Sixteen Tones

音律と音階・ヴァイブ・ジャズ・ガラス絵・ミステリ.....

にほん的 それは,ジミでハデなこと

2020-07-08 08:32:40 | 読書
松田行正,河出書房新社(2020/05).
著者自装らしい.ハデでジミではないカバー.よく見ると chic and fancy Japan とあるがこの英文は本の本体にはない.

目次.各章のタイトルは漢字一文字プラス副題.() 内は16とんの付記.
*****
はじめに
1章 動―運動の描き方
2章 奥―日本文化の横長と奥 (西欧の建物が上に伸びるのに対し,日本の建物は横長.「奥」は心理的精神的なもの)
3章 触―手触りの発見 (紙,利久の茶道具)
4章 律―日本のリズム (偶数リズム.休拍を補えば75調も偶数リズム)
5章 影―平面性と立体性 (浮世絵には影がない,将棋の駒は平らだがチェスのは立体)
6章 余―充実する余白 (背景の省略)
7章 結―結び目と結界 (注連縄,フトンタタキ)
8章 周―マージナルを重視する (中央を空白とするデザイン)
9章 張―メリハリを利かす (前景・中景・後景の中景の省略.6・8・9章でまとまりそう)
10章 縦―縦に文章を組む
おわりに,図版引用元リスト,参考文献
*****

内容が豊富で,1章ごとにこのブログが1日分書けそう.1章はまとまりに欠けるが,2章以下はおよそ腑に落ちた.「にほん的」とはいえ,比較しなければわからないから,半分くらいは非日本的なものの記述である.海外との文化交流もよくわかる.

「はじめに」は,周縁から中心へ (住所の書き方を例に挙げているが,大分類から中・小分類へという方が適当かもしれない),ミニチュア志向,島国根性,脱亜入欧など,目次とは違った切り口が示される.本文は芸術・建築が主な話題.日本的な政治といったテーマには踏み込まない.コロナ禍下のお役所仕事と在宅ワークから,我が国の AI 化の遅れが問題になっている.このあたりに一章が欲しかったところ.

WEBマガジン WirelessWire News 連載が母体とのこと.
図書館で借用.

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