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Sixteen Tones

音律と音階・ヴァイブ・ジャズ・ガラス絵・ミステリ.....

外国人から見た日本語

2010-09-14 08:41:41 | 読書
光村出版 ベスト・エッセイ2009 の中の,楊逸さんの文章のタイトルは「明治天皇を食べようか」.日本人が「ジンギスカンを食べようか」と言うのを聞いてびっくり.ジンギスカンは人名であり,「明治天皇を食べようか」あるいは「聖徳太子を食べようか」と言われたような違和感を持つとのこと.イタリア人,フランス人もきっと「イタリアンを食べよう」「フレンチを食べよう」と言われると,食べられる! と思うのではないか...と続く.

日本語は固有名詞の省略が大胆,語順も自由,表現も大雑把で,真面目で繊細で職人気質の日本人の性格からは考えにくい.中国人は大ざっぱな性格だが,中国語はある意味では厳密で,省略したり語順を変えたりすると中国語ではまったく別な意味になるのだそうだ.

かなり前,I am an eal. という言い方が話題になったのを思い出した.「わたしは天麩羅がいいわ」「ぼくは鰻だ」という会話の後半を訳すとこうなるのだが,英米人にはびっくりな表現らしい.

おなじ本の,マーク・ピーターセンによる「気難しい恋人との付き合い方」.
「あぶないじゃないか! 死んだらどうする?」という日本語をきいたとき,まず感じるのは,死んだら何かをするなんて不可能じゃないか ということらしい.でもマークさんは,これは人間味あふれる効果的な言い方,と好意的.

「何か落としましたよ」というところを「落ちましたよ」といのも英語にはない発想だが,無意識のうちにも相手に対する小さな思いやりが感じられ,日本語のほうが「文明度」が高いと,持ち上げて下さっている.もちろん タイトルの「気難しい恋人」とは日本語のこと.

この,図書館で借りたベスト・エッセイは日本文芸家協会編 (もちろん日本人のエッセイが大半),
日本エッセイストクラブ編のベストエッセイ集というのも文芸春秋から毎年出ている.それぞれ,収録されたエッセイのひとつをタイトルにしている.どちらも前年に新聞雑誌に発表されたものから編集するので,もう 2010 年版が出ている.
本家と本舗みたいなもの?

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