Sixteen Tones

音律と音階・ヴァイブ・ジャズ・ガラス絵・ミステリ.....

図形楽譜

2021-06-30 08:47:24 | 新音律
吉田秀和「現代音楽を考える」新潮社(1975).
これも古書市で買った本.この著者の本は初めて.ラジオで喋るは何度か聞いたが,眠くなって聴き通した験しがない.

1972-3年 芸術新潮 連載の書籍化.第1部 20世紀の作曲家 (ストラヴィンスキー,ジョン・ケージ,ヴァレーズ,メシアン,諸井,武満....),第2部 音楽の行方.
第2部に「図形楽譜」の章があった.

著者は,バッハ以来,楽譜とは,作曲家の胸の内にある唯一絶対の音響像を正確に認識させるためのものであるという.トップ画像左は Webern の「弦楽四重奏のための6つのパガテレ」の第1曲だが,これが記譜の行き着く先であり,小説ごとにリタルダント,アッチェレラント...とテンポが指定され,さらに音符ごとに強弱,ピツィカート,コル・レーニョなどが指定されている.

このような楽譜は演奏者たちの自由を奪い,演奏は機械的なものになる.
また音楽を記録し保存するという目的は,今日では録音という技術が果たしている.録音が楽譜の役目をもっとうまく努めるのではないか.
16 トンが今風に言雨とすれば,AI (midi でも こと足りるかも) に演奏させ録音すればそれでおしまい.

ここまでがまくらかな?
20ページ以上読まされた.まぁ言いぶんに異論はないのだけれど,だから図形楽譜が必要というのは強引.Anestis Logothetis の楽譜の一例が見出し画像の下半分だが,著者はこの Logothetis の主張をこの後延々と引用する.

見出し画像上・右はジャズのコード譜だが,Webern の楽譜の対極.メロディ自由.キー自由,テンポ自由,演奏時間自由,強弱自由...でも著者はこういう楽譜は素通り.

このテーマ 続きます.

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