Sixteen Tones

音律と音階・ヴァイブ・ジャズ・ガラス絵・ミステリ.....

山の本棚

2024-05-11 09:39:00 | 読書
池内 紀「山の本棚」
月刊誌『山と溪谷』(山と溪谷社)2007 - 2019 年連載の単行本化.全 153 冊を A5 3ページずつで紹介.原則的にそれぞれにヘタウマなイラスト付き.楽しいので 10 例を文末.

153 冊のタイトルと著者はヤマケイの HP にある.雑誌掲載順かどうかは不明だが,目次の最初の 10 冊は

『飯田蛇笏集成』飯田蛇笏,『楢山節考』深沢七郎,『照葉樹林文化論』中尾佐助,『越後山岳』日本山岳会越後支部 編,『高野聖』泉 鏡花,『山びとの記 木の国 果無山脈』 宇江敏勝,『湖畔手記」葛西善藏,『友へ贈る山の詩集』串田孫一、鳥見迅彦 編著,『日本山嶽志』高頭 式 編纂,『戸隠の絵本』津村信夫

と,まあ「山に関係する本を集めた本棚」.蛇笏集成でも山の俳句だけが俎上にあがっている.ところが 144 冊目からの最後の 10 冊は

『ぼくは散歩と雑学がすき』植草甚一,『新版 娘につたえる私の味』辰巳浜子 辰巳芳子,『富士山の噴火 万葉集から現代まで』つじよしのぶ,『カントリー・ダイアリー』イーディス・ホールデン 岸田衿子、前田豊司 訳,『日本列島 地図の旅』大沼一雄,『山の文学紀行』福田宏年,『近世紀行文集成 第一巻 蝦夷篇』板坂耀子 編,『木』幸田 文,『和菓子を愛した人たち』虎屋文庫 編著,『神主と村の民俗誌』神崎宣武

となり,山に無関係な本が多くなり「池内さんの山の別荘の本棚」の感.

どこから読んでもいいし,全部読む必要もない.以下,すこし内容について...

「気違い部落周遊紀行」の著者きだみのる が「ファーブル記」の著者(そして「ファーブル昆虫記」の訳者) 山田吉彦と同一人であること.吉田健一「わたしの古生物誌 未知の世界」でわかるのは,著者が恐竜オタクであったこと.これらはこの本で初めて知った.

本棚の「天一美術館」は美術館のカタログだが,ここの文章は美術館訪問記.上越線水上駅 - 谷川岳の玄関口 - に存在する.パトロンは銀座の天ぷら屋 天一.岸田,熊谷,安井,梅原,藤田,青木,光琳,乾山,蕪村,大雅,ルノアール,マチス,ルオー,ピカソ,....16トンもこれらを見たのは覚えているが,美術館に行ったことはない.東京のどこかで所蔵展をやった機会だったと思う.

「山で唄う歌」戸野昭,朝倉宏編,茗渓堂 (1954).「ひところ,山には歌声が流れていた」という文章で始まるが,イマドキは焚き火を囲んで歌ったりはしないのだろうか.1954 初版だそうだが,チェコ民謡「おお美しい牧場よ」は,ぼくの世代では たぶん「おお牧場はみどり」,イタリアの国境守備隊の歌とはたぶん「山の大尉」だろう. 原詩が添えられたものもあるそうだ.
書店としてのお茶の水・茗渓堂は 2011/7 閉店したとのこと.

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