Sixteen Tones

音律と音階・ヴァイブ・ジャズ・ガラス絵・ミステリ.....

加賀乙彦 自伝

2013-08-24 08:05:45 | 読書
集英社 (2013/03).

著者は小説家だが精神科医でもある.日本には珍しい純文学の長編作家と承知しているが,この方の小説は「湿原」しか読んでいない.

「永遠の都」「雲の都」というふたつの自伝的小説を,それぞれ 10 年以上をかけて完成されたとのこと.ちなみに,永遠は戦前編,雲は戦後篇だそうだ.このふたつは小説だが,この本は自伝.でもときどき上記小説の抜粋が挿入されている.

奥さんの死で始まり,両親の死で終わる.著者は終戦時は陸軍幼年学校在籍で,少年H の河童氏とは一歳違いなのも興味深かった.

祖父がおもしろい人だったらしい.貧しい漁師から医者になったが,毎朝風呂に入り「人間は管であるから,管をきれいにしなければいかん」と,その後浣腸し,口から管を飲んで胃洗浄をする.
文庫本全 7 冊という小説「永遠の都」を読みたいと思ったが,すでに絶版.図書館を探してみよう.

聞き書きスタイルで読みやすい.この方の小説は読みやすいのではないかと思う.
5部構成で,最後の第5部は「いかにしてキリスト教徒となりしか」だが,縁なき衆生としてはこの部分はよく理解できなかった.
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