Sixteen Tones

音律と音階・ヴァイブ・ジャズ・ガラス絵・ミステリ.....

時代をひらく書体をつくる。

2020-11-29 09:40:54 | 読書
画像右が表紙.句点「。」までが書名.サブタイトルが「書体設計士・橋本和夫に聞く 活字・写植・デジタルフォントデザインの舞台裏 」.
雪 朱里 著,グラフィック社 (2020/11).総合情報ニュースサイト「マイナビニュース」連載の書籍化.

出版社の紹介文*****
活字~写植~デジタルフォントと三世代にわたり続く日本の書体の歴史のなかには、その存在の重要さに関わらず、あまり知られていないデザイナーがいる。その筆頭が、金属活字・写植・デジタルフォントの三世代で書体デザイン・制作・監修を経験し、特に写研で大きな功績を残した橋本和夫さんだ。日本の書体史の主軸となる部分を築いてきた人である。本書では、橋本さんのロングインタビューを通して、これまであまり語られてこなかった、だが間違いなく現在のルーツとなる書体デザインの舞台裏を浮かび上がらせ、日本の書体の知られざる流れを紐解いていく。*****

A5 304頁の上製本.最後まで読み通せるかと,図書館で借りるのをためらったが,意外にすらすらと読了.こういうことが好きなのだな.全 11 章の内訳は,1章が活字時代,6章が写植時代,3章がデジタルフォント時代.橋本さんの職場の,モトヤ,写研,イワタに対応する.
活字からデジタルまで,すごく変化したように見えるが,書体設計士の仕事内容はほとんど変わらないのだな...というのが,初めてこの分野に接したワタクシの感想.

ただし,この業界はよくわからなかった.モトヤ・写研・イワタ以外にどんな会社があるのだろう,書体というものは一体いくつあるのだろう,出版社はそれぞれ独自の書体を持っているのか.などが素朴な疑問.確かにコンピュータにはずらりとフォントが並んでいる.見出し画像左はいろいろなデジタル・ゴチック体.しかしコンピュータ以前には,こちとらは明朝体は皆同じと思っていた.でも,培風館とか岩波書店とかの本はならべた活字に個性を感じることはあった.

橋本さんは85歳でまだ現役.書体の設計にはご自分で手を動かすが,コンピュータはいじらないようだ.氏がコンピュータをいじったらどうなったか,と考えるのは面白い.

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