Sixteen Tones

音律と音階・ヴァイブ・ジャズ・ガラス絵・ミステリ.....

ことし読んだ本のベスト9

2020-12-14 07:04:55 | 読書
順不同.カットは次点.
金田理恵「ぜんまい屋の作文」龜鳴屋 (2012/4).
これも含め8割が図書館の本.今年16とんが「読んだ」本であって,今年出版された本ばかりではない.

- ウィリアム トレヴァー, 栩木 伸明 訳「ラスト・ストーリーズ」国書刊行会 (2020/8).
じつはまだ途中までしか読んでいない...

- 雪 朱里「時代をひらく書体をつくる。」グラフィック社 (2020/11).
今年は活字に関する本が多い.

- コルソン・ホワイトヘッド,谷崎由依訳「地下鉄道」早川書房(2017/12),ハヤカワ epi 文庫(2020/10).
小説はほとんど翻訳もの.

- パオロ コニェッティ, 関口 英子 訳「帰れない山」新潮社(新潮クレスト・ブックス)(2018/10).

- エリーザ・プリチェッリ・グエッラ, 長野 徹 訳「紙の心」岩波書店 STAMP BOOKS (2020/8).

- 辻仁成「父 Mon Père」集英社文庫(2020/7).単行本は集英社(2017/5).

- 松田行正「にほん的 それは,ジミでハデなこと」河出書房新社(2020/05).

- 「本をつくる 書体設計、活版印刷、手製本 -- 職人が手でつくる谷川俊太郎詩集」河出書房新社(2019/2).

- 宋 欣穎, 光吉 さくら訳「いつもひとりだった、京都での日々」早川書房(2019/11).
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書籍のバーコード ぜんまい屋の作文

2020-04-15 09:06:26 | 読書
金田理恵「ぜんまい屋の作文」龜鳴屋 (2012/4).

出版社の紹介文*****
仕草がやさしくて、時間がゆるやかで、少しいたずらっぽくて。

『ぜんまい屋の葉書』から二十余年。今度は、いつのまにか溜まった作文を収めた小さな一冊。ものを書いても、やっぱり、いいなぁ、ぜんまい屋。
*****

著者自装.すっきりしていると思ったら,バーコードがないのだ.
和田誠「装丁物語」白水社(1997/12,文春文庫 2020/2) には,デザイン上いかにバーコードか受け入れがたいものであるかが,縷縷述べられている.
この「ぜんまい屋...」の出版社,龜鳴屋 (かめなくや) は,ホームページによれば,「ちょうど二十世紀が終わる年、人生、にっちもさっちも行かなくなって、すがるように、一人こそこそ本づくりをはじめた零細自営の版元」だそうだ.ここの書籍は直接販売のみの取り扱いで,書店では取り扱っていない.今では,このような普通の流通経路を外れた書籍で初めて,バーコードなしという「贅沢」が可能なのだろう.

本そのものは最初の30ページほどが色刷りで,「....の葉書」調.でも「作文」だから,全体に文章が長い.活版印刷へのこだわりもさることながら,「喫茶店のへんな人」装丁家の菊地信義との出会いも書かれている.
スポングのコーヒーミル,映画「真夏の夜のジャズ」,月光値千金など,著者は16トンの好きなものがお好きらしい.雑談のお相手をしていただいたら,さぞかし楽しいたろう.しかし著者はこの本の出版当時は張さんと婚約中で,北京に移り住むご予定だった.

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活版印刷と不要不急の本「ぜんまい屋の葉書」

2020-04-11 09:15:06 | 読書

荒川洋治「霧中の読書」みすず書房(2019/10) 中の「現象のなかの作品」という章の「活字の別れ」と題する項.1980年あたりから,活版印刷からオフセットへの移行が始まるが,この時期にあえて活版印刷で発行された文学書が2ページ弱にわたってリストアップされている.

理工学書のロングセラーでは,かなり後まで活版印刷がはばをきかせていた.我が書棚では 高橋健人「物理数学」培風館 が,奥付によれば 1958年6月 初版発行,手持ちは 1996年9月 初版第44刷発行 であり,お疲れの表情である.

 

しかし,活字への愛着を前面に押し出した本は

 金田理恵「ぜんまい屋の葉書」筑摩書房 (1991/5)

であろう.Amazon 古書価格は 8640 円より.大事にしよう.

Amazon 引用の MARC データベースによれば

*****「ぜんまい屋」とはネジとゼンマイのぜんまいで「人に親しい機械」という意味をこめている。「ぜんまい屋」こと金田理恵が、手刷りの活版印刷機で刷った葉書47枚。小さな心の動きや季節の移り変わりが美しい葉書に描かれている。*****

このページですこし中をのぞくことができる.

著者は松屋銀座の「遊びのギャラリー」を担当されたこともあるらしい,このキャラリーはいまだにわが銀ブラコースに入っている.

「...の葉書」は著者の美術作品のようなものだが,文学的な作品解説を

 金田理恵「ぜんまい屋の作文」龜鳴屋(かめなくや 2012/4)

のなかで読むことができる.著者の最新刊は「道端の椅子 ぜんまい屋の北京」龜鳴屋 で,こちらは写真が中心らしい.

 

尾道の「活版カンパネルラ」では活版印刷を体験できる.名刺を作りたいと思っていたのだが,コロナウイルスのあおりで現在休業中.

 

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