1736.4m の 節刀ヶ岳
富士に会って、もう感激の声を出すことはないと思っていたんだが、大室山に続いて今日も視野の利かないブナ林を抜けた先には富士が待っていた。そして思わずの“ウオゥー”と、つい出てしまった声。
6日の金曜日夜からは雨の予報だが、日にちが変わる頃にはもう上がると云う。そして、雨上がりなので澄んだ空気のもと富士の絶景を期待するんだ。
前日泊の山行で一番気にするのは、寒さ対策。だいたい今までの経験からでは、寒くて眠れないことが多い。さてさて、今回はどうか? と、云うことで現地の気温を見て、シュラフはどれにとか、就寝時の上着はどれをとかいろいろ用意していたが、結果は暑くて目が覚めるほど。
仮眠の釈迦堂PAは、PAのいつものことながら一晩中トラックのエンジン音が煩い。煩くてよく眠れないなと思っていたら、いつの間にかバタンキュー。で、予定通りの5時起床。その1時間半後には登山開始。
登山口近くの駐車場にある大看板、右真ん中の写真で節刀ヶ岳の山容が確認できる
目も体もまだ覚醒しておらずに林道を淡々と進んでく。30分ほどしての林道終点で漸く目も覚めて体も解されてきて暑くなる。
車道沿いから登山開始
歩き始めて30分ほどの林道終点、体も解れてきて上着を脱ぐ
1200m辺りの沢出会いから尾根に掛かると登りは急になる。でも、ゆっくりとしたペースを守っているので息が切れることはない。廻りはブナの林が続き、景色はない。上の方が明るくなってもうすぐ富士が目の前だ、と期待。
ブナ林の中、中央の青い点が先頭を行くリーダー
この先、明るい処が大石峠
そして期待とおりの景色が待っていた。
この場に立って、またもや “うおーっ”と云う声しかでない
昨日の雨と風が余計な空気を飛ばして、澄んだ空を持って来てくれているかなと思っていたが、ちょっと霞んでいたが立派な富士に思わず感動の声が漏れてしまう。
澄み切った空気でなく少し残念だが、そうは云っても富士は富士
途中通過の金堀山
“ドラマチック富士眺望コース”の稜線と右には河口湖
ひやぁーっ、大石峠の陽だまりを過ぎると稜線上のこのルートは寒い。昨日の強風が残っていて、そして冷たいんだ。さっき迄とは違って、手先が冷える。そだねー、“山に楽な処、無いんですね”とMさん。
節刀ヶ岳への最後の登り
鬼ヶ岳方面
富士を従え、十二ヶ岳も格好いい
(帰ってきて今気が付いたんだが、登山中誰にも会わず) 節刀ヶ岳山頂も風強く長居はせず、下って数分の平坦部にて長めの休憩。そこには石組の残っている1.5mくらいの窪地がある。近くには炭の欠けらもあり、炭焼き窯跡らしい。登山口から900mも登って来たこんな処で 何故っ ? もっと麓近くでやればいいのにと思う。
炭焼き窯跡
余裕のある下りなので廻りをよく見ているとこの稜線、殆どで右と左の樹層が違う。ブナなどの広葉樹と針葉樹に分かれている。人工的なものなのかも知れない。
針葉樹の樹林帯を下って行く
大石峠近くになると空気の緩みを感じる。さっきまでの寒さが遠のき、陽だまりの空気を感じる。そんな処で大石峠に戻り着く。ここで30分近く寝ころび、富士の姿を堪能し惜しみながらの下山となる。
思い思いに寝っ転がっての休憩
御坂山地を南に位置する笛吹市のこの時期は、花花花。特に桃の花は市のシンボルか、いまのこの時期はまるで桃源郷。桃の花って一つ一つの花々が、僕にはまるで妖艶な女性を思わせる。サッと咲いてサッと散る乙女のような桜とは違う。この年になって漸くその違いを言葉で表せるんだ。
釈迦堂PA遺跡博物館そばの花祭り会場にて
メンバー:宮(L)、田、北、松、川、河(記)、井