復本一郎 編「正岡子規スケッチ帖」岩波書店 (文庫 2024/5).
出版社による紹介*****
「写生は多くモルヒネを飲みて後やる者と思へ」。子規の絵は味わいある描きぶりの奥に気魄が宿る。子規にとって絵を描くことは病床の慰めや楽しみ以上の、生きるよすがであった。最晩年の三か月に描き、『果物帖』『草花帖』『玩具帖』と題してまとめられた画帖をオールカラーで収録。漱石、鼠骨ら、子規の絵をめぐる文章を併載する。*****
目次
第一部 子規のスケッチ帖 『菓物帖』『草花帖』『玩具帖』
第二部 子規の絵画観
第二部 子規の絵画観
第三部 子規の絵をめぐって 寒川鼠骨,下村為山,夏目漱石
解題 『玩具帖』について(平岡瑛二)
編者解説(復本一郎)
解題 『玩具帖』について(平岡瑛二)
編者解説(復本一郎)
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丸善で発見.こーゆー本が出ていること,大書店でなければわからない !!
文庫本見開きに絵が一枚のわりつけだが,「のど (書物の紙をとじてある背の方の部分 ; コトバンク)」にあたる部分が見えない.トップ画像左はカバーだが,本の中では右のようにしか見えない.
下の4枚は『菓物帖』から 枝豆,桜の実,『草花帖』から美人蕉,野菊.枝豆の中身のぷくぷく感,美人蕉の葉のリアル,野菊の構図などうまいものだ.
トップ画像の明治のバナナは今スーパーに並んでいるのより,ずっと野生的だったと感じられる.バナナの文字がナカヌキなのが楽しい !
子規記念博物館蔵『玩具帖』は死の直前の作品だが,『菓物帖』『草花帖』の のびのびとした感じが欠けていた.
本書で漱石は子規の画を「拙」とかたづけているが,意義アリ !