マイケル・シェイボン著,黒原 敏行 訳, 新潮文庫 (2010/01).
「ピューリッツア作家による正統派ホームズもの」という惹句に引かれた.シャーロック・ホームズのパスティーシュには,記憶に残るものがないのだが,この小説の内容もやっぱり早晩忘れそう.
原題は単に The Final Solution.
ちゃんとチェックしたわけではないが,本文にホームズという固有名詞は出てこないのではないか.探偵役は養蜂家にして名無しの「老人」.
こうまで現著者がこだわっているのに,訳本のタイトルに「シャーロック・ホームズ」を冠してしまうのはいかがなものか.そうしないと売れないのは分かるけど.
日本語に訳せないことがミステリのキーになっている.ストーリーがこどもに甘いところが常識的.
そして,なんだこれ...という純文学の場合によくある読後感.純文学と違うのは読み出したらやめられないこと.短いし (文庫本で150ぺーじ),ミステリとしては,たいしたことはないが,著者はミステリのつもりではなかったのかもしれない.では何のつもりか,といわれても,分からない.ちゃんとした小説だということは分かる.
「ピューリッツア作家による正統派ホームズもの」という惹句に引かれた.シャーロック・ホームズのパスティーシュには,記憶に残るものがないのだが,この小説の内容もやっぱり早晩忘れそう.
原題は単に The Final Solution.
ちゃんとチェックしたわけではないが,本文にホームズという固有名詞は出てこないのではないか.探偵役は養蜂家にして名無しの「老人」.
こうまで現著者がこだわっているのに,訳本のタイトルに「シャーロック・ホームズ」を冠してしまうのはいかがなものか.そうしないと売れないのは分かるけど.
日本語に訳せないことがミステリのキーになっている.ストーリーがこどもに甘いところが常識的.
そして,なんだこれ...という純文学の場合によくある読後感.純文学と違うのは読み出したらやめられないこと.短いし (文庫本で150ぺーじ),ミステリとしては,たいしたことはないが,著者はミステリのつもりではなかったのかもしれない.では何のつもりか,といわれても,分からない.ちゃんとした小説だということは分かる.