伊集院静 著 集英社文庫(2013/08).
著者と色川武大との数年足らずの交遊を描いたにすぎないから,自伝的長編小説という看板は偽り.
むかし「話の特集」という雑誌があって独特のカルチュアを創っていた.色川武大はその常連として知っていた.麻雀は不得意なので - あんなに時間がかかるゲームはやっていられない - 阿佐田哲也名義の小説はあまり読んでいない.でも,映画「麻雀放浪記」は観た.
「いねむり先生」は,突然眠ってしまう色川氏がナルコレプシーという持病を持つため.
色川氏に興味があったので購入したのだが,はじめのうちは,この小説の先生像は違うんじゃないのと思った.「怪しい来客簿」や「狂人日記」等の著者が,若い人に丁寧語でしゃべるようには思えなかったのだ.しかし後半,先生のイメージが先入観として持っていた色川イメージとしだいに合致してきて,著者 (伊集院) も色川も同じ人種たったかと,納得させられるしかけ.
井上陽水らしき人物が登場する必然性がないように思う.テレビ用かな ?
解説 村松友視.
著者と色川武大との数年足らずの交遊を描いたにすぎないから,自伝的長編小説という看板は偽り.
むかし「話の特集」という雑誌があって独特のカルチュアを創っていた.色川武大はその常連として知っていた.麻雀は不得意なので - あんなに時間がかかるゲームはやっていられない - 阿佐田哲也名義の小説はあまり読んでいない.でも,映画「麻雀放浪記」は観た.
「いねむり先生」は,突然眠ってしまう色川氏がナルコレプシーという持病を持つため.
色川氏に興味があったので購入したのだが,はじめのうちは,この小説の先生像は違うんじゃないのと思った.「怪しい来客簿」や「狂人日記」等の著者が,若い人に丁寧語でしゃべるようには思えなかったのだ.しかし後半,先生のイメージが先入観として持っていた色川イメージとしだいに合致してきて,著者 (伊集院) も色川も同じ人種たったかと,納得させられるしかけ.
井上陽水らしき人物が登場する必然性がないように思う.テレビ用かな ?
解説 村松友視.