Activated Sludge ブログ ~日々読学~

資料保存用書庫の状況やその他の情報を提供します。

●辺野古破壊で「対話」!? 殴り続け、背後から蹴り続けながら…独裁者は嘯く《負担軽減に全力を尽くす》

2019年02月27日 00時00分22秒 | Weblog

【電子号外】有権者4分の1超確実 県民投票 知事、日米通知へ (琉球新報 2019年2月24日)↑]



琉球新報の記事【新基地工事強行 投票翌日 知事「中止を」 首相「先送りできない」 来月1日会談へ調整】(https://ryukyushimpo.jp/news/entry-880778.html)。

 《安倍晋三首相は官邸で記者団に「県民投票の結果を真摯(しんし)に受け止める」と述べた一方、普天間の固定化を避ける必要があるとして「移設をこれ以上、先送りすることはできない」として、引き続き辺野古移設を進める考えを示した》。

 《真摯に受け止め》つつ、辺野古破壊を続ける…どこまで矛盾してるのだろう? アベ様、普天間飛行場を《先送りすることはできない》って、アホですか? 《安倍首相は…14年4月、政府として運用停止期限を「19年2月」とすることを確認》、閣議決定までしておきながら!、これまで一体何をしてきたのか?

   『●《事実誤認》というフェイクで記者を会見から締め出す前に… 
                  アベ様や最低の官房長官こそ《事実誤認》?
   『●《安倍首相は…14年4月、政府として運用停止期限を
           「19年2月」とすることを確認》、閣議決定まで…
   『●辺野古は破壊「損」…《軟弱基盤でいつ
      完成するかもわからない辺野古》も《唯一の解決策》にはなり得ない
   『●辺野古破壊に「反対に○」が投票資格者総数の37.65%、
                  43万4273票…これは、もの凄い数字だ!
    「玉城デニー知事との面会で、アベ様の御言葉が聞こえてくるようだ…
     「真摯に寄り添って…」。アベ様の御言葉がいまから思い浮かぶ…
     「沖縄に寄り添う…」」

 アベ様独裁のサポーター、沖縄の市民を分断している首長ら、予想通りの《対応》ですね。どうしてアベ様に、普天間運用停止を迫らないのですか?
 沖縄タイムスの記事【「投票率5割で民意が測れたのか」沖縄県民投票、普天間を抱える宜野湾市は…】(https://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/389014)によると、《宜野湾市の松川正則市長は「投票率が5割ほどで、民意が測れたのか疑念がある」と不満を口にした。宜野湾市でも6割強が反対だったことに「普天間の危険性除去の原点に触れられておらず、こうなるのは当然だ」と反論》。
 同紙の記事【沖縄県民投票:名護市・渡具知市長「今後の参考に」】(https://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/389013)によると、《辺野古を抱える名護市の渡具知武豊市長は評価を示さず、「県民が意思表示した事実を事実として受け止め、今後の参考にしたい」と従来の見解を繰り返した》
 辺野古は破壊「損」…完成しない新基地、返還されない普天間。なのに、いまも、ジャブジャブとドブガネし、大量の土砂を美ら海にぶちまけ続けている。

   『●宜野湾市長選: 直近の沖縄主要選挙で5連敗目をアベ様に
   『●横田一さん名護市長選ルポ: 「詐欺集団の安倍自民党が
             “フェイク演説”で市長ポストを騙し取った──」
   『●最低の官房長官のフェイク言説「基地容認の民意」は
            「架空の代物」…それに悪乗りするアベ様広報紙
   『●「デマ」「ヘイト」の害悪と選挙…
     名護市長選や新潟県知事選の教訓を、沖縄県知事選の次にもつなげたい
   『●「日本人の誇り」について熱弁をふるう
     宮崎政久衆院議員(自民)は、堂々と「辺野古破壊に賛成」に一票を

 琉球新報の【<社説>県民投票無視の政府 民意を矮小化するな】(https://ryukyushimpo.jp/editorial/entry-880621.html)によると、《果たして、この国は民主主義国家なのだろうか。「民主主義の皮をかぶった独裁国家」を疑いたくなる。…一夜明けて、安倍晋三首相は「結果を真摯(しんし)に受け止める」と語ったものの「移設をこれ以上、先送りできない」と強行方針を変えなかった。これだけ反対が根強いのに地元の意向を無視して一方的に建設を強行するのは民主主義を押しつぶす行為だ。…安倍政権は問題の本質をそらし、辺野古移設か普天間固定化かの二者択一論にすり替えることに躍起だ。県民の民意がはっきりした以上、工事を中止し、新基地建設とは切り離して、最優先で普天間飛行場の運用停止に向けて対米交渉へ行動を起こすべきだ》。
 辺野古破壊に「反対に○」が投票資格者総数の37.65%、43万4273票…アベ様独裁政権は今日も辺野古破壊を続けている。人治主義国家・アベ様独裁政権による《サディスティックな政治》。

 《菅義偉官房長官は25日の会見で、玉城知事から安倍首相らとの面談要請があれば「しっかり対応したい」と述べ、応じる意向を示した》。《対応》てなんだ? 辺野古破壊断念・普天間運用停止が唯一の解決策であり、アベ様や最低の官房長官がやるべき《対応》だ。殴り続け、背後から蹴り続けておいて、《会談》《面談》? トンだ《対応》じゃないか。

 東京新聞の記事【首相、辺野古工事進める構え 玉城知事、対話再開求める 対立続けば再び法廷へ】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/list/201902/CK2019022602000118.html)によると、《首相は…「県民投票の結果を真摯に受け止め、今後も基地負担の軽減に全力を尽くしていきたい」…菅義偉官房長官は記者会見で「地元の理解を得る努力を粘り強くしながら工事を進めたいとの思いに変わりはない」と述べた。辺野古の米軍キャンプ・シュワブ前では、埋め立て用資材を積んだダンプカーが次々とゲート内に入った》。
 殴り続け、背後から蹴り続けながら…独裁者は嘯く《負担軽減に全力を尽くす》《理解を得る努力》。まずは、辺野古破壊を断念し、「原状回復」し、普天間飛行場の運用を停止してからの議論だ。
 今も続く辺野古破壊と世界一危険な普天間飛行場の運用…アベ様という独裁者が種々のクダラナイ理由を持ち出して壊憲を叫ぶ今ごろになって、《保守系の翁長雄志那覇市長》のこの言葉の意味を痛感させられる…「憲法改正よりも日米地位協定を改定することが主権回復」。

   『●前那覇市長・翁長雄志氏「(安倍首相の言う)
       『日本を取り戻す』の中に間違いなく沖縄は入っていない」
   『●沖縄の「屈辱の日」を祝う神経
   『●巨大新基地建設による辺野古破壊…
      プーチン氏に《主権を行使できていない実例》と指摘されてしまう始末

==================================================================================
https://ryukyushimpo.jp/news/entry-880778.html

新基地工事強行 投票翌日 知事「中止を」 首相「先送りできない」 来月1日会談へ調整
2019年2月26日 05:00

     (県民投票から一夜明け、米軍キャンプ・シュワブのゲート前から
      強制排除される座り込み男性=25日午前、名護市辺野古)

 【辺野古問題取材班】米軍普天間飛行場の移設に伴う名護市辺野古の埋め立ての賛否を問う県民投票から一夜明けた25日、43万人余りが埋め立てに反対する民意が示されたにもかかわらず、辺野古の米軍キャンプ・シュワブ沿岸部では土砂投入を伴う埋め立て工事が続行された。安倍晋三首相は官邸で記者団に「県民投票の結果を真摯(しんし)に受け止める」と述べた一方、普天間の固定化を避ける必要があるとして「移設をこれ以上、先送りすることはできない」として、引き続き辺野古移設を進める考えを示した

 玉城デニー知事は投票結果を直接通知するため、県議会2月定例会一般質問終了後の3月1日にも上京し、安倍首相と会談する日程の調整に入った。県議会で玉城知事は「政府は県民の民意を正面から受け止め工事を中止するとともに、一日も早い普天間の閉鎖・返還という問題解決に向けて県との対話に応じるよう強く求めていく」と強調した。

 菅義偉官房長官は25日の会見で、玉城知事から安倍首相らとの面談要請があれば「しっかり対応したい」と述べ、応じる意向を示した。

 25日はシュワブ沿岸部で昨年12月に土砂投入を始めた辺野古崎横の区域に、何台ものダンプが土砂を投入した。辺野古崎先端の「N4」護岸では、作業員が被覆ブロックを積んでいく様子が海上から確認された。市民らはカヌー11艇と抗議船で工事を強行する政府に抗議の声を上げた

 シュワブゲート前には市民約60人が座り込み民意を無視するななどと抗議の声を上げた工事車両299台が3回にわたって資材搬入でゲートを通過した。名護市安和にある琉球セメントの桟橋では、工事車両583台が運搬船3隻に土砂を運んだ

 24日の県民投票は開票率100%で、有効投票総数60万1888票のうち埋め立て「反対」の得票が72・15%に当たる43万4273票に達した。

 「賛成」は11万4933票で19・10%、「どちらでもない」は5万2682票で8・75%だった。投票率は52・48%。
==================================================================================

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

●辺野古破壊に「反対に○」が投票資格者総数の37.65%、43万4273票…これは、もの凄い数字だ!

2019年02月26日 00時00分25秒 | Weblog

【電子号外】有権者4分の1超確実 県民投票 知事、日米通知へ琉球新報 2019年2月24日)↑]



リテラの記事【県民投票で辺野古基地反対が圧倒! 安倍政権が妨害しても投票率5割以上、安倍応援団はぐうの音も出ず】(https://lite-ra.com/2019/02/post-4567.html)。
琉球新報のコラム【<金口木舌>県民投票の先に…】(https://ryukyushimpo.jp/column/entry-880214.html)。
沖縄タイムスの阿部岳記者によるコラム【[大弦小弦]名護市の投票所は小雨に包まれ、人影が少なかった…】(https://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/388995)。




 《この、沖縄が明確に示した民意を、安倍首相は無視することはできないだろう…選挙でもない、国の法律で定められているわけでもない住民投票で、50%を超えるというだけでも画期的だが、この県民投票をめぐっては、安倍政権および安倍自民党が、なんとかその結果を無効化させるため、投票率を下げさせようとさまざま卑劣な手段に出てきたからだ》。
 《▼名護市出身の元副知事、比嘉幹郎さん(88)は米統治時代、琉球列島米国土地収用委員会の通訳を務めるなど基地の変遷を見詰めた。「政府は沖縄を外交の道具として使ってきた。分裂を中央政府が喜ぶ」と指摘し、その脱却のため結束を呼び掛けた。分断は乗り越えられる。県民が票に託した願いだ》。
 《▼なぜ今回は静観し、「県民の理解」を求める絶好の機会を放棄したのか。…▼基地建設に合理性がなく、議論では勝ち目がない政府がそう認めたに等しい「不戦敗」に追い込んだこと自体、21年余りの間に県民が蓄えた力を示している》。

   『●《事実誤認》というフェイクで記者を会見から締め出す前に… 
                  アベ様や最低の官房長官こそ《事実誤認》?
   『●《安倍首相は…14年4月、政府として運用停止期限を
           「19年2月」とすることを確認》、閣議決定まで…
   『●辺野古は破壊「損」…《軟弱基盤でいつ
      完成するかもわからない辺野古》も《唯一の解決策》にはなり得ない

 2019年2月24日に、辺野古破壊の賛否を問う沖縄県民投票が実施されました。
 琉球新報の【<社説>県民投票で反対多数 埋め立て直ちに中止せよ】(https://ryukyushimpo.jp/editorial/entry-880215.html)によると、《名護市辺野古の新基地建設に伴う埋め立ての賛否を問う県民投票で、反対の民意が明確に示された。特定の基地建設を巡り、民主主義で定められた制度によって県民が自ら意思表示をしたのは初めてだ。2月24日は沖縄の歴史の中で特筆すべき日になった。法的拘束力がないにもかかわらず、有権者の過半数が投票し、43万人を超える人々が新基地建設にノーを突き付けた。この事実を政府が無視することは断じて許されない》。

 沖縄タイムスの記事【辺野古埋め立て「反対」が7割超え 知事の得票上回る43万票 沖縄県民投票、投票率は52.48%】(https://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/388970)によると、《沖縄県名護市辺野古の米軍新基地建設に必要な埋め立ての賛否を問う県民投票が24日、投開票された。3択のうち、埋め立てに「反対」は43万4273票に上り、投票総数の71・7%を占めた。県民投票条例で定める知事の結果尊重義務が生じる投票資格者総数の4分の1を超え、昨年9月の知事選で新基地建設反対を訴えて当選した玉城デニー知事が獲得した過去最多得票の39万6632票も上回った「賛成」11万4933票で、反対が賛成の3・8倍に達した「どちらでもない」は5万2682票。投票資格者総数は115万3591人で、投票総数は60万5385人。注目された投票率は52・48%だった》。

 東京新聞の示していた《注目3つの数字》は以下の通り。

   『●《安倍首相は…14年4月、政府として運用停止期限を
         「19年2月」とすることを確認》、閣議決定まで…
    「東京新聞の記事【沖縄県民投票、注目3つの数字 
     過半数←玉城氏得票数←4分の1】…《投票資格者数の四分の一
     (約二十八万九千)と、昨年九月に初当選した玉城デニー知事の
     得票数(約三十九万六千)、投票率50%となる
     投票者数(約五十七万八千)だ》」

                               投票資格者総数%
  投票資格者数の1/4  28万8398票         25.00%
  玉城知事得票数     39万6632票         34.38%
  投票率50%      57万6796票         50.00%

 今回の結果をまとめると、以下の通り。

  投票資格者総数    115万3591人
  投票総数        60万5385人
  投票率         52.48%

                        投票総数%  投票資格者総数%
  「反対」        43万4273票  71.7%  37.65%
  「どちらでもない」    5万2682票   8.7%   4.57%
  「賛成」        11万4933票  19.0%   9.96%

 辺野古破壊に「反対に○」が投票資格者総数の37.65%43万4273票…これは、もの凄い数字だ! 再びの、明確な民意だ。

 琉球新報の記事【新基地反対72% 43万4273票、有権者4分の1超 賛成19% どちらでもない9% 投票率52・48% 県民投票】(https://ryukyushimpo.jp/news/entry-880273.html)によると、《反対票は、県民投票条例で「結果を尊重」し、首相と米国大統領への通知を義務付けた全投票資格者数(有権者数)の4分の1を大きく上回る37・65%に上った…基地の整理縮小や日米地位協定見直しの是非を問うた96年の県民投票では賛成が89・09%に上り、有権者数の過半数(53・04%)に達した。投票率は59・53%だった》
 あらためて《96年の県民投票》は凄かったんだねぇ。《有権者数の過半数(53・04%)に達した》!! 沖縄の皆さんの基地に対するこれほどの明確な民意を無視し続けてきた訳だ。
 今回、「目指せ、投票資格者総数の過半数57万8148票。投票率71%で、辺野古破壊に「反対に○」が73%…投票資格者総数の51.83%」…を夢見ていたのですが、でも、それでも辺野古破壊反対が37.65%43万4273票という数字は凄い。

 これだけの明確な民意を無視して、今日も辺野古破壊という暴挙・愚挙は続いています。
 《政府は沖縄を外交の道具として使ってきた。分裂を中央政府が喜ぶ》…辺野古破壊という暴挙・愚挙、そして、沖縄の市民を分断する愚策。最早沖縄イジメ…無能なアベ様政権。

 琉球新報の記事【玉城知事「結果尊重する」 週内にも首相と会談へ】(https://ryukyushimpo.jp/news/entry-880254.html)によると、《「投票結果を尊重するとともに、速やかに首相と米国大統領に通知する。できるだけ早い時期に上京して結果を伝えたい」と述べ、週内にも安倍晋三首相と面会して結果を通知する意向》。
 また、日刊スポーツのコラム【政界地獄耳/清和会政権は自民党沖縄史の汚点】(https://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/201902250000216.html)によると、《しかし、その後の政権は沖縄に興味を示さず「普天間返還を決めたのに辺野古を認めない」、つまり「沖縄に問題あり」に議論がすり替わった…安倍政権は辺野古が唯一の解決策」「沖縄に寄り添うというものの、その努力は橋本・小渕時代に比べれば皆無に等しい》。
 玉城デニー知事との面会で、アベ様の御言葉が聞こえてくるようだ…「真摯に寄り添って…」。アベ様の御言葉がいまから思い浮かぶ…「沖縄に寄り添う…」。

 東京新聞の記事【首相「普天間移設先送りできず」 沖縄県は対抗策検討】(http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2019022501001445.html)によると、《普天間の固定化は避けなければならないとして「移設をこれ以上、先送りすることはできない」と官邸で記者団に語った》?
 首相《普天間移設先送りできず》って、アホ?? 《安倍首相は…14年4月、政府として運用停止期限を「19年2月」とすることを確認》、閣議決定までしておきながら!

 最後に、ブログ【海鳴りの島から 沖縄・ヤンバルより…目取真俊/日米安保体制下の天皇在位30年式典と琉球国の沖縄併合140年、そして県民投票】(https://blog.goo.ne.jp/awamori777/e/e03d7cda810fa68f2c797993169a358d)によると、《低投票率を狙って自民党・公明党が「静観」を決め込むなか、自ら投票所に出向いて意思表示した市民が、これだけいたということだ。ただ、県民投票の期間も辺野古の埋め立て工事は止まっていないし、明日以降も工事は続く。私にとって県民投票が成功したかどうかは、これから工事を止めるためにどれだけ役立つかにかかっている》。
 目取真俊さんブログ(https://blog.goo.ne.jp/awamori777/)、いつも見ていて胸が苦しくなる。「本土」から何もできないでいる無力感、罪悪感…。

==================================================================================
https://lite-ra.com/2019/02/post-4567.html

県民投票で辺野古基地反対が圧倒! 安倍政権が妨害しても投票率5割以上、安倍応援団はぐうの音も出ず
2019.02.24 10:07

     (県民投票公式サイトから)

 安倍政権に対し、県民がはっきりと「反対」の民意をつきつけた。本日おこなわれた辺野古新基地建設の賛否を問う県民投票は「反対」が多数となることが確定した。朝日新聞の出口調査では「反対」に投票した人は7割におよび、昨年、知事選で玉城デニー氏が獲得した過去最多の約39万票を超える可能性もあるという。
 県民投票条例では有権者の4分の1が選択した結果を知事が尊重し、総理大臣と米大統領に通知することが定められているが、今回は「反対」が4分の1を大きく超えるのは確実だ。この、沖縄が明確に示した民意を、安倍首相は無視することはできないだろう。
 しかも、注目しなければいけないのは、投票日のきょうは雨模様で出足が心配されるなか、この県民投票の投票率が50%を超えたことだ。選挙でもない、国の法律で定められているわけでもない住民投票で、50%を超えるというだけでも画期的だが、この県民投票をめぐっては、安倍政権および安倍自民党が、なんとかその結果を無効化させるため、投票率を下げさせようとさまざま卑劣な手段に出てきたからだ。
 今回、安倍自民党をはじめ、公明党、日本維新の会は県民投票を「自主投票」とし、自民、公明は公開討論会にも参加することなく「無視」を決め込んだ。これは日米地位協定の見直しと基地の整理縮小の賛否を問うた1996年の県民投票で、自民党県連が「棄権を呼びかける」としたことに批判が起こって方針の修正に追い込まれたことを念頭に置き、棄権呼びかけ運動ではなく、県民投票自体をまるでないことのように位置づけることで投票率を下げようとしたのだ。
 その一方、投票率を下げさせたい、「反対」票をなんとしても削りたい安倍政権が取ったのは、「辺野古か普天間か」という大嘘の喧伝と、ひたすら辺野古の工事を進めるという強権的な手段だった。
 そもそも、米政府は普天間返還に対して那覇空港の滑走路使用など8つの条件をつけており、2017年6月に当時の稲田朋美防衛相が「前提条件が整わなければ、(普天間)返還とはならない」と国会で答弁しているように、「辺野古に基地ができれば普天間は返還する」などという約束はなされていないのが現実だ。
 しかし、こうした事実を覆い隠し、安倍首相や菅義偉官房長官らは頻りに「普天間の危険除去のためには辺野古への移転しかない」などと言いつづけている。普天間基地近くの小学校や保育所に米軍機の窓枠や部品が落下するという重大事故が起こっても政府として米軍に強く対応を迫ることもしない安倍政権が、よくもまあ「普天間の危険除去」などと言えるものだと思うが、こうやって「辺野古に基地ができたら普天間返還」なる嘘を言いふらすことで、安倍政権は「反対」票を削り、さらには「容易に選択できない」苦悩を県民に押し付けてきた
 さらに、政府は昨年12月14日から海への土砂投入を開始し、既成事実づくりに躍起。その上、安倍自民党は県民投票の全県実施を阻止することで無効化しようとまで画策した。「「辺野古」県民投票の会」代表の元山仁士郎氏が全権実施を求めてハンガーストライキしたことなどが実り、投票の選択肢を「賛成」「反対」の2択ではなく「どちらでもない」をくわえた3択で妥結したが、安倍自民党が一部自治体を県民投票不参加に持ち込んだことが少なからず「反対」票を削る結果になったことは間違いない。
 そして、何より大きかったのは、菅義偉官房長官の発言だろう。菅官房長官は今月14日の定例会見で、「どういう結果でも移設を進めるか」という質問に「基本的にはそういう考えだ」と明言。投票がおこなわれる前から、県民の意志表示は無視する、と宣言したのである。


■安倍政権の“無視”作戦をアシストしたNHKをはじめとする大マスコミ

 その上、こうした安倍政権の姿勢をアシストしたのが、メディアだ
 事実、前述した12月14日の土砂投入では、普段は沖縄問題を取り上げない「本土」メディアはその映像を大々的に報じ、NHKはライブ中継までおこなった。「もう引き戻せない」と諦めさせるための安倍政権のパフォーマンスに、メディアが丸乗りしたのだ。
 その一方、基地問題は日本全体の問題であるにもかかわらず、県民投票の話題はほとんど報じず。取り上げたとしても、「辺野古か普天間か」という安倍政権の嘘をそのまま伝える体たらくだった。
 いや、それどころか、県民投票が直前に迫った22日のNHK『ニュースウオッチ9』では、「選挙によって分断されてきた沖縄」をVTRで打ち出し、基地反対運動に参加してこともある若者が県民投票に行くかどうかで悩む様子や、普天間基地の近くに住む男性が“県民は二分される”として「棄権」を決断したという声をクローズアップし報道した。
 辺野古に基地ができても普天間が返還されるわけではないという事実を伝えることもせず、「サンゴは移植した」という安倍首相の虚偽発言をそのまま垂れ流し、挙げ句、投票日直前に「棄権」という選択肢を強調する──。こうした報道こそが、県民の分断に加担するものではないか。
 このように、政権と忖度メディアによる圧倒的な発信力によって、県民に苦悩を押し付け、分断し、投票の士気を下げる“妨害”活動をおこなってきた安倍政権。こうしたことを考えれば、有権者の50%を超える人びとが投票をおこない、その大半が「反対」票に投じたという結果は、極めて重要だ。
 安倍応援団メディアは「こんな低い投票率しかなかった」という攻撃をするために手ぐすねを引いていたようだがぐうの音も出ないとはこのことだろう


■辺野古の軟弱地盤工事は困難、工期13年以上、2兆5500億円の金額に

 だが、それでも安倍政権は、またも沖縄の民意を無視し、この無謀な新基地建設を進めると打ち出すだろう。そして、メディアも沖縄の住民だけの感情として矮小化してしまうかもしれない。
 しかし、今度こそそんな犯罪行為やデタラメを許してはならない。そもそも辺野古の新基地建設は、すでに物理的に暗礁に乗り上げている。大浦湾側の埋め立て予定地で見つかっている軟弱地盤について、政府は地盤に砂杭を打ち込む計画だというが、その数はなんと約7万7000本という途方もない数字だ。しかも、地盤改良はもっとも深い地点が水面下90メートルという世界的にも珍しい工事で、この深さに対応できる作業船は国内に存在すらしない。無論、莫大な工費となることは必至で、政府は当初2400億円としてきたが、沖縄県は2兆5500億円と試算。工事全体も13年かかるとしている
 なおも工事を進めるという権力の暴走を見過ごすことは、沖縄だけではなく、すべての国民が同じように蹂躙されることを認めることになる。今回の「反対」の意思を、安倍首相はしっかり重く受け止めろ。そう全国から声をあげなければならない。投票によって明確に示された民意を蔑ろにすることは、けっして許されない。

(編集部)
==================================================================================

==================================================================================
https://ryukyushimpo.jp/column/entry-880214.html

<金口木舌>県民投票の先に・・・
2019年2月25日 06:00
県民投票 比嘉幹郎 辺野古 金口木舌

 1996年は19歳だった。日米地位協定の見直しと基地整理縮小の是非を問う県民投票では、選挙権がないため投票できなかった。「1年早く生まれていたら」。意思表示をできなかった悔しさは今も消えない

▼名護市辺野古の新基地建設のための埋め立ての賛否を問う県民投票は投票率が50%を超え、結果は反対が賛成を大幅に上回った。県民は1票を投じ、それぞれの意思を再確認した
▼名護市の61歳の男性は1997年のヘリポート基地建設を問う市民投票では賛成だったが今回は反対に投じた。「振興のため必要だと自分に言い聞かせてきたが、もう限界だ。沖縄への理不尽は何も変わらなかった
▼辺野古の20歳の男性は県民投票の費用対効果に疑問を抱きつつ、「権利だから」と足を運んだ。「国と争っても補助金が減るだけだ。基地に悪いイメージもない。賛成に入れた
▼名護市の投票所には車いすやタクシーで訪れた高齢者、入院患者を示すリストバンドを巻いた若い女性も1票を投じていた。取材に涙を浮かべ思いを語る男性もいた
▼名護市出身の元副知事、比嘉幹郎さん(88)は米統治時代、琉球列島米国土地収用委員会の通訳を務めるなど基地の変遷を見詰めた。「政府は沖縄を外交の道具として使ってきた。分裂を中央政府が喜ぶ」と指摘し、その脱却のため結束を呼び掛けた分断は乗り越えられる。県民が票に託した願いだ。
==================================================================================

==================================================================================
https://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/388995

[大弦小弦]名護市の投票所は小雨に包まれ、人影が少なかった…
2019年2月25日 07:21

 名護市の投票所は小雨に包まれ、人影が少なかった。24日午後、県民投票で訪れた男性(57)は「静かすぎてびっくりです」と辺りを見回した。1997年の名護市民投票とは様変わりだ

▼あの時、投票所入り口は辺野古新基地建設に条件付き賛成と反対、両派の訴えで騒然としていた。何より、政府が全力で勝ちにきていた。防衛庁の職員が戸別訪問に回り、長官は自衛官に文書で集票を求めた

▼なぜ今回は静観し、「県民の理解を求める絶好の機会を放棄したのか。菅義偉官房長官は「地方公共団体が条例に基づいて行うもの」と言うが、それは市民投票も同じだった

基地建設に合理性がなく、議論では勝ち目がない政府がそう認めたに等しい「不戦敗」に追い込んだこと自体、21年余りの間に県民が蓄えた力を示している

▼そして論戦が成立しない中でも過半数が足を運び、昨年の知事選を上回る反対の票を積み上げた。県民の意思は最終結論が出た

▼24日夜、反対を訴えてきた県民投票連絡会の名護支部。市民投票の時のはじけるような万歳はなく、穏やかに結果を喜び合った。参加者は「賛成派に勝った、万歳、ではない」「本当の相手は政府。県民が一緒になって向き合っていく」と語った。何度裏切られても諦めない、不条理に鍛えられてきた民主主義の言葉があった。(阿部岳
==================================================================================

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

●辺野古破壊…《暴力政治への批判…それが“勇敢”なんて言われてしまうことが、この国の異様さを物語》る

2019年01月12日 00時00分55秒 | Weblog

[※辺野古破壊の愚行を報じる朝日新聞2018年12月15日)↑]



琉球新報の記事【米首都で集会 工事停止訴え 請願署名20万超に】(https://ryukyushimpo.jp/news/entry-858181.html)。
日刊ゲンダイの記事【ローラ辺野古発言の波紋 安倍政治に口をつぐむ異様な国】(https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/245143)。

 《ホワイトハウス前で、県民投票が行われるまで名護市辺野古の新基地建設工事を停止するよう求める県系4世のロバート梶原さん(中央)ら=7日、米ワシントン》。
 《<土砂投入が始まって、SNSでは停止を求める署名が広がりました。タレントのローラさんが署名を呼びかけていましたが、偉いですよね。日本では「袋だたき」に遭うのが怖くて口をつぐむ人も多い>…坂本龍一氏の言葉だ。…そんな暴力政治への批判をつぶやくのは一国民として当たり前の感覚なのに、それが勇敢なんて言われてしまうことがこの国の異様さを物語っている》。

 ホワイトハウスへの請願"Stop the landfill of Henoko / Oura Bay"で、目標の10万筆を遥かに超えた。米政府から何らかの回答が得られることになった。現在は請願のWeb頁のトップに表示されるよう、4番目の請願数になるべく、署名の呼びかけが続いている。

 以前引用させて頂いた琉球新報のコラム【<金口木舌>中傷する人からまず手を挙げて】には、《▼空軍も海軍も陸軍も抱える沖縄。県は基地全てを撤去しろと要求しているわけではない。国防の重要性を訴え、ローラさんを中傷する人からまず移設先に手を挙げてはいかがだろうか》。《批判の声に耳を傾けず、力で押し切る政府の姿勢に疑問を感じないどころかメディアや一般市民までもが権力者を守る側に回って、批判の声を弾圧しにかかる摩訶不思議な現象が、この国の日常になっている》

 一方、またしても息吐く様にウソを吐き続けるアベ様。
 琉球新報の【<社説>首相サンゴ移植発言 フェイク発信許されない】(https://ryukyushimpo.jp/editorial/entry-858590.html)によると、《安倍晋三首相がNHK番組「日曜討論」で、米軍普天間飛行場の移設に伴う名護市辺野古の埋め立てについて「土砂投入に当たって、あそこのサンゴは移している」と、事実と異なる発言をした。一国の首相が自らフェイク(うそ)の発信者となることは許されない》。

   『●「米ラスベガス・サンズに日本に参入する免許を与えるよう
               強く要求」されておきながらアベ様は平気で…
    「憲政史上最悪の国会で、アベ様は《そんな事実は、これはまったく、
     一切なかったということをはっきりと申し上げておきたい》と明言。
     息吐く様にウソをつく。《ニヤニヤと笑みを浮かべながら…、
     根も葉もないヨタ話と言わんばかりに笑い、鼻にもかけないような態をとり、
     事実を完全に否定》しておきながら、なんじゃそりゃ。」

 それに対して、玉城デニー知事は…。日刊ゲンダイのコラム【室井佑月の「嗚呼、仰ってますが。」/「誰からのレクチャー?」玉城デニー氏投稿の“絶妙な2行”】(https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/245183/2)によると、《「安倍総理…それは誰からのレクチャーでしょうか。(後略)」(玉城デニー沖縄県知事)…安倍首相が6日の日曜討論に出て、普天間は返還されるだの、辺野古への土砂投入前にサンゴや希少な生物を移動させただの、堂々と嘘ついたことに対しての。…あの方、ご自分の考えがあるんだかないんだか。いっつも誰かが書いた作文を読むだけでしょう? だから自分が辛い目に遭わせている人たちに「真摯に寄り添って」なんていえる。ただ文を読んでいるだけだから。》

   『●2018年12月14日、「美ら海」に土砂投入…
      辺野古を破壊して巨大な新基地が恒久的に沖縄を占領…
   『●辺野古破壊のために美ら海に土砂投入…
      その翌日も現地で抗議が続く中、アベ様はのんびりとゴルフを満喫
   『●破壊「損」な美ら海への土砂投入…「2019年2月までの
           米軍普天間飛行場の運用停止」をやってみせよ!
   『●【政界地獄耳/問答無用の自治破壊実行する政府の怖さ】 
              《民意も海に埋める》…民主主義国家がやること?
   『●《『日本を取り戻す』の中に沖縄は入っていな》かった、 
          そして今《国民のうちに沖縄は入っているのか》?
   『●《ルールを守》っていない代表格は、民主主義を破壊する
                「選挙妨害を暴力団に発注する」人・アベ様
   『●辺野古「移設」に非ず、《新基地は軍港はじめ、
       普天間にない巨大で多様な機能を備えた一大戦争拠点…》
   『●三上智恵さん《埋められていくのは、辺野古の海だけではない。
                   この国の未来…助けを求める、あなたの声》
   『●巨大新基地建設による辺野古破壊…
      プーチン氏に《主権を行使できていない実例》と指摘されてしまう始末
   『●「在日米軍特権」「日米地位協定」「日米合同委員会」…
                《米国の言うことを聞くお友達は日本だけ》
   『●鈴木耕さん《美ら海を破壊するために、軍事基地を造っている…
                      言い換えれば、サディスティックな政治》
   『●《「ならばどうぞ独立を」とは決して言うまい。
        沖縄をそこまで追い込んだのは本土の側。その責任は重い》

==================================================================================
https://ryukyushimpo.jp/news/entry-858181.html

米首都で集会 工事停止訴え 請願署名20万超に
2019年1月9日 05:00
辺野古 ホワイトハウス 米軍普天間飛行場 新基地建設 県民投票 請願署名

     (ホワイトハウス前で、県民投票が行われるまで名護市辺野古の
      新基地建設工事を停止するよう求める県系4世の
      ロバート梶原さん(中央)ら=7日、米ワシントン)

 【ワシントン=座波幸代本紙特派員】米首都ワシントンのホワイトハウス前で7日、米軍普天間飛行場の移設に伴う名護市辺野古の新基地建設を巡り、埋め立ての賛否を問う県民投票まで工事を停止するようトランプ米大統領に求める集会が開かれた。県民投票まで工事停止を求めるホワイトハウスへの請願活動を始めた県系4世のアーティスト、ロバート梶原さん(32)=ハワイ在=をはじめ米在住の日本人や米国人ら約40人が参加し、「沖縄に米軍基地はいらない」などと書いたプラカードや横断幕を持って、工事停止を訴えた。請願署名は開始から30日を過ぎた8日午前9時(日本時間同日午後11時)時点で20万2258筆が集まった。
 集会を主催した梶原さんは「少なくとも沖縄の人々が2月24日の県民投票で民主的な権利を表明できるまで工事を停止すべきだ」と訴えた。
 梶原さんは昨年12月8日、ホワイトハウスの請願サイト「We the People」で、トランプ大統領宛てに埋め立て工事の中止を求める請願を始めた。
 インターネット署名が呼び掛け開始から30日以内に10万筆が集まれば、ホワイトハウスから何らかの返答が60日以内に届く仕組みになっている。
 英ロックバンド「クイーン」のギタリストで天文学者のブライアン・メイさんら国内外の著名人らも署名をするなど、賛同の輪が広がっている。同サイトで確認できる請願で5番目に多い筆数となっている。署名は同サイトで引き続きできる
==================================================================================

==================================================================================
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/245143

ローラ辺野古発言の波紋 安倍政治に口をつぐむ異様な国
2019/01/10 17:00

     (署名を呼びかけたローラ(C)日刊ゲンダイ)

<土砂投入が始まって、SNSでは停止を求める署名が広がりました。タレントのローラさんが署名を呼びかけていましたが、偉いですよね。日本では「袋だたき」に遭うのが怖くて口をつぐむ人も多い

 9日の朝日新聞社会面に載った音楽家・坂本龍一氏の言葉だ。辺野古への土砂投入など、沖縄をテーマにしたインタビューで、国家の暴力に異を唱えることについて、坂本氏はこう続ける。

<米国では、国民の半分近くはトランプ大統領支持ですから、バッシングは日本の比ではない。それでも芸能人やスポーツ選手が政治的な発言をすることが当たり前です。立場を表明しない人はかえって愚かだと相手にされません>

<世界ではいま、「声がデカい人の意向が通る」という政治が横行しています。真実を追求しようとするメディアには「ウソつき」と繰り返すなど、一方的な対応が目立ちます。反対する者とまともに議論しようとしない日本政府の姿勢は、トランプ大統領のマネをしているんでしょうたがが外れていますよね

 そして、「そのことに多くの国民が気づいていないことが一番大きな問題」だと指摘する。

 批判の声に耳を傾けず、力で押し切る政府の姿勢に疑問を感じないどころかメディアや一般市民までもが権力者を守る側に回って、批判の声を弾圧しにかかる摩訶不思議な現象が、この国の日常になっているからだ。


■政権批判の発言だけが叩かれる

 ローラが署名を呼びかけたのは、昨年12月14日から土砂投入が始まった名護市辺野古沿岸の新基地建設について、2月24日の県民投票まで工事を停止するようホワイトハウスに求める請願サイト。8日時点で20万筆を超えたが、ローラが自身のインスタグラムで「みんなで沖縄をまもろう」「美しい沖縄の埋め立てを止めることができるかもしれないの」などと訴えたところ、バッシングの嵐に見舞われた。「芸能人は政治的発言を控えろ」というのである。有名人が政治的な発言をするのが当たり前の米国とは対極的だ。

「辺野古工事反対の請願署名には、世界的ロックバンド『クイーン』のブライアン・メイ氏もツイッター協力を呼びかけましたが、ローラさんに対して脅迫めいたことを言っていた人たちも、彼には『政治的発言をするな』と噛みつかないイビツなダブルスタンダードの上に成り立ったバッシングであり、日本の有名人が現政権に批判的な言動をすると、政治的と問題視される安倍政権をヨイショするタレントの発言だって政治的なのに、そちらは決して攻撃されないのです。ローラさんの『きれいな海を守りたい』という気持ちは政権批判とは別物ですが、現政権が進めることに異を唱えた途端にやり玉に挙げられる。本来なら、そういう言論弾圧には毅然と対峙し、自由な発言を守るべきメディアが腰砕けだから、どうしようもありません」(高千穂大教授・五野井郁夫氏=国際政治学)

 政権にとって不都合な“政治的発言”をすると、「芸能活動に影響が出ないといいが……」と心配するフリをするが、それ自体が同調圧力となって発言者を追い込んでいく。中立や公平を持ち出して、テレビ番組にも呼ばなくなる。それが大メディアのやり方だ

 中立・公平というのなら、政権に好意的な意見も批判的な意見もあっていい。大体、日本の美しい海を埋め立て、日本国民の税金を使って米国様のために、必要かどうかも分からない基地を建設するなんて、愛国者ほど黙っていられないはずだ。それなのに「辺野古反対すら言えないなんて、一体この国はどうなっているのか


■政府のフェイク垂れ流しに協力するメディアの罪

およそ民主主義国家とは思えない異様な言論状況の元凶が、政権の意向を忖度する大メディアです。安倍首相がデタラメ答弁を繰り返す国会審議はマトモに報じないのに、辺野古湾への土砂投入は生中継して基地新設を既成事実化したい政府をアシストする。政府がおかしなことをすれば糾弾するのが当たり前なのに、大メディアが共犯者になって政権を守っている。とりわけひどいのがNHKで、国民から税金のように受信料を徴収しておいて、政府の言い分をそのまま垂れ流す広報機関になり下がっています。多くの国民はNHKが嘘を流すはずがないと信じているから、コロッとだまされてしまう。そこが問題です。この国のメディアが真実を伝える役割を放棄したために、嘘にまみれた安倍政権が6年も続き、やりたい放題を続けているのです」(政治評論家・本澤二郎氏)

 6日のNHK「日曜討論」は、まさに御用メディアの本領発揮だった。辺野古の埋め立てによって海域の希少サンゴや絶滅危惧種が死滅する恐れについて、「サンゴについては(他の場所に)移している。絶滅危惧種は(砂を)さらって別の浜に移していく」という安倍の発言をそのまま流したのだ。しかし、これは事実ではない。

 地元紙「琉球新報」によれば、埋め立て海域全体で必要な約7万4000群体移植は行われておらず、移植されたのは別の区域群体だけ。砂をさらって生物を移す作業もしていないという。

 ここまで堂々と国民に嘘を言う首相もどうかと思うが、NHKもそろそろ公共放送の看板を下ろして“政権放送”と認めてはどうか。くだんの「日曜討論」の安倍放言は事前収録だった。ファクトチェックする時間はあったはずなのだ。嘘だと気付かなかったのか分かっていてフェイクニュースに加担したのか


■当たり前の批判が「勇敢」とされる異常

 安倍のサンゴ発言については、8日の官房長官会見でも「事実誤認なら改めて見解を出すつもりはあるか」と質問が出たが、菅官房長官の回答は「報道によれば、の質問に政府として答えることはない。報道に問い合わせをして欲しい」という信じられないものだった。

「いまだ収束のメドも見えない福島第1原発事故の汚染水について、安倍首相が『アンダーコントロール』と言い切ったことを思い出します。その場しのぎの嘘をメディアが批判しないから、言ったもん勝ちのフェイクがまかり通ってしまう。批判すれば政権支持者から袋叩きにされるから、誰もが口をつぐんでしまう。恐ろしいのは、国民が安倍政権の嘘や暴力政治に慣れ、マヒしていることです。何を言っても暖簾に腕押しで嘘をまき散らし、首相が外遊三昧の政権が、どんな横暴を働いても唯々諾々と従い、批判する人を叩く風潮が横行している。こうやって、民主主義は切り崩されていくのですメディアも言論活動を放棄してしまったこの国は、もはや“民主主義のフリ”をしているだけ。厚顔無恥に権力を振りかざし、正論が通用しないトップに対し、心ある国民はどう対処すべきか、真剣に考えなければなりません」(五野井郁夫氏=前出) 

 忖度メディアに守られたペテン首相は、きょうもヌクヌク外遊三昧だ。9日に政府専用機で英蘭歴訪に向かい、オランダに到着。出発前に安倍は「6月に大阪で開かれるG20の成功に向けた協力を確認したい」とか言っていたが、オランダはG20参加国ではない。物見遊山で血税を浪費されてはたまらないのだが、批判の声は上がらない。誰も文句を言おうとしない。

 これでは、嘘とゴマカシ答弁でアリバイ的に日程を消化し、強行採決が当たり前という国会軽視が常態化するのは当然という気がしてくる。民意をナメているから、国会を愚弄し、辺野古への土砂投入も問題なし、サンゴ移植の嘘も問題なし。そんな暴力政治への批判をつぶやくのは一国民として当たり前の感覚なのに、それが勇敢なんて言われてしまうことが、この国の異様さを物語っている
==================================================================================

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする