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─光る波の間─

現在ほぼツイッターまとめ投稿。アート(名和晃平、奈良美智他)映画・音楽・食べ物(日々のご飯)・雑貨etc...

岡野さんの絵

2004-06-01 23:23:29 | 
『ファンシィダンス』という漫画が好きだって、前に書いたけど、
今連載中の『陰陽師』ももちろん大好きです。

岡野玲子さん。

『陰陽師』も最初のころは、魑魅魍魎たちとのやり取りや
今昔物語に伝えられているような、おもしろいお話(天の邪鬼とか)が
主だったけど、どんどん話が広がっていって、宇宙的スケールになってしまった!

ダ・ヴィンチのインタビューなんか読むと、ほとんど“描かされてる”みたい。
なんでそういうことを描くか、わからないけど、描かなくてはいけない。
避けようとしても、どうしてもそうしなければならなくなる‥‥というような。

永井豪さんも、たしか『デビルマン』は毎日夢に見たそうで、
描かざるを得なかったというし、やっぱりアーティスト・クリエイターは
巫女体質が強いよねぇ。

で戻るけど、岡野さんの絵って、どんどん研ぎすまされていて、
このごろは何か、凄みも増しているように思えます。
今月の『メロディ』なんか、あまりにも透明度が高い‥というか、
「神々しい」とさえ言えるほどではないかと。畏怖の念すらあるよ、私は。

まもなく、終わりを迎えるはずの『陰陽師』
安倍晴明(岡野玲子)は何処へ到達しようとしてるんでしょう。。。


回想 というものをした記憶

2004-05-26 22:48:54 | 
江國香織さんの『ウエハースの椅子』という文庫本を買って読む。
小学校の描写がたくさん出てくる。
二列に並ばされて、手をつながされて、裸で歩かされた身体検査。

 あっ.....これ.....

私が6年生のころ、新入学生たちを1人づつ預けられて
身体検査を受けさせた。
高学年のおにーさんおねーさんの仕事だ。
「ガキは苦手だ・・・」 自分がガキだからね。
おかっぱの女の子だった。
ほとんど口をきかなかった。
だけど、繋いだ手が汗で湿っていて、こっちが戸惑うくらい
強い力でぎっちり握ってきた。

「じゃあ、次は体重ね」女の子は口を一文字に結んでた。

廊下を歩きながら、「あたしも、こうやってもらったっけな。
高学年のおねーさんと、手つないで。」

それが、私の人生最初の“回想”ってやつだったかも
しれないな、と、回想した。(笑)




三度読み

2004-05-19 19:09:09 | 
本は3回読まないと読んだことにはならん、と何かにあった。
そうかもなあぁぁ。
昔はどんどん新しいものが読みたくて流し読みって感じだったんだけど、
収納スペースが無くなったという理由もあって(笑)
このごろは同じ本を何度も読むことが多くなりました。

いやこれはなかなか良いですよ♪
その時によって、ぐっと来るところが違ったりするし
わからなかったとこが急にひらけて理解できたりするし
大好きな文章に何度も勇気づけてもらったりして。

そのなかでも『アルケミスト』はよく読む。
ぽっと手に取って、ぱっと開いたところを読んでみたり。
「あの場面、読みたいな」と思って開いてみたり。。。

“地球上のすべての人にはその人を待ってる宝物がある”

いえぃ!!


死の壁 を読んだ。

2004-05-14 22:15:48 | 
養老さんの本です。前の「ばかの壁」は読んでません。
売れ過ぎて、買うのがこっ恥ずかしくなってしまったってのも理由のひとつかなぁ(笑)
「死の壁」は、すんごい気を遣って言ってるな と思った。

冒頭、「ばかの壁」を書いたら、じゃあどうしたらいいの?とばかり
聞かれました云々ってあって、“えっそんなことまで人に考えてもらう時代になったわけ?”と
少々驚き、笑えてきました。
どうしたらいいかわからなくなるような事が書いてあったのかなぁ。
だったらまた別の興味が湧くなぁ。なんて思ったりして。

古代アテネでの青年の教育についての話があった。
「裸」であること。身分等の隔てを消して、平等であるための手段だったという話。で、思い出す。
たしかアメリカの大学でのエピソードだったと思うけど、
心理学専攻の学生を、看守役と囚人役に分けてどういう心理状態になるか実験したんだよね。
そしたら、看守役の方はどんどん横暴になって権力を振りかざすようになって
囚人役の方は卑屈になって自己評価が著しく下がってしまった。
で、あまりに危険な精神状態になったために実験は途中で中止されたんだ。
人間は肩書きや着るものだけで、簡単に心理状態が変化してしまう。
ナチスがあの当時なぜあんなに支持されたのかっていう理由の中に
「制服のデザインが優れていた」せいもあるんだって。

人は例外なく全て「ヒトラーになる可能性とマザー・テレサになる可能性を持っている」
自分の中に“ヒトラー”がいるって、否定しない方がいい。
否定するより、自覚してコントロールする力をつける方が大切でしょう。
ものすごく難しいと思うけど。

ナチスといえば「夜と霧」って読んだことある?
強制収容所から生還した精神科医フランクルの著書。
生き延びるために人はどんなことをするのか、
どういう精神状態になってしまうのか。
でも、自分が人間であることすら忘れてしまったかのようであっても、
なお希望を信じる力が存在するってことを書いているんだよね。
経験した人の語ることは重いです。

そういえば、戦後の日本で餓死した弁護士さんがいましたね。
自分は弁護士だから清廉潔白でなくては人に信用してもらえないからって
ヤミ米とかを一切食べなかったんだって。
そこまでいったらもう、何も申せません。稀有な方です。

あら、なんかえらい話が反れてっちゃった・・・(^^;