストレスを与え続けている。
そんな懲りない推進派でさえへもが、近ごろ、小出裕章さんを無視できなくなっているようだ。廃炉に向けてのボディーブローがジワジワと効き始めていると信じたい。
記事中の「活躍は「小出ブーム」といっても過言ではない」とか、「ネット上にはファンサイト」というのは、東京新聞の記者も見誤っていると思う。武田邦彦氏じゃあるまいし。
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【http://hiroakikoide.wordpress.com/2012/01/10/tokyoshinbun-jan1/#more-2779】
1月9日 今までにない広がりで原発を考えてくれるようになった。ここまで来たんだから、今度こそは止めたい 小出裕章(こちら特報部)
2012年1月9日(月)、東京新聞の「こちら特報部」が小出裕章氏を扱った記事を掲載しました。
※コメント欄にてしんちゃんさまより教えていただきました。ありがとうございました。
以下転載。
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1月9日(月) 東京新聞 「こちら特報部」の記事を転載します。(1)
「脱原発のココロ」
ー「ムラ」も無視できぬ存在ー
昨年10月30日、東京都港区のJR浜松町駅近くの喫茶店。京都大学原子炉実験所助教の小出裕章(62)は約2時間、日本原子力学会会長で東京大学大学院教授の田中知(61)らと向き合った。
東京電力福島第一原発事故後、原発の危険性を訴え続けて40年の小出は「不屈の研究者」として広く知られるようになった。一方の田中は、原発を推進することで互いに利益を得る企業や研究者の排他的集団「原子力ムラ」の中心人物だ。
「原子力の学問をどうしたらいいか」と問われた小出は諄々と説いた。
「原子力を推進するような学問はすべてやめるべきだ。ただ、今回の事故処理、
使用済み核燃料、各原発の廃炉の問題などが残ってる。これらの負の遺産を
乗り越えるための専門家を育成する必要がある」
面談を申し入れたのは田中側だ。小出は多忙を理由に一度は断るが、再三の申し入れに根負けし、上京した際に時間をつくった。
田中は、面談の狙いについて「東大グローバルCOEの活動の一環で、いろんな人の意見を聞いている」と説明する。グローバルCOEとは、大学院の先端研究拠点を文部科学省が重点支援する事業のこと。田中らの拠点の名前は「世界を先導する原子力教育研究イニシアチブ」だ。小出の主張は届いたか。田中は「今はノーコメント。シンポジウムなどで成果を公表する機会はあるかもしれない」と言葉少なだ。
小出自身もかつては原子力学会に所属していたが、30年前、関西電力の副社長が会長に就任したのを機に脱会した。学会誌から名指しで批判され、小出の反論文を載せる載せないでもめたこともある。いわば因縁の相手だ。
小出は皮肉まじりに田中らの意図を推し量る。
「東大は原子力を推進してきた学問の中心、学会は安全神話一辺倒の集まり。
私のことは無視すればよかったが、事故が起きてからは、そうもいかなくなった。
彼らも、ものすごい危機感を感じている。懲りずに推進の旗を振ろうとするだろうが、
少なくとも私の意見も聞いたという形を作らざるを得なくなった」
「こちら特報部」は福島事故発生翌日の昨年3月12日、いち早く小出に電話取材した。小出は「政府や電力会社の説明はウソだった。もういいかげん、原発はやめろと言いたい」と声を荒げた。4月9日の特報面では単独インタビュー記事を掲載した。
ー講演の参加者急増1000人規模ー
その後の活躍は「小出ブーム」といっても過言ではない。
毎週末は講演で全国各地を飛び回る。既に3月末まで予定はいっぱいだ。事故前も月に2、3回は講演をこなしていたが、参加者は十数人、多くても100人程度。それが事故後は千人規模も珍しくない。講演内容などをまとめた「小出本」は16冊も発行され、ネット上にはファンサイトも登場した。マスコミの取材は引きも切らない。
「とてつもなく忙しくなった。自分の仕事も手が付けられない状態だ」
助教は昔で言うところの助手。事故前まで、助手よりも教授の方がありがたがられた。それが一転、事故を過小評価した「御用学者」の権威は失墜。放射能の恐怖におびえる人たちは、小出の言葉に救いを求めた。ついには、原子力学会会長までが「小出詣で」に出掛けたのだ。
<デスクメモ>
厚遇されないとわかっていても、自ら正しいと信じる道を歩む。そういう生き方はなかなか実践できるものではない。まして、それを貫こうとすればなおさらだ。しかし、清貧さなくして、心理は探求できるものなのだろうか。”万年助手”を良しとする科学者には、確かに「ムラ」は似合わない。
「今度こそ止めたい」
ー「収束宣言」でも事故は進行中ー
自身は「小出ブーム」をどう見ているのか。
「事故を引き起こした東京電力と政府は犯罪者だ。犯罪者が自らの罪を
きっちり言うことなどあり得ない。小さく、小さく見せようとする。情報は隠す。
それは3・11から今日まで全く変わっていない。だから私のような人間の話を
聞きに来る。ありがたいとは思うが、こんなことにならなければ良かったと思う」
英雄視されることを極端に嫌う。
「運動の指導者になれとか、もっと政治とコンタクトを取れとか、さまざまなことを
言ってくる人がいるが、政治もヒーローも大嫌いだ」
事故後、原子力政策や再生可能エネルギーに関する政府の審議会や委員会のメンバーに、原発に批判的な学者が起用されるようになったが、小出は「あまり興味がない。私には声はかからないし、かかってもやらない」と素っ気ない。
”万年助手”の清貧な雰囲気に変化はない。大阪府熊取町の京大原子炉実験所研究室は昼なお暗く、エアコンは「スイッチを入れたことがない。たぶん壊れている」。学内には「御用学者」のレッテルを貼られた教授もいるが、
「そういう人たちは私とすれ違う時は横を向いている。事故後も相変わらずだ」。
1979年の米スリーマイル島事故、86年の旧ソ連チェルノブイリ事故、99年の東海村臨界事故・・。大事故のたびに反原発運動は盛り上がるが、いずれも尻すぼみに終わってきた。今度こそ勝てるのか。原発を止められるのか。
「今までにない広がりで原発を考えてくれるようになった。ここまで来たんだから、
今度こそは止めたい。でも、政府や電力会社の圧倒的な力の前に、
私は負け続けてきた。今、この戦いに勝てるのかと問われれば、大変不安だ」
首相の野田佳彦は昨年12月16日、「事故収束」を高らかに宣言した。政府と電力各社は、原発の再稼働をあきらめていない。
「事故は進行中だ。溶けた核燃料は原子炉格納容器の底を突きぬけているかもしれない。
東電の発表によれば、格納容器床面のコンクリートを最大65センチ溶かしているが、
外殻の鋼鉄まで37センチ余裕があるという。これは単なる計算にすぎない。
仮定の置き方で答えはいくらでも変わる」
「火力発電所と水力発電所があれば電力は足りるのに、政府と電力会社は
毎日のように「停電するぞ、節電しろよ」というウソの宣伝を流し続けている。
多くの人が、まただまされようとしているように感じる」
ー「何かしたい」思いを行動にー
「収束宣言」の翌日、北九州市内で小出の講演会が開催された。ある女性が質問した。
「3・11以来、何かしなければいけないという気持ちがあったが、何もしていない。何かできますか」
小出はこう答えた。
「こういう集会に行くと「どうしたら原発をなくせるか」と聞かれるが、
知っていればやっている。私は、原子力の学問の場にいる人間として
やらなければならないことを続ける。歌のうまい人は歌えばいい。
署名もデモも一つの手段だ。これだけは自分がやりたいと思うことを、
皆さんがやるようになった時、原発は必ず止まる」
(敬称略、佐藤圭)
==以上、転載おわりです==
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CMLより(http://list.jca.apc.org/public/cml/2011-October/012162.html)。また、化石賞まで受賞したという、これもCMLの記事(http://list.jca.apc.org/public/cml/2011-October/012234.html)。
「欠ける」ということは少しぐらいは内省したということ。本当かな? トイレの〝無い〟マンション、ブレーキの〝無い〟車と同じで、内省の〝無い〟国が正解かな? 海外の見る目の厳しさにさへ、気づいていない。
「日本は作業部会で、「途上国で原発を造った場合も、CDMの対象とすべきだ」と求めたという」、呆れた! 一体どんな神経をしてるんだか!! 「「国民に途方もない苦難をもたらした技術を途上国に輸出し、見返りに排出枠を得ようとしている。不適切かつ無責任で、道徳的に誤っている」と、批判」されたそうだ。恥ずかしくてしょうがない、全く・・・・・・。FUKUSIMAでの原発人災後に、「「わが国として従来言ってきたことを今回も言ったということだ」と言及」した細野豪志環境相の自覚の無さにも呆れかえるばかり。
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【http://list.jca.apc.org/public/cml/2011-October/012162.html】
[CML 012300] 【茨城新聞】 「原発を考えるインタビュー 村上東海村長 極めて内省に欠ける国」
・・・・・・
2011年 10月 1日 (土) 16:54:58 JST
良い記事です。地方紙や全国紙の地方面が大手新聞よりよほどまともな報道をしています。
「-最後に、今後の日本のエネルギー政策への提言を。
エネルギー消費を減らして経済のスピードを落とし、思い切って自然エネルギーの導入に向けて政策誘導すればいい。自然エネルギーはこれまで、政府が後押しした電力会社が壁となり入り込めなかった。自然エネルギーに対する助成を、新しい技術開発に向けた投資だと思ってやったらいい。ドイツがやると言っているのに日本でできないわけがない。あとは政治家の決断だ。」
【茨城新聞】2011年10月1日(土)
原発を考えるインタビュー 村上東海村長 極めて内省に欠ける国
-2度の原子力事故を目の当たりにして思うことは。その教訓とは何か。
JCO臨界事故も慢心が招いたもので、この国はいつまでも反省しないという印象だ。利益を追求するあまり、原発推進を「国策だ」と言い続け、安全神話を作るなど、極めて内省に欠ける国だということ。JCO臨界事故の時も思ったが、今回も案の定だ。何にも学んでいない。福島第1原発事故の初期対応を見ても、何という国だと思った。
-国の原子力政策、エネルギー政策をどう見るか。震災と福島第1原発事故で見えてきた日本の電力供給の問題点とは。
日本は地震多発地帯で、1900年からの100年間でM8以上の地震回数は世界一という報告がある。そんな国に54基も原発を置いていいのか。正気の沙汰とは思えない。しかし、日本は原子力推進そのものがエネルギー政策で、自然・再生可能エネルギーの発展を封じていた面がある。原発は炭酸ガスを出さないから環境にいいと言い、放射能・放射線の問題にはふたをして、原発の後処理も後世に先送りしてきた。それはまさに、哲学なきエネルギー政策だという気がする。
-「脱原発」は可能か。日本における再生可能エネルギーの可能性は。普及を進める鍵は。
福島第1原発事故を起こした以上、日本は脱原発について真剣に考える義務がある。脱原発を追求しなければならず、できるできないはその次でいい。自然エネルギーについても、ドイツやデンマークなどは既に取り組んでおり、技術開発も進んでいる。日本でも可能性はある。日本人の勤勉さやこれまで蓄積した技術からみても可能だろう。世界最高水準になれると思う。あとは政府のやる気次第だ。
-東海第2原発の再稼働をどのように判断するか。
私は、福島のように全村避難して戻れないとか、東海村が地図上から消えていく、そういう事態にはしたくない。福島の事故で、国は避難した人たちをどう救済するのか。つまり、国がわれわれの安全を保障できるのか。そこが担保されない以上、判断はできない。
津波対策や非常用電源対策の強化だけでは十分ではない。福島第1原発事故の問題も明らかにしてもらわなければならない。ストレステストは、再稼働のための政治的方便ではないか。
それと安全規制体制をどうつくるのか。原子力安全庁の話は出ているが、さっぱり見えない。これも判断の鍵となる。(東海第2原発の再稼働は)今の時点ではまったくの白紙だ。
-最後に、今後の日本のエネルギー政策への提言を。
エネルギー消費を減らして経済のスピードを落とし、思い切って自然エネルギーの導入に向けて政策誘導すればいい。自然エネルギーはこれまで、政府が後押しした電力会社が壁となり入り込めなかった。自然エネルギーに対する助成を、新しい技術開発に向けた投資だと思ってやったらいい。ドイツがやると言っているのに日本でできないわけがない。あとは政治家の決断だ。
http://ibarakinews.jp/news/news.php?f_jun=13174534196411
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【http://list.jca.apc.org/public/cml/2011-October/012234.html】
[CML 012372] 【不名誉…今年すでに3回目!日本に「化石賞」】 授賞理由「地球温暖化対策を理由に、原発を輸出しやすい仕組みづくりを求めた」、気候ネット「今年3回目の受賞。確実に世界最多」、日本政府「気にしてません」⇒少しは気にしろ!
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2011年 10月 5日 (水) 14:33:33 JST
「化石賞は気候変動関連の国際会議の会期中にCANが選定。一度に複数国に対し贈られることもあるが、そのすべてを日本が占めた過去もあるなど、産油国と並んで受賞が多い不名誉な常連となっている。日本の環境NGO/NPO「気候ネットワーク」では「今年3回目の受賞。確実に世界最多だと思います」としている。
共同電によると、今回、授賞理由に挙げられたのは「地球温暖化対策を理由に、原発を輸出しやすい仕組みづくりを求めた」というもの。日本は6月6~17日にドイツ・ボンで開催された作業部会でも同様の理由で2度選ばれている。
⇒「細野豪志環境相は会見で、作業部会での日本の主張について「わが国として従来言ってきたことを今回も言ったということだ」と言及。環境省の地球環境局国際連携課国際協力室は「決定基準もよく分からないので気にしてません」と話した。」
⇒少しは気にしろ!
不名誉…今年すでに3回目!日本に「化石賞」
3日、中米パナマで日本政府への「化石賞」授与を発表する環境保護団体
Photo By 共同
中米パナマで開催中の気候変動枠組み条約の特別作業部会で、各国の環境保護団体でつくる「環境行動ネットワーク(CAN)」は3日(日本時間4日)、温暖化交渉で後ろ向きな姿勢をとった国に贈る「化石賞」に日本を選んだ。授賞理由は福島第1原発事故を起こしたにもかかわらず、原発輸出を促すような主張をしたとするもの。日本の受賞は今年すでに3度目。
化石賞は気候変動関連の国際会議の会期中にCANが選定。一度に複数国に対し贈られることもあるが、そのすべてを日本が占めた過去もあるなど、産油国と並んで受賞が多い不名誉な常連となっている。日本の環境NGO/NPO「気候ネットワーク」では「今年3回目の受賞。確実に世界最多だと思います」としている。
共同電によると、今回、授賞理由に挙げられたのは「地球温暖化対策を理由に、原発を輸出しやすい仕組みづくりを求めた」というもの。日本は6月6~17日にドイツ・ボンで開催された作業部会でも同様の理由で2度選ばれている。
二酸化炭素(CO2)など温室効果ガスの削減目標などを規定する「京都議定書」には、先進国が発展途上国などで行った事業に伴う温室効果ガスの削減分を自国の目標達成向けにカウントできる「クリーン開発メカニズム(CDM)」という制度を定めている。原発は発電段階でCO2を排出しないが、事故の危険性や放射性廃棄物などの課題があり、現行のCDM対象からは除外されている。
日本は作業部会で、「途上国で原発を造った場合も、CDMの対象とすべきだ」と求めたという。CANは、「国民に途方もない苦難をもたらした技術を途上国に輸出し、見返りに排出枠を得ようとしている。不適切かつ無責任で、道徳的に誤っている」と、批判した。
野田佳彦首相は原発への依存度を極力下げ、輸出については事故の検証も踏まえて対応すると発言。しかし、政府は事故後も一貫して、交渉で原発推進の意見を示したことになり、首相の方針との整合性が問われそうだ。
細野豪志環境相は会見で、作業部会での日本の主張について「わが国として従来言ってきたことを今回も言ったということだ」と言及。環境省の地球環境局国際連携課国際協力室は「決定基準もよく分からないので気にしてません」と話した。
▽化石賞 気候変動に関する国際会議の会期中、CANが各国の後ろ向きな発言を検証し選ぶ不名誉な賞。基本的に毎日選ぶが、該当者なしの日もあるという。また発言内容に応じ、その日の1位、2位、3位などランク付けした形で発表されることもある。賞の名称は、CO2を排出する化石燃料との意味や、考え方が古いとの意味が込められている。
[ 2011年10月5日 06:00 ]
http://www.sponichi.co.jp/society/news/2011/10/05/kiji/K20111005001758600.html
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いつも〝読学〟させて頂いているWP『小出裕章(京大助教)非公式まとめ/京大原子炉実験所助教 小出裕章氏による情報』(http://hiroakikoide.wordpress.com/)に出ていた記事(http://hiroakikoide.wordpress.com/2011/08/14/okinawatimes-aug13/)。関連する記事として、同所のこれ(http://hiroakikoide.wordpress.com/2011/08/14/ryukyushimpo-aug13/)とこれも(http://hiroakikoide.wordpress.com/2011/08/14/okinawa-aug13/)参照。沖縄での講演の映像のリンクは後者の方の記事にあります。
もちろん沖縄国際大学への米軍ヘリ墜落事件は知ってはいました。覚えてはいます。なぜ、米軍が現場を封鎖し、日本人や大学関係者、警察が締め出されるのかが不思議で、単なる〝番犬様〟米軍の傲慢さや沖縄差別の表れだとばかり思っていました。
その裏に、ストロンチウム汚染の問題があったなど、全く想像していませんでした。初めて知りました。当時、大きく報じられたのでしょうか? 迂闊でした。
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【http://hiroakikoide.wordpress.com/2011/08/14/okinawatimes-aug13/】
8月13日 米軍ヘリ墜落で放射性ストロンチウムが3.6マイクログラム消失 小出裕章(沖縄タイムズ)
2011年8月13日、沖縄タイムズが小出裕章氏に関する記事を掲載いたしました。
以下、転載。
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子の被ばくに警鐘 京大・小出助教
原子力発電所の危険性を指摘し続けている京都大学原子炉実験所助教の小出裕章さんが13日、「放射能と子どもたち」と題し西原町中央公民館で講演した。東日本大震災から5カ月がすぎ、東京電力福島第1原子力発電所の現状や漏れた放射能が子どもたちに与える影響などを説明。被ばく量基準値を上げる国を批判し「原発事故は進行中。微量の放射線量でも危険。細胞分裂が盛んで感受性の強い子どもたちを守るのが大人の責任」と強調した。同町図書館の主催。
全身被ばく量が2グレイ以上から急性死亡の確率が出始めるという。1990年の茨城県東海村の臨界事故を例に挙げ「亡くなった職員の1人は18グレイ被ばくしていた。これは、体温が千分の数度上がっただけのエネルギーだが、放射線は皮膚を突き破り、骨や細胞を傷つける」と説明した上で「細胞分裂の活発な子どもの時期に被ばくすると、傷を受けたままの遺伝情報が複製され、被害を受けやすくなる」と語った。
7年前の13日、沖縄国際大学に米軍ヘリが墜落した事故についても言及。防護服を着て放射線の測定や飛散防止処置を行う米軍の作業を写真で見せた。その時飛散した放射性物質ストロンチウム90について「米軍が発表した焼失量3・6マイクログラムは年間摂取限度の550人分。米軍は大学を封鎖し証拠を持ち帰った。日本の警察は米軍を守ったと言える」と話した。
米軍基地も原発も弱い所に押し付けている国の姿勢を指摘し「沖縄の基地問題と原発問題への向き合い方は同じ。米国に従うことが国益と言っている人は強くない。強い者に従うのではなく、優しく生きることが人の価値につながる。日本をまともな国にしよう」と呼び掛けた。
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WP『小出裕章(京大助教)非公式まとめ/京大原子炉実験所助教 小出裕章氏による情報』(http://hiroakikoide.wordpress.com/)に出ていた記事(http://hiroakikoide.wordpress.com/2011/07/05/mainichi-jul-4/)の一部。
小出裕章さんの研究室には、ゲルニカのほかに田中正造さんの写真も。
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【http://hiroakikoide.wordpress.com/2011/07/05/mainichi-jul-4/】
7月4日 田中正造は私が最も敬愛する人 小出裕章(毎日jp)
7月4日の毎日jpに小出裕章氏のインタビューの記事が掲載されていました。・・・・・・。
以下転載
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<特集ワイド>研究の前線で反原発 住民支える「異端」--京大原子炉実験所・小出助教
2011年7月4日(月)18:00
(※細長い自室に座る小出裕章助教。ついたてには田中正造の大きな写真が=大阪府熊取町の京大原子炉実験所で2011年6月27日、西村剛撮影)
◇リスク負うのは後世…犠牲少なくする責任ある
学者の良心とは何か――。福島第1原発事故は、すべての原子力研究者に問いを突きつけた。その一人でありながら、一貫して反原発の立場を取ってきた京都大学原子炉実験所(大阪府熊取町)の小出裕章助教(61)は今、何を思うのか。【宍戸護】
◇田中正造「もっとも敬愛する人」
暑い昼下がり、訪ねた研究室は薄暗かった。蛍光灯もエアコンもスイッチを入れていない。2人一部屋の真ん中をついたてで仕切られた細長いスペースで、小出さんは机に向かっていた。
「余計なエネルギーは使わない。皆さんぜいたくになり過ぎて、不要なものを使い過ぎています」
原子力の文献が山積みされて、記者が座るともう身動きがとれない。
小出さんの専門は放射線計測、原子力安全。愛媛県・伊方原発の設置許可取り消し訴訟で原告側証人となり、99年のJCO東海事業所臨界事故では土壌の放射線を測定し、別の争いでは地域のがん死者数の推計作業も行う――放射性物質の被害を受ける住民を支える活動をしてきた。
福島第1原発の事故後は新聞、テレビ、ラジオ、講演、あらゆる場で事態の深刻さや政府・東京電力の対応のまずさを指摘し続けている。6月に出版した「原発のウソ」(扶桑社新書)は20万部のベストセラーになった。いまや一分一秒を惜しむ忙しさだ。
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小出さんは東京都台東区生まれ。私立開成高校卒業後、1968年、東北大学工学部原子核工学科に入学。授業を一回も欠席しない学生だったという。
「あのころ、原子力は未来のエネルギーと信じていました。原爆のものすごいエネルギーを平和利用したいと思い込んでいました」
東大安田講堂事件をテレビで見た69年、宮城県女川町・石巻市にまたがる女川原子力発電所設置を巡り漁師たちが「電気は仙台で使うのに、なぜ自分たちの町に原発を造るのか」と抗議していることを知った。小出さんは原発のあり方について考え抜き、一つの結論にたどりつく。
「女川原発が事故を起こした場合、地元住民はそこに住み続ければ健康に害があり、健康に害がないようにすれば、その地域に住めなくなる」
その懸念は42年後、福島県で現実となる。
原子核工学科は、原子力発電を支えるための科学者や技術者を養成する場。「この学問は受け入れられない」と去っていった仲間もいたが、小出さんは「原子力の学問の中にいながら、原子力が抱える問題を指摘し続けるのが自分の歩む道」と決断した。
京大原子炉実験所が助手を募集していることを「大学院の掲示板で偶然知り」、74年春に採用された。そこには既に、反原発を唱える助手が4人もいた。原発関連の訴訟を支援し、のちに加わった今中哲二助教とともに「反原発の6人組」と呼ばれた。中国の文化大革命を主導した4人組になぞらえての揶揄(やゆ)だ。「反国家的な存在」ともささやかれた。
実験所は「原子炉による実験及びこれに関連する研究」を目的とし、全国の大学の共同利用施設として63年に設置された。反原発を掲げる小出さんらがなぜ残れたのか。
「ここの原子炉は、もともと中性子を出すための道具として造られた。物理学、化学、医学のがん治療にも中性子を使って研究したい分野があり、推進も反対も関係ないのです。とはいえ、教員の自由な意思を尊重し、学問を発展させる京都大学の校風もあったでしょうね」
長年、助教(助手)であることについては「(出身大学からしても)外様ですから」とやんわりかわしたが、研究者の「原子力村」への舌鋒(ぜっぽう)は鋭い。
「猛烈な選別があります。例えば東大ならば国家に協力しない人はダメ。その協力の度合いに応じて出世が待っているのです」
5月23日の参院行政監視委員会で、参考人として国の原子力政策を批判した小出さんは、インド独立の指導者、マハトマ・ガンジーの言葉「七つの社会的罪」を挙げた。うち二つは「道徳なき商業」と「人間性なき科学」。前者を東電、後者を自らも含めたアカデミズムに当てはめた。
「一人一人の人間が生きてきた歴史が根こそぎ壊れた。失われる土地、生活、健康を考えれば、これからも原子力が科学の進歩で何とかなるとは、私には到底言えない」
小出さんは静かに言った。
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ふと目の前にあるついたてを見ると、ひげをはやした老人の顔写真があった。足尾鉱毒事件の被害者救済に生涯をささげた明治時代の政治家、田中正造。
「私が最も敬愛している人です」
日本が列強入りを目指し、日露戦争に突き進もうとした時代。正造は、群馬・栃木県の渡良瀬川流域で起きた足尾銅山からの鉱毒公害を告発し、権力の横暴と闘った。明治天皇に直訴し、自らの命と引き換えに農民たちを救おうとしたことはあまりにも有名だ。
くしくも震災発生直前の3月8日、正造の晩年の直筆短歌が栃木県で見つかった。
<世をいとひ そしりをいミて 何かせん 身をすてゝこそ たのしかりけれ>
そしりを受けて世を恨んでも仕方ない。身を捨てて事に当たればこそ楽しいこともあろう――。
「正造さんは国家に見捨てられた農民に最期まで寄り添い続けた。亡くなる時も、自分の病気より鉱毒のことを気にして、住民を叱咤(しった)した。実に潔い生き方だと思います」
鉱毒と原発――。二つの出来事が時を超えて重なる。
「原発には都会が引き受けられないリスクがある。そのリスクを、都会の住人は社会的に弱い立場にある過疎地の人たちに押しつけている。仮に原発事故が防げても、原子力を使い続ける限り核のゴミ(放射性廃棄物)は増え続けるし、人間はそれを無毒化できない。私たちの世代は、自らの利益のために、選択権のない後世にその『毒』を押しつけているのです」
後世への責任。それは小出さんが常に強調してやまないことだ。
「原子力の場にいる私にも普通の人とは違う責任がある。そして、普通の日本人の皆さんにも責任はあると思う。推進派にだまされたかもしれない。でも、だまされた責任もあるはずです」
とすれば、やるべきことは何か。
「原子力を進めてきたのは大人だが、そのしわ寄せを受けるのは、おそらく子どもたちです。子どもたちの犠牲を何とか少なくするために、私は自分なりに責任を果たしていきたいのです」
この国の原発数は米仏に次ぐ54基。自ら「異端」と称する研究者は、これからの長く険しい闘いを覚悟しているようだった。
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THE JOURNALの高野論説に「原子力事故対応マニュアル」(http://www.the-journal.jp/contents/newsspiral/2011/04/post_752.html)という記事が出ています。長いので引用はしませんが、一読しておく価値があると思いました。
原子力発電についての、小出裕章さんによる古い資料(http://www.scribd.com/doc/52684311/%E6%84%9A%E3%81%8B%E3%81%AA%E6%A0%B8%EF%BC%9D%E5%8E%9F%E5%AD%90%E5%8A%9B%E5%88%A9%E7%94%A8)がリンク先にあります。2007年7月7日の学習会の資料文章のようです。タイトルは「愚かな核=原子力利用」です。「原子力は即刻やめても困らない」など、これまで紹介したYouTubeなどでのお話と共通するものが多い資料です。
さらに、少し時間が過ぎてしまいましたが、岩上安身さんによる小出裕章さんのインタビューの第2段(http://iwakamiyasumi.com/archives/8211)。第1弾はこちらに(http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/b4f689c5708ac4157ad72c84f4cb7dec)。
小出裕章助教(京大原子炉実験所) 2011年4月11日
【http://iwakamiyasumi.com/archives/8211】
本日のブログのタイトルは最悪を想定した上で議論をしておくべき、という趣旨。videonews.comのこの記事(http://www.videonews.com/on-demand/511520/001784.php)の趣旨と同様、大マスコミにはまったくそういった議論が無いことは大きな問題。本インタビューの中でもその話題が出てきます。ネット上に溢れる小出さんが発した情報は、マスコミでは全くと言っていいほど、取り上げられていません。
原子力工学の知識がなく、ブログ主の無知・誤解・間違いが予想され、以下は不正確・誤りを含む可能性のあるメモですが、印象に残った点をメモにしておきます。
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賛否両論で真偽は定まらないが、インタビューの主題は「再臨界」について。
いまや、「被爆無しの労働」は不可能。原発労働者は、労働時に皮膚をさらしたりせず、また、内部被爆を絶対に避けるべき。
圧力容器も漏れてるし、格納容器も漏れてる。後者の破損はどうしようもない。原発下部のサプレッションプールから汚染水をくみ上げて、格納容器そのものに循環させて、中途に熱交換器を設ける策を提案。冷却水のかけ流し、汚染水の垂れ流しにならないように、早く循環系・冷却回路の構築が必要。
岩上氏「破損が最悪の一歩手前の危機ならば、最悪の危機は再臨界でそれは破局を意味するのか」との問い? 一度止めたウランの核分裂が再度起こることが「再臨界」。「再臨界」の発生を疑わせる根拠の一つは、天然の塩素に中性子が衝突することでしか生成され得ないクロル(塩素)38が検出されたこと。その寿命は三十数分なので、3月の末に東京電力がその存在を公表しており、そのデータにミスがあるとの訂正がなされてはいないことから、震災後ある程度時間が経っているにもかかわらず、半減期の短いクロル38が生成されたことは「再臨界」の発生を疑わせる。ウランの核分裂が続いていることを意味する。東京電力のその公表データが正しかったかどうか、そこはポイント。
ここで言う「再臨界」が、すぐさま破局につながる、とまでは言えない。ウランが一カ所に高濃度に集積されて初めて臨界に達する。その例が、JOCの臨界事故。
ジルコニウムの被覆管が溶けてしまうと、小指の先ほどのペレット(「ウランで作った瀬戸物」)が崩壊してきて(プルトニウムが検出されているので、ウランの瀬戸物が溶けたこと・損傷が起ったことは確実)、ウランが「ぶすぶすと燃え続ける」、それを小出さんは「再臨界」と呼んでいる。現状では、激しくウランの核分裂反応が起こる、爆発するという意味では言っていない。小規模に各所で「ぶすぶすと燃え続ける」といったイメージ。
2800℃以上でペレットの溶解が起る、したがって、原子炉内がそのような高温になっていることを東電は認めたくない。もし圧力容器の底に水がたまっていて、メルトダウン時に溶融したペレットが水に触れると、水蒸気爆発が起こることを小出さんは最も恐れている。それは避けなければならない。メルトダウンと水蒸気爆発が最悪の事態。そうなると発電所の中では何の作業・対処もできないので、福島第一原発・第二原発のすべての原子炉が連鎖的にメルトダウンと水蒸気爆発を起こすことに。使用済み燃料プールまであり、これも破壊。影響は、チェルノブイリの数倍規模では収まりそうもない。チェルノブイリでは風下700kmでも高濃度汚染地域が・・・。国土の狭い我が国では?
小出さんの言う現状の「再臨界」を止めるには、ホウ素の注入。キチンと「再臨界」の場所にホウ素が到達していれば効果あり。海水の塩分の影響で、ホウ素注入に何らかの支障をきたした可能性を小出さんは疑っている。ホウ素自体も析出する。
「機械は壊れる、人間は間違う」、したがって、「事故は必ず起こる」。「全電源喪失・ブラックアウトは絶対起きない」と言ってきた、「想定不適合事故」と云ってそういった事故を想定することを避けてきた。「割り切ってきた」訳だ。原発では絶対に事故は起きないと思ってはならない。事故は、必ず起きるという覚悟が必要。その覚悟が無いのならば、原子力発電を選択すべきではなかった。
プルトニウムをどんどんと生みだすもんじゅの危険性。比熱1の水は冷却材として素晴らしい。放射能も生みださない。もんじゅでは水を使えない。大変危険なナトリウムを冷却材に使う。一方、六ヶ所村の再処理工場には使用済み燃料を大量に抱え込んでいる。冷却のための循環ポンプが止まれば、火事・水蒸気爆発が起こる。
政府・電力会社の公開データを基に、インタビューの1時間3分以降に、原子力が無くても大丈夫な理由が述べられている。是非見て欲しい。「需要のピークに合わせないとダメだ論、だから、原子力を選択論」について、水力+火力で十分足りる。電力需要ピークとは、夏場の数日のある数時間に過ぎない。対処法はいくらでもある。
原子力を選択するかぎりバカげた揚水発電所が必要というアホらしさ。揚水発電所を考慮に入れると、原子力はコスト的には全く割に合わない。それを考慮に入れなくても、水力や火力よりも同等か、むしろ高い。揚水発電所を考慮に入れないだけでなく、放射性廃棄物処理のコストが元々考慮されていない。アホらしい。日本人は、ずっとマスコミや電力会社の洗脳に騙されてきた訳。
この期に及んで、「いまだに、電力が必要だから、原子力をやるという発想があることが信じられない」という小出さんの嘆き。
経済や雇用問題も含めても、原発は最悪の選択。原子力を選んだがために、電気料金が高くなり、新自由主義経済に走り、経済や雇用が空洞化した。
最後に、即刻原子力は止めるべき、と小出さんは強く主張。
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一昨日の被爆労働者・原発ジプシーについて、別の記事。アクセスジャーナル(http://www.accessjournal.jp/modules/weblog/)の山岡俊介さんの3月25日の記事です。「原発労働者の許容被曝限度は年間50ミリシーベルト」は、今回、その5倍の250ミリシーベルトに高められている。
このような犠牲者なくして成り立たない社会で本当にいいのでしょうか?
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【http://www.accessjournal.jp/modules/weblog/】
2011/03/25
原発下請け労働者供給を仕切るフィクサーの正体
執筆者: Yamaoka (1:50 am)
今回の大震災による福島原発事故を機に、原発被曝の恐ろしさが世間の注目を集めている。また、原発冷却のために被曝も覚悟で決死の放水を行った自衛隊員や東京消防庁職員が英雄視されている。
だが、わが国の原発被曝は何も今回が始めてではない。わが国で初の商業原発が稼働し出して(1966年。東海発電所)半世紀近く経つが、重大な被曝ケースはJOC臨界事故(99年。2名死去)以外にも、数多くあると思われる。それがほとんど表沙汰になっていないのはこの間、わずかの金銭や暴力で持って闇に葬られて来たからだ。
実は今回の福島原発事故が起きて、ほくそえんでいると思われる勢力がいる。この間、原発のもっとも危ない現場に人出しをして来た連中だ。
「原発は安全といいながら、どこも田舎にある。
最初は仕事の少ない地元民が労働力になる。
だが、被曝の実態が次第に知れ渡りなり手が少なくなり、
釜ケ崎や山谷の日雇い労働者を遠くから
かき集めるようになった。だが、日雇い労働者さえ
敬遠するようになり、それ以降は事情を知らない外国人、
身内のいない訳ありの者をかき集めるようになった。
こうした手配には、当然、そのスジの者が絡むが、
今回の事故でますます危ない作業のなり手はいなくなる
だろうからね」(事情通)
重大な被曝が起きるのは必然性がある。
現在、原発労働者の許容被曝限度は年間50ミリシーベルト(一日は1ミリシーベルトが目安)だが、そもそも、一般人の年間限度(1ミリシーベルト)の50倍というのもおかしな話だ。
「それに、放射線の高いところだとわずかの時間で
1ミリシーベルトをオーバーし、仕事にならない。
そういう危ない現場ほど下請けのなかでも7次、8次が
担当しており、立場のもっとも弱い彼らは上から
早く仕事をやれとせっつかれ、自ら被曝量を計る
アラームを切ってやることにならざるを得ないからだ」(同)
結果、明らかに被曝だと実感しても、わずかの金で泣き寝入り。例え労災訴訟を起こしても暴力と御用学者の証言でもみ消される。広告漬けの大手マスコミもまともな報道はしない。
こうした実態は、20年も前から写真家の樋口健二氏が『原発被爆列島』(三一書房)などで告発し続けているが、現在も基本的にその実態は変わらない(樋口氏監督のテレビ番組「隠された被曝労働者~日本の原発労働者1」95年。イギリス Channel4。なぜ、日本でなくイギリスで放映なのか?)。
それどころか、前出の事情通は、被曝隠しはますます巧みになっているという。
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昨日の東京新聞の社説(http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2011031402000047.html)。
福島第一原発2号炉も危険な状態のようだ。何とか悲劇を回避してほしい・・・。祈る思いだ。
あらゆるセンサーは機能しているのか、炉内のデータや状況の把握ができているのか、心配である。枝野官房長官の「心配ない」をどこまで信用して良いのか? 被爆住民が、事実、出ている。
綿井健陽さんのブログ『逆視逆考PRESS』(http://watai.blog.so-net.ne.jp/、2011-03-13 22:49)には、「今日(13日・日)、朝10時ごろに双葉町に入った。福島第一原発からおよそ3キロほど離れた同町役場で、広河隆一さん、森住卓さん、豊田直巳さんら核被害取材のエキスパートが持参した放射線測定器の数値と警告音を聞いて戦慄が走った」とある。そこにリンクされている森住卓さんのブログ(http://mphoto.sblo.jp/article/43820834.html、2011年03月13日)も参照。
「原子力なくして今の暮らしも産業も成り立たない」日本にしてしまったこの国のエネルギー政策の貧困さや電力会社の在り方に、今更ながら、怒りがふつふつと沸いてくる。
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【http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2011031402000047.html】
砕かれた「安全神話」 福島原発災害
2011年3月14日
福島第一原発1号機に続き、3号機でも水素爆発の恐れがある。多数の人が被ばくした。想定外というより、安全性の想定自体が甘かったのではないか。
旧ソ連で一九八六年に起きたチェルノブイリ原発事故では、最悪で深刻なレベル7という悲劇が起きた。七九年の米国スリーマイル島の事故は、外部に重大な汚染をもたらすレベル5だった。九九年に茨城県東海村で起きたJCO臨界事故は、施設外への大きなリスクはないレベル4だ。
経済産業省の原子力安全・保安院は、今回の東京電力福島第一原発の事故を「暫定評価でレベル4程度」としているものの、これからどんな被害が広がるか、予断を許さない。
◆住民被ばくが現実に
原発のある町から避難した住民数十人以上が被ばくしたことが判明した。原発事故により、一般住民に被ばく被害が出たのは初めてのことだ。
衣服などに放射性物質が付いた状態だが、健康被害の恐れはないか、住民の不安を除くためにも、早急にチェックせねばならない。被ばく者数がもっと増えることも懸念される。早く全容をつかむ必要がある。
原発の敷地の境界線では、十三日午前に一時間当たり一二〇四・二マイクロシーベルトの放射線量を観測している。一般の人が日常で浴びる放射線は、一時間当たりで〇・二七マイクロシーベルトにすぎない。
炉内の圧力を下げるため、非常用の弁を開く措置によって内部の放射性物質が飛び出したためとみられるが、いかに多くの放射線が現場付近で放出されているかがうかがえる。
福島原発の1号機に続き、3号機にも異変が発生したためだという。1号機では、国内初の「炉心溶融」が起きた。原子炉内の水位が下がり、燃料棒が露出、温度が上がり、溶ける現象だ。放置すれば放射性廃棄物が飛び散る可能性がある。それを防ぐため、原子炉圧力容器に海水を注入した。
「廃炉」となるのを覚悟した上での判断だろうが、もっと素早く対応できなかったのか。こういう重大な判断には保安院の専門的知見と、政府の政治判断の両方が必要になる。住民らの安全を最優先とすべきだからだ。
3号機でも冷却機能が失われた。負の連鎖は判断のまずさの証明ではないか。
そもそも安全基準の想定自体が間違いだったのではないか。そんな疑問すら湧いてくる。
◆許されぬ「想定外」
東日本大震災はマグニチュード(M)が8・8から9・0へと引き上げられた。チリやインドネシアなどでは過去にM9級があった。地震国日本としては、あらゆる事態を想定した設計が必要だったはずだ。
原発への外部からの送電が止まったため、ディーゼル発電装置が働くはずだったが、この非常用の電源も使えなかった。「ECCS」と呼ばれる緊急炉心冷却装置が機能しなくなったのは、この電源がなかったからだ。
また、原子炉の圧力容器の周りには、格納容器や遮蔽(しゃへい)壁、外壁がある。内部の水素が爆発して、建屋が吹き飛んだ。避けられなかった原因は何か。その究明と迅速な情報開示がないと、住民はもちろん国民は不安になる。
東電の設備に被害が出たことで大幅な電力不足が想定される。地域ごとに順番に電力供給を停止する「計画停電」が実施される。大規模停電を回避するため、一人一人の対応が問われる。
それほど日本は原発に頼り、共存しているわけだ。静岡県は浜岡原発、石川県は志賀原発、福井県は美浜原発を抱える。
全国で五十四基が稼働し、約五千万キロワットの電力をまかなう。米国やフランスに次ぐ「原発大国」なのだ。同時に世界で有数の「地震大国」でもある。
かつて原発の「安全神話」という言葉があった。それはスリーマイル島事故やチェルノブイリ事故に際しても、安全対策や原子炉のタイプの違いを理由に日本では生き続けた。だが、今回の炉心溶融が私たちに教えるのは、科学技術は万能ではなく、大きな落とし穴があるということだった。
◆「原発大国」の岐路
原子力なくして今の暮らしも産業も成り立たない。温暖化防止時代の欠かせぬエネルギー源でもある。だが、現状のままの原発では「共存」はできないだろう。技術もシステムも管理も、さらに向上させねば国民は安心できない。
今は復旧が第一だ。しかし、学ばねばならないことはたくさんある。現在運転中の原発のどこを改善すべきか、住民の安全と信頼の確保には何が足りなかったのか。一つずつ検証していくことが求められる。
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