音楽というか、本というか。
会社に飾ってあった花から、甘い香りが漂った。
くちなしだ。
くちなしの花を髪に飾って歌っていたのは ビリー・ホリディ。
今でこそ珍しくもないけれど、楽器のアドリブのように自由な
フレージングで歌う歌唱方法の先駆け。
歌を聴く前に、彼女の自伝を読んだ。
中学のときだったか‥ 読書感想文のために、何を読もうか
本棚の文学全集の背表紙を眺めていたら、それはあった。
『黒い哀しい歌』 タイトルに惹かれた。
貧しい家庭。まだほんの子供のころに奉公先の主人(白人)にレイプされた。
それが発覚しても、悪いのはビリーの方にされ、感化院に入れられる。
彼女は膝を抱えて座ったまま、そこから動かない。
「じっとしていよう。動かなければ、何も起こらない‥」
そう思いながら。
やがて歌手として有名になっても、激しい人種差別を受けた。
ステージではスターであっても、そこを降りれば出入り口も宿舎も車も白人とは別々。
やがて麻薬と病魔が彼女の命を奪った。
彼女はくちなしの花を髪に飾って歌う。
くちなしの花言葉
沈黙 純潔 私は幸福です
*
会社に飾ってあった花から、甘い香りが漂った。
くちなしだ。
くちなしの花を髪に飾って歌っていたのは ビリー・ホリディ。
今でこそ珍しくもないけれど、楽器のアドリブのように自由な
フレージングで歌う歌唱方法の先駆け。
歌を聴く前に、彼女の自伝を読んだ。
中学のときだったか‥ 読書感想文のために、何を読もうか
本棚の文学全集の背表紙を眺めていたら、それはあった。
『黒い哀しい歌』 タイトルに惹かれた。
貧しい家庭。まだほんの子供のころに奉公先の主人(白人)にレイプされた。
それが発覚しても、悪いのはビリーの方にされ、感化院に入れられる。
彼女は膝を抱えて座ったまま、そこから動かない。
「じっとしていよう。動かなければ、何も起こらない‥」
そう思いながら。
やがて歌手として有名になっても、激しい人種差別を受けた。
ステージではスターであっても、そこを降りれば出入り口も宿舎も車も白人とは別々。
やがて麻薬と病魔が彼女の命を奪った。
彼女はくちなしの花を髪に飾って歌う。
くちなしの花言葉
沈黙 純潔 私は幸福です
*