Sixteen Tones

音律と音階・ヴァイブ・ジャズ・ガラス絵・ミステリ.....

自作曲の使い回し 「ゴジラ」の場合

2024-06-03 09:13:48 | 新音律
伊福部昭といえば大作曲家だそうだが,16 トン レベルでは映画ゴジラのテーマ音楽で認識している.
Facebook のプライベートグループ「昭和ノスタルジー」の記事で,Youtube にある 1948 年公開の秋竹映画「社長と女店員」のメインタイトル動画が紹介されていた.バックの音楽が6年後 1954 年公開の東宝の「ゴジラ」の音楽と全く同じなのだ.

この映画音楽の担当が伊福部昭で,彼の自作曲の使い回しは知る人ぞ知ることらしい.Youtube には nekohachi idoya チャネルに「ゴジラの原曲(?)集 伊福部昭」2014/05/09 と題する動画があった.24 分の長尺,説明には

*****
伊福部昭先生の作品の中からゴジラっぽいのを集めました。 こじつけもあるのはご容赦を...。 
「ゴジラ」「キングコング対ゴジラ」「銀嶺の果て」「社長と女店員」 「熱泥地」「蜘蛛の街」「ふろたき大将」「佐久間ダム」 「柳生武芸帳」「或る剣豪の生涯」「炎の城」「忠臣蔵」 「妲己」「フランケンシュタイン対地底怪獣」「大魔神」 「奇巌城の冒険」「座頭市血煙り街道」「寒帯林」 「協奏風狂詩曲」「ヴァイオリン協奏曲第二番」+おまけ になります。
*****

とある.

ざっときいたところでは,ほとんどまったく同じなのが,「ゴジラ」「社長と女店員」 「協奏風狂詩曲」の3曲.最後の曲は初版が 1948 で,Wikipedia には
*****1948 ヴァイオリン協奏曲第1番として発表され,後に (1951?) 第2楽章が省かれ「ヴァイオリンと管絃楽のための協奏風狂詩曲」と改題された.ヴァイオリン+ピアノ版あり.ゴジラのテーマの原曲.*****

ぼくの推測では,最初に真面目に作ったのがヴァイオリン協奏曲.それをアルバイト感覚・軽い気持ちで映画「社長と女店員」に使った.作曲者本人は一貫して,自作曲の使い回しのどこが悪いの ? という調子だったんでしょう.

埋め込み動画は「協奏風狂詩曲」.話題のテーマのちょっと前からスタートするように編集した.
なおトップ画像「社長と...」のタイトルは主演の柳家金語楼と月丘夢路らしい.

自分のブログをひっくり返したら,2014/4 にゴジラの「ドシラ・ドシラ」がラヴェルに似ていると言う記事を書いていた.そのうえ,自分で自分にコメントし,「社長と女店員」に関連して中島晶也氏の文章を引用していた.それを全部忘れていた !  年をとるとはそう言うこと !

追記
片山杜秀「大楽必易:わたくしの伊福部昭伝」新潮社 (2024/1)
を今日 丸善で立ち読みした.ゴジラ曲の使い回しについても書いてあった.調べたら当市の図書館に蔵書.


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