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なにも ほしがならなぁい なにも きたいしなぁい

ストーリー・オブ・マイライフ わたしの若草物語

2020-06-20 | 備忘録
-『ストーリー・オブ・マイライフ わたしの若草物語』(公式)
littlewomen


シアーシャ・ローナン無双。まさかティモシー・シャラメに感情移入する日が来るとは思わなかった。

エリザベス・ピュ-のハスキーボイスとふてぶてしさ。エリザベス・スカリンとアリス・クーパーのシーンの切なさ。
正直、「グレタ・ガーウィクの新作は観たいけれど、『若草物語』かぁ・・・」と思っていたのだけれど、実際観ると『若草物語』がこんなに面白かったとは!となった。現在と7年前の時系列をフラッシュバックで交互に進む構成で、物語的な推進がどこまでも維持されていて中だるみが無い。

文部省推薦みたいな善人の家族が織り成す団欒は多幸感がすざまじく、現実社会と比べてそれだけでも尊くてそれだけで泣いてしまった。そこにとどまらずガーウィグのオルターエゴたるシアーシャ・ローナン演じるジョーをはじめとして『レディーバード』のレディーバードの如く唯の善人ではなく、複雑な人間として描かれているので鼻じらむことなく没入できた。出版社とのやりとりなどはガーウィク節とでも言うべき現代の会話のトーンだった。

『レディバード』では、童貞だと思って処女を捧げたにも関わらず、実は童貞ではなくプレイボーイだったシャラメに振り回されていたシアーシャ・ローナンは本作では関係性が逆転し、勝気なジョーを一途に愛し続けるローリー(テディ)として立ち現れる幸福。ローリーの愛の告白を回避し続けた挙句のテディの告白シーンは最高です。そしてその先の結末も。シアーシャ・ローナンは現実のシャラメとの関係性を親友と語っているのが納得できるシーンの連続。序盤の出会いのダンスシーンのキャッキャした雰囲気もニヤニヤが止まらん!

こんなに面白いとは思わなかった。エンドロールもクラシカルでスクロールとは違った趣で素晴らしい。
そして久しぶりの映画館でこんな面白いものが観られるなんて。映画館のスタッフの方もありがとうです。

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