
辻仁成,集英社文庫(2020/7).単行本は集英社(2017/5).
Amazon HP BOOK データベースより*****
パリで生まれ育った「ぼく」は、ママを事故で亡くして以来、この街でパパと二人きりで生きてきた。だが、七十歳を過ぎたパパに、健忘症の症状が出始める。彼が迷子になるたびに、仕事中であろうと、真夜中だろうと、街を駆けずり回ることに。一方で、結婚を迫ってくる恋人との関係にも頭を悩ませていた。実はぼくらの始まりには、両親の過去が深く関わっていて―。家族と愛を巡る運命の物語。*****
ネタをバラすと,ママは不倫相手と交通事故で死ぬ.「ぼく」の恋人はママの不倫相手の娘.パパが家政婦に金を盗まれたと妄想してひと騒動あったり,ストーリーに起伏があって,おもしろい.
断定的に言えば,「ぼく」の方が女性的.恋人は男性的で,water bear (クマムシ) のクリプトビオシス (乾眠) という習性の研究者.
恋人の母親は中国人.彼女とパパ,すなわち裏切られたもの同士が,漢字で筆談して息があったりする.
恋人との関係は乾眠状態に陥るが,ラストはハッピーエンドを予測させる.
この作家は初体験.パリで子育て中のところは小説の「父」と似ているが,小説では父は作家よりひとまわり歳とっている.この父よりさらに歳をとった16とんには,老人の頼りなさが身に染みて感じられる.
作家の二度目の妻は南果歩,三度目の妻は中山美穂だがすでに離婚が成立している,などは Wikipedia で知った.しかしそんなことは解説 (岩城けい) には全然書いてない.知らずに読んでも,良い小説ではあった.
Amazon HP BOOK データベースより*****
パリで生まれ育った「ぼく」は、ママを事故で亡くして以来、この街でパパと二人きりで生きてきた。だが、七十歳を過ぎたパパに、健忘症の症状が出始める。彼が迷子になるたびに、仕事中であろうと、真夜中だろうと、街を駆けずり回ることに。一方で、結婚を迫ってくる恋人との関係にも頭を悩ませていた。実はぼくらの始まりには、両親の過去が深く関わっていて―。家族と愛を巡る運命の物語。*****
ネタをバラすと,ママは不倫相手と交通事故で死ぬ.「ぼく」の恋人はママの不倫相手の娘.パパが家政婦に金を盗まれたと妄想してひと騒動あったり,ストーリーに起伏があって,おもしろい.
断定的に言えば,「ぼく」の方が女性的.恋人は男性的で,water bear (クマムシ) のクリプトビオシス (乾眠) という習性の研究者.
恋人の母親は中国人.彼女とパパ,すなわち裏切られたもの同士が,漢字で筆談して息があったりする.
恋人との関係は乾眠状態に陥るが,ラストはハッピーエンドを予測させる.
この作家は初体験.パリで子育て中のところは小説の「父」と似ているが,小説では父は作家よりひとまわり歳とっている.この父よりさらに歳をとった16とんには,老人の頼りなさが身に染みて感じられる.
作家の二度目の妻は南果歩,三度目の妻は中山美穂だがすでに離婚が成立している,などは Wikipedia で知った.しかしそんなことは解説 (岩城けい) には全然書いてない.知らずに読んでも,良い小説ではあった.
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